
皆様こんにちは、フェンダーフロアの𠮷岡でございます。
本日は、2019年のNAMM Showにてローンチされ大変話題となっている新製品、アコースタソニックについてご紹介致します。
皆様がきっと気になっていらっしゃる、アコースタソニックの内部構造について大胆に迫りますので、アコスタちゃんのあんなトコロやそんなトコロを存分にご覧に入れるサービス回でございます。お子様がたには少し刺激がお強いですよ!
新製品は一度分解分析してみるのがギタプラの流儀でございます。そんな訳でいきなりバックパネルを外してみましょう!

こちらが全体像です。比較的すっきりまとまっています。

パネルの裏には充電池が貼り付けられています。駆動時間はフル充電時で約20時間とのことです。パネルを強く引っ張ると断線してしまいそうなので、取り外される際はご注意下さい。

こちらはポジション1で動作するマグネティック・ピックアップです。アメリカン・エリート・シリーズに採用されている第四世代ノイズレス・ピックアップ、通称「N4」が搭載されています。

マグネティック・ピックアップの高さ調整を行う際にドライバーが入るよう、両端がルーティングされています。これには感心しました。

バック・パネルのマウントは落とし込み式になっています。手が込んでいますね〜。

ボールエンドを引っかける部分はブラス板で補強されていると共に、ここから弦アースを取っています。
奥に見える黒いものはポジション3で動作するセンサー・ピックアップです。とてもセンシティブで、ボディ端を叩いても音を拾ってくれます。

サウンド・ホール部分を裏側から見た光景です。中心のマホガニー部分は削り出しによって作られており、デザイン性と共に、ホール付近に強度を持たせる目的で配置されているようです。

マグネティック・ピックアップの奥にご覧頂けるのがトップ・ブレーシングです。反対側にもブレーシングが入っており、前述のマホガニー部分はこのブレーシングに挟まれるような形で配置されています。

よく見ると、ピックアップがマウントされている部分全体が板で補強されていることが分かります。本当に良く出来ています!

こちらはプリアンプの回路部分です。一気にハイテクな感じがして参りました。

なにやらコネクト出来そうな端子的な物が…製作時の最終調整的な物なのか、それとも今後フォームウェアのアップデート的なことが可能となるのか…現時点では不明です!

回路の下はアルミテープで導電処理されています。

ここでやっとお顔を拝見!ポップなサーフ・グリーンの美人さんですね。

こうして見てみると厚みのあるトップのようにも見えますが、実際のスプルースの厚みはアコースティックギターと同様に薄く仕上げられています。

ブリッジ部分です。サドルの下にはピエゾ・ピックアップがマウントされています。

コントロール・ノブは木製となっており、個体によって色味が少しずつ違うことも魅力の一つです。

特徴の一つであるエルボー・コンター部分です。ご覧頂ける通り、ボディ・トップのスプルースとボディ・バックのマホガニーは段差なく繋がっているように見えます。
実はこちら、一度マホガニー側に ”縁” を設けるようにくり抜いた後、スプルースで蓋をするような形で製作されているのです!

ヘッド・ストックです。フェンダー・ロゴがレーザーによってエンボス加工されているのが格好良いですね!
それでは最後に、お馴染みの𠮷岡的イチオシ・ポイントをお知らせ申し上げます。それは…

ここです。
更に言えば、

ここです。
こちらは「マイクロティルト・アジャストメント」と呼ばれる、ネック・ポケットにシムを入れずともネックの差し角を調整することが出来る機構ですが、こちらを利用することで、従来のアコースティックギターではサドルを削ることで行なっていた弦高調整をドライバーとレンチで行うことが出来るのです!すごい!!!

一見変わった楽器にも見えるアコースタソニックですが、実は想定以上の売れ行きとなっており、世界中で売れ過ぎて供給が追いついていない状況でございます。
なかなか実物をお手に取って頂けるタイミングがないかもしれませんが、お近くの特約店様でお見かけになった際はぜひお試し下さい!
それではまた次回お会い致しましょう!
フェンダー・カスタムショップ製品に関するお問い合わせは、ギタープラネットエレキ本館フェンダーフロア宛にご連絡下さいませ。