『これだけ! KPT』は自立的なチームを育てるための最強の改善フレームワーク

アジャイル
朝会やふりかえりなどの優良なプロジェクトファシリテーションガイドを無料で公開している天野氏がKPTを1冊の本にまとめました。
私はアジャイルソフトウェア開発において、ふりかえりは2番目に大切なプラクティスだと考えています。
ソフトウェア開発という業種だけでなく、様々な業種で改善行動をするためのキッカケとして使えます。毎週何らかの形でKPTを3年以上おこなっている私にも多くの学びを得ることができました。

本書の提案する「自律的なチーム」を育てる1つの方法としてKPTを活用してみてはどうでしょうか。
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KPTとは?

まず、KPTの読み方ですが「けーぴーてぃー」とは読まず、「けぷと」と読むのが正しいようです。このやり方を指してKPT法(けぷとほう)なんて言い方も見かけます。プロジェクトや日々の業務のふりかえりをするためのツールとして使われることが多いです。

やり方

Keep(いいところ)、Problem(悪いところ)、Try(改善のためにやること)をチームで共有し、改善するためのきっかけを作る手法です。実際にはそれぞれを付箋紙に書き出して、チームで共有し、改善の行動となるキッカケをつくります。これを継続的におこなうことによりPCDAサイクルに似た日々の改善をおこなっていきます。特にソフトウェア開発のアジャイル開発手法では日常的によく使われる手法です。

KPTでチームの未来が見える

私の経験でもKPTを見れば、チームが良い方向に進んでいくかがわかります。それは彼らの仕事が、彼らの手によって改善されていくかが予測できるからです。本書は改善のフレームワークであるKPTを「自律的なチーム」を育てる1つの方法として提案し、活用方法を紹介してくれます。

本書をオススメしたい人

結論から書くと『KPTって何ですか?』という人達は必ず読むべき本です。ですが、KPTを実践してみて、現場での改善を経験し、さらに改善を加速させたいと考えている現場のリーダーなどに特にオススメしたい1冊です。
また、著者はソフトウェア開発に携わる技術者ですがKPTはソフトウェア開発だけにとどまらず、ありとあらゆる業種や職種で利用することが可能です。私の経験からも営業部門、人事部門などへ導入し改善の成果を上げています。チームリーダーとしてすぐに使える内容やチームメンバーとして自分がどういう行動をするべきかの知見が得られます。よって、ありとあらゆるリーダーと現場の人にオススメしたい1冊です。

あなたの組織で改善のサイクルが回らない理由

本書でとても鋭い指摘があるので、紹介します。あなたの上司や、その直属の上司がPDCAのサイクルを回せない理由がココにあります。

なぜPDCAのサイクルを回せないのか。その原因の1つに「PDCAのサイクルを回したことが無いから回せない」というのがあります。
リーダが回せなく、その上司も回せないのですから、上司から指導して回せるようになるということは、困難でしょう。
そしてそのまま昇進していきますから、どんどんと回せない人達で組織の上層部が構成されていきます。

だからこそ、私自身もソフトウェア開発コンサルタントとして、こういった部分も含め指導に携わることがありました。ですが、コンサルタントを雇わずとも本書を手に取るだけで改善のキッカケをつくることは可能です。現実を変えていくのは上司ではなく、あなたからはじめましょう。

明日から役立つノウハウが満載

本書にはKPTを既におこなっている人達に明日から役立つノウハウが満載です。

知ってますか?付箋紙の剥がし方

KPTでは付箋紙をよく使うのですが、付箋紙を利用していると、付箋紙がそって見にくくなってしまったり、落ちてしまったりすることはありませんか?そんな人のために本書は付箋紙の剥がし方までも図解入りで解説してます。

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かゆいところに手が届くというのは、まさにこのこと。明日から実践してみましょう!

合意と同意の違い

KPTを共有すると改善などの次のアクションはチームで『同意』してください。合意では不十分だと本書で述べています。

主責任者を決めて、その人に丸投げしてしまい、その人が困っていたとしても周りが助けないというのは同意ではありません。
合意とは、同意に加えて「全面的にサポートする意思」まで含んでいます。

これはチームとしては指摘するまでもない事かも知れませんが、この機会に実践できているか再度考えてみる価値はあります。

KPTを引き出す質問

本書にはふりかえり会のファシリテーターとして、KPTを引き出すための質問があげられています。KTPがマンネリ化してきたりと感じたり、思考が停止気味になっていると感じたら、この質問を活用してみてください。私自身、思考停止になりがちなとき、この質問には何度も救われています。そして私も何度も活用させて頂いた質問ばかりです。

「自律的なチーム」を育てる1つの方法

私自身も著者の提案するようにKPTを継続的に活用することができれば、自立的なチームをつくることは可能だと考えています。チームを良くするためにKPTをはじめるチームは数多くいるでしょう。さらに改善を効果的に継続させていきたい人達に、頼りになる1冊であること間違いありません。
なお著者は数多くのファシリテーションガイドを無料でPDFにて公開しています。オススメはこのあたりです。

その他にも多くのガイドを公開しています。この著者がKPTをまとめて1冊の書籍にしてくれました。ぜひ、あなたの現場でもお役立てください。

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