これは2006年の投稿で、以前のブログからの移行に際し、加筆、編集したものです。
2017年にNetflix配信、劇場公開される以前、『BLAME!』*1は2度、映像化が試みられた。1度目はオンライン配信限定のアニメとして、2度目は将来の映画化を見込んだパイロット版として製作されたものだったが、その存在に気付いた一部のファンが、知られざる存在としてチェックする以外、ほとんどのファンには、忘れられた存在となってしまった。
どちらもイメージ・ビデオ的な映像作品であり、ストーリーらしきものを感じさせる要素はない。単行本中の場面を動画化した、それ以上の期待を持って鑑賞に堪えるものではないのだが、存在を知ったファンにとって、それは一度は観ておきたいものではあるようだ。
「…どうしても抑えることが…ネットスフィアを見たくて…」接続してしまうシボのように、それは、ある意味で『BLAME!』らしい、と言える。
BLAME! Ver.0.11
オンライン配信された後、全エピソードが収録されたDVDが販売された。Log.1~6に加えてExtra Logという7話構成の作品だが、それぞれのエピソードの関連は薄い。一連のエピソードで単一のストーリーを語るのではなく、贔屓目に、かつ好意的に解釈するならば、それらを通じてアニメ版ならではの結論を導き出す試み、謎解きをモチーフとしているように感じられた。その題材は、ディスクの先端に記録された情報=遺伝情報、のことであり、それはどうやらシボのことを指しているようだ。
原作では明確な事柄が語られず、解釈を読者に依存する情報が多分に含まれているが、この作品でも、同じスタイルを踏襲している。エピソード全体を通じてのクロス・リンクやループ構造であったり、突飛な時間的跳躍であったり。例えばLog.3冒頭で「824,654,282時間後に思い出す。」と語られる。
エピソード全体を時系列に並び替えると、次のようになるのだろう。
時系列 | エピソード |
1 | Blame! Log.1 - Mega Structure |
2 | Blame! Log.3 - Net Sphere |
3 | Blame! Log.4 - 統治局 |
4 | Blame! Log.2 - 珪素生物 |
5 | Blame! Log.5 - Killy |
6 | Blame! Log.6 - Cibo |
7 | Blame! Extra Log |
「また遺伝を手に入れたのか?」という台詞で始まるExtra Logは、Log.6で霧亥からシボへ引き渡された情報を展開したものであれば、その情報は霧亥が見たもの、経験したものという解釈もできるだろう。