中央銀行は最後の貸し手たる義務はない?

ピーター・ドーマンが、NYT記事で引用されたイェンス・ヴァイトマン・ドイツ連銀総裁の以下のコメントに対し、これは見過ごせない(I don’t think we should let this pass)、と反応した。

“Central banks, although they have the means, have no mandate, in my view, to safeguard the solvency of banks and governments,” Mr. Weidmann said, according to a text of his remarks. “That kind of implicit redistribution is a matter for governments or parliaments, if at all.”
(拙訳)
彼のコメントの書き起こしによれば、「私の見解では、中央銀行は、その手段は有しているものの、政府や銀行の支払い能力を守る義務はない」とヴァイトマン氏は述べた。「そのような暗黙の再配分は、仮に行う必要があるにしても、政府や議会の問題である。」


「Jens Weidmann on Central Banks as Lenders of Last Resort (Not)[最後の貸し手(ではない)中央銀行についてのイェンス・ヴァイトマンのコメント]」と題したEconospeakエントリで、ドーマンはこれについて以下のように皮肉っている。

Note that he refers to central banks in general and not only the ECB.
Frankly, I think Weidmann should sue the reporter who put these words into his mouth—obviously a crude attempt to make him sound like a yahoo who doesn’t know the first thing about his line of work.
(拙訳)
彼がECBだけではなく中央銀行一般について述べていることに注意されたい。
率直に言って、彼がこのように言ったとした記者をヴァイトマンは訴えるべきだと思う――明らかに、自分の仕事の基本事項も分かっていない粗野な人間に彼を見せかけようとする露骨な試みである。


コメント欄では、サンドウィッチマンが、義務が無いというなら清算してしまえ、と書いているほか、バークレー・ロッサーが、ロンバード街はまだドイツ語に訳されていないのか、と揶揄している。