A18・A18 Proチップのベンチマーク
A18 Proの概要
A18 Proは、Appleが2024年9月9日に発表した最新のフラッグシップスマートフォン向けチップセットだ。iPhone 16 ProおよびiPhone 16 Pro Maxに搭載され、TSMCの第2世代3nmプロセス(N3E)で製造されている。A17 Proの後継として登場し、CPUとGPUの性能が大幅に向上しているほか、Apple Intelligence対応の強化されたNeural Engineを搭載しているのが特徴だ。特にレイトレーシング性能では前世代から200%の性能向上を実現し、デスクトップクラスのM1チップと同等のGPU性能を持つ。2025年3月現在、iPhone 16 Proシリーズのパフォーマンスを支える最先端チップとして、高度なAI処理や最新ゲームにも余裕で対応できる性能を誇っている。
A18 Proの主な特徴
- TSMCの第2世代3nmプロセス(N3E)採用、105mm²のダイサイズ
- 6コアCPU(高性能コア2基@3.89GHz、高効率コア4基@2.2GHz)
- 6コアGPU搭載(A18は5コア)
- 16コアNeural Engine(最大35TOPS)
- A17 Pro比でCPU性能15%向上
- A17 Pro比でGPU性能20%向上
- A17 Pro比でレイトレーシング性能200%向上
- メモリ帯域幅17%増加(LPDDR5X採用)
- Apple Intelligence対応の強化された機械学習能力
- USB 3.2 Gen 2コントローラー搭載(最大10Gbps)
A18 Proの特徴・新機能まとめ
搭載デバイス
- iPhone 16 Pro(6.3インチディスプレイ)
- iPhone 16 Pro Max(6.9インチディスプレイ)
発表日
2024年9月9日(米国時間)、iPhone 16シリーズ発表イベントにて公開
チップの仕様・構成
- 製造プロセス:TSMCの第2世代3nm(N3E)、ダイサイズ105mm²
- アーキテクチャ:Apple設計の64-bit ARMv9.2-A
- CPU:6コア構成(高性能コア2基@3.89GHz、高効率コア4基@2.2GHz)
- GPU:6コア構成、ハードウェアレイトレーシング対応、最大768シェーダーユニット
- Neural Engine:16コア、最大35TOPS処理能力
- メモリ:LPDDR5X-7500、8GB RAM、最大帯域幅78.8Gbit/s
- TDP:最大11.5W(ベンチマーク時)
- メディア処理:刷新されたビデオエンコーダー(A17 Pro比で2倍のデータ処理)
- 接続性:Snapdragon X75モデム内蔵、最大10Gbpsのダウンロード速度、最大3.5Gbpsのアップロード速度
- USB:USB 3.2 Gen 2コントローラー(最大10Gbps)
旧チップからの進化・比較
- CPU性能:A17 Pro比で最大15%高速化、同等性能なら20%省電力
- GPU性能:A17 Pro比で最大20%高速化、GFXBench Aztec Ruinsで13%向上
- レイトレーシング:A17 Pro比で最大200%高速化、3DMark Solar Bay Unlimitedで平均30.4FPS
- メモリ帯域幅:17%増加(LPDDR5からLPDDR5Xへ進化)
- プロセス技術:A17 ProのN3BからA18 ProのN3Eへ改良
- キャッシュ:A18より大きなキャッシュサイズを搭載
- ビデオエンコーダー:刷新され、A17 Pro比で2倍のデータ処理が可能
- ISP(Image Signal Processor):刷新され、画像処理能力が向上
- USB速度:A18の480Mbps(USB 2.0)に対し、A18 Proは10Gbps(USB 3.2 Gen 2)
A18との違い
- GPU構成:A18は5コア、A18 Proは6コアGPU
- ダイサイズ:A18は90mm²、A18 Proは105mm²
- 性能差:ベンチマークでA18 Proが約8〜16%高いスコア
- キャッシュ:A18 Proはより大きなキャッシュを搭載
- USB速度:A18はUSB 2.0(480Mbps)、A18 ProはUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)
- ディスプレイエンジン:A18 Proは改良されたディスプレイエンジンを搭載
- ターゲット:A18はiPhone 16/16 Plus向け、A18 ProはiPhone 16 Pro/Pro Max向け
ベンチマークスコア
- Geekbench 6 CPU:シングルコア約3,678ポイント、マルチコア約8,974ポイント
- AnTuTu 10:総合スコア約1,915,345ポイント(CPU: 568,990、GPU: 660,671、メモリ: 310,672、UX: 375,012)
- GFXBench Aztec Ruins:1440p High Tierで72FPS(A17 Proは64FPS)
- 3DMark Wild Life Extreme Stress Test:最高ループスコア4,574ポイント、最低ループスコア3,096ポイント、安定性67.7%
- 3DMark Solar Bay Unlimited:平均フレームレート30.4FPS(レイトレーシング性能)
実際の使用感
- ゲーミング性能:最新の3Dゲームを最高設定でも快適に動作、レイトレーシング対応ゲームも高フレームレートで実行可能
- 動画編集:4K動画の編集がスムーズ、レンダリング時間が大幅に短縮
- AI処理:オンデバイスでの高度なAI処理が可能、Apple Intelligenceの各機能がスムーズに動作
- マルチタスク:複数の重いアプリを同時に使用しても快適に動作
- 発熱管理:長時間の負荷でも発熱を抑え、持続的なパフォーマンスを維持(特にiPhone 16 Pro Maxではグラファイト製サブストラクチャが効果的)
- バッテリー効率:高性能ながら電力効率が向上し、バッテリー持続時間が改善
その他
- デスクトップクラスの性能:GPU性能ではM1チップと同等のベンチマークスコアを記録
- 電力効率と発熱:GFXBench Aztec Ruinsテストでは11.5Wの電力消費(A17 Proは9.72W)、性能向上と引き換えに若干効率は低下
- 同世代チップ:A18(iPhone 16/16 Plus向け)、M4、M4 Pro、M4 Maxと同世代
- Apple Intelligence:オンデバイスでの高度なAI処理を実現、Siriの強化や生成AIなど最新機能に対応
- 将来性:高度なAI処理やグラフィック処理に対応し、今後数年間のiOSアップデートや次世代アプリケーションにも十分な性能を持つ
- 競合比較:2025年3月時点でもAndroidフラッグシップチップと比較して、特にシングルコア性能とGPU性能で優位性を維持
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