サイボーグ009のハリウッド実写化が実現しなかった理由

日本のアニメが、ハリウッドで実写化されることがよくあります。

そんな中、石ノ森章太郎氏の代表作「サイボーグ009」も、2000年代にハリウッドがリメイクするとの噂がありました。

けれどもこれが、結局お蔵になってしまった。

お蔵になった理由は、サイボーグ戦士たちのキャラクター設定に、差別的表現があるからと言われていました。(※あくまで噂です)

確かに、009たちのキャラ設定には、昨今のコンプラに抵触してしまっているものが多いと思います。

 

 

©石ノ森章太郎サイボーグ009」第1巻より

アメリカ人の002の長すぎる鼻や、中国人の006、アフリカ出身の008のキャラデザイン。

そして、005であるネイティブアメリカンジェロニモの、いろんな設定。

さらには、イギリス出身の007の名前がグレート・ブリテンという国名だったり、ロシア人001の名前がイワン・ウイスキーだったり。

漫画黎明期の「漫画的カリカチュア」ともいえなくもないのですが……。

 

ただ、実は一番問題になったのは、そこではないとも噂されています。

ハリウッドで映画化できなかった最大の理由は、009たちが戦っていた「敵」にあるのではないかと。

果たして009たちは、何と戦っていたのか?

それは、戦争を引き起こして儲けようとする死の商人「ブラック・ゴースト」という組織でした。

今でいう軍産複合体のことです。

そして、その戦争屋たちと戦う「サイボーグ009」という作品のテーマが、ストレートに「反戦」。

さらには、軍産複合体が結局は「欲の象徴」との示唆もあり……。

この設定に対し、ハリウッド上層部は「絶対NG!」をつきつけたのではないでしょうか。

 

しかしながら、今この現在も、戦争をしたくない各国の庶民と、リアルブラック・ゴーストの戦いは、続いているように感じます。

世界中の庶民たちが、平和に暮らせることを祈っております。