地元に映画館がないから自宅を劇場に
「必要は発明の母」ということわざがありますが、ここは地方映画館のクオリティに満足できなかったオーナーのKさんが、「劇場を超えるホームシアター」を目指してつくり上げた専用室です。スクリーンは張り込みタイプの110インチ。プロジェクターはビクターの8K対応モデル「DLA-V80R」。そしてサラウンドは床置きで7ch、天井に6ch、サブウーファー2基という、まさに音に包まれる7.2.6ch構成という驚きのシステムを導入しています。なぜここまで本格的な空間にしたのか、その理由をKさんに伺うと、地方都市ならではの悩みがあったといいます。
「北海道には2023年末まで、ドルビーアトモスを楽しめる映画館がなかったのです。近くのシネコンは老朽化が進み、上映作品によっては隣のスクリーンの音が聞こえてきてしまうレベルでした。そもそも近所といっても、車で数時間かかるので、大作は都内に遠征して観ていました(笑)」とKさん。
マニア垂涎のアイテムが並ぶ
転機が訪れたのは自宅の老朽化です。これまでは65インチのテレビシアターで映画を楽しんでいましたが、新築の機会だから、美しく内装までこだわり抜かれた専用室をつくりたいと思ったといいます。そこで片道5時間かけて訪ねたのが、園田幸一氏が率いるFIST SOUND旭川です。
ホームシアター計画で重要な機器レイアウト。計画当初は8畳を予定していたそうですが、FISTで体感した120インチの大画面とビクターのプロジェクターによる高精細映像を自宅でも再現したいと考え、まず間取りを調整。10畳に空間を拡張しました。機器選定は防音構造も加味して埋め込みスピーカーは使わず、さらにベストインクラスのアイテムを予算に合わせて選定していきました。
4Kも3Dも思いっきり楽しめる!
「映画館と同じ使い方をしていて、一度この部屋で上映を開始したら、映画が終わるまでトイレにも行きません(笑)」と、Kさん。最後に成功のポイントを伺うと「新築の時期にこだわり抜いたこと」だそうです。後から追加したのでは、ここまでの感動はなかったと微笑みながら教えてくれました。
写真/吉田哲昭
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K邸ホームシアター概要
ROOM DATA
●住宅形態:戸建/新築 ●ホームシアターの広さ:約10畳 ●画面サイズ:110インチ ●サラウンド:7.2.6ch ●インストール内容:機器設置、システムプランニング ほか
SYSTEM LIST
●プロジェクター:ビクター DLA-V80R ●スクリーン:オーエス PX-110H-WF302 ●ブルーレイレコーダー:パナソニック DMR-ZR1 ●AV アンプ:デノン AVC-X8500HA ●フロントスピーカー:KEF Q750 ●センタースピーカー:KEF Q650C ●サラウンドスピーカー:KEF Q550 ●サラウンドバックスピーカー:デノン SC-A37 ●トップフロントスピーカー:DALI OBERON ONWALL ●トップミドルスピーカー:DALI OBERON ONWALL ●トップリアスピーカー:DALI OBERON ONWALL ●サブウーファー:KEF Kube 10b Subwoofer×2
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