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医師が職務経歴書を準備しておくとキャリアが有利になる理由とは?

2021年11月17日by gnetdoctor

 

おはようございます。

医師が転職や開業を失敗しないために
キャリアプランの重要性を唱え続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

当ブログでは何度か申し上げましたが、
キャリアの語源は「轍」です。

つまり今まで自分が歩いてきた道であり、
その「跡」なのですね。

現状分析したり、
これからの未来を考えるならば
この「轍」を冷静かつ客観的に把握することは
とても重要な要素となります。

いわゆる「過去の棚卸」ですね。
今まで歩んできた道を
自分でよく理解していないと
現在や未来に繋がっていきません。

キャリアは常に積み上げていかねばならず、
その土台となる「轍」の把握は
今後のためにもキーポイントとなるのですね。

今回はその「過去の棚卸」を
医師はどのようにするといいのかについて
考察いたします。

 

本日のブログのタイトルは、
【 医師が職務経歴書を準備しておくとキャリアが有利になる理由とは? 】
といたしました。

 

<目次>
1.過去を棚卸するから未来を間違えない!
・時々自分のキャリアを振り返る意義とは?
・職務経歴書の作成は有効です!
2.キャリアの4ステップを着実に歩みましょう!
・キャリアドリフトを冷静に客観視しましょう。
・職務経歴書がキャリアアンカーを見い出すきっかけとなります。
*まとめ

 

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1.過去を棚卸するから未来を間違えない!

今まで自分が何をしてきたのか?

当たり前ですけど
そんなの自分ではわかってますよね。

でも肝心なのは自分がわかっている事ではなくて
他者に対して理解をしてもらう事です。

そのためにも
まずは自分自身の理解度を高めましょう。

できるだけ冷静さと客観性を持って
自他ともに納得できる
自分のキャリアを伝えられるのがベストですね。

よく言われることですが、
そのために「キャリアの棚卸」が必要となります。

ではどのように棚卸するのがよいか?について
ここから考えてまいります。

 

・時々自分のキャリアを振り返る意義とは?

過去の棚卸…。
階段の踊り場のようなものでしょうか。

今まで何段も登ってきましたよね。

そしてこれから先も
まだまだ何段も登っていかねばなりませんね。

この先の階段を着実に登っていくために
今まで何段くらい登ってきたのか?
いったいどのように登ってきたのか?
登り方のコツなどは手に入れたのか?
登っている中でどんなノウハウを得たのか?
何を考え、どんな事を思いながら登ったのか?

このような振り返りを踊り場ですることで
やはりこれからの登り方が
さらに良くなると思うのです。

キャリアに関しても全く同じです。

今まで自分は何をしてきたのか?
その結果どんな経験値を手に入れたのか?

ここを深く掘り下げていくのがいいです。

シンプルに、
どんな業務をしてきたのか?
どれくらいの件数をこなしてきたのか?
何年くらいしてきたのか?

このようなことから始まり、
どうしてそうしたのか?
その時にどう思っていたのか?
それをした結果として何を手に入れたのか?

こんな情緒的な観点から
キャリアを振り返ってみることも
実は意外と有用です。

私はキャリアの振り返りは
あまり忙しくない時で
なおかつ心に余裕がある時にしたほうが良いと考えています。

こういう時のほうが
自分のことを冷静に考えることができるからです。

気になる患者さんを多数抱えていたり、
勤務先でトラブルがあったり、
スケジュールがパンパンだったり、
論文を執筆している最中だったり、
プライベートで心配事があったり、
これでは過去の棚卸なんてできませんよね。

例えば年末年始とか、
閑散期とか、
何かの節目でゆったりと物事を考えられる時に
静かな環境で
景色のいい場所などで
じっくりと振り返るのが最善です。

最初は頭の中で
あんなこともあったな…、
こんなこともあったなあがスタートで構いません。

そう言えばああいう事もしたよな、
こういう事もしたんだっけ…の先が重要です。

私がおススメするのは
「職務経歴書」を作成してみることです。

別に職務経歴書なんて言い方でなく、
自己流のプロフィールシートみたいなもので大丈夫です。

紙に落とし込んでみるとか、
パソコン上で作成してみるのがいいのです。

これが良い振り返りとなり、
今後の役に立つんですよ。

 

・職務経歴書の作成は有効です!

医師の皆さんは職務経歴書を作成したことがある方は
そんなにいらっしゃらないかと思います。

履歴書ではないんです。
おそらく履歴書を作った事がある方は
結構いらっしゃると思うんですね。

でも履歴書って
情報量としては少ないですよね。
あくまでも非常にシンプルな自己紹介なだけで
キャリアの振り返り、
そして未来のキャリア設計のためには
あまり役に立ちません。

必要なのは「職務経歴書」なのです。

学歴に関しては
それほど力を入れて書く必要はありません。
1度書けば、そのままでいいでしょう。

大事なのは職歴です。
別に就職・転職活動のために作成するわけではありませんので
自己流で全然構いません。

ただ例はあったほうがわかりやすいので
下記に私の職務経歴のごく一部を記載します。

2004年1月 株式会社〇〇〇〇 入社
事業内容:
法律・知的財産・財務会計などの専門家を中心とした人材派遣、
職業紹介の人材サービス
資本金:8000万円
株式会社〇〇100%出資会社
年商:〇億8000万円
従業員数:69名

2004年1月 本社営業部に配属され、OJTにて営業研修を受ける。

2004年2月 横浜支社立ち上げメンバーに抜擢され、横浜支社営業部に異動
・当初は営業1名、コーディネーター1名、事務1名でスタート
・顧客層は、法律事務所、特許事務所、司法書士事務所、社会保険労務士事務所、
行政書士事務所、会計事務所、税理士事務所、不動産鑑定士事務所、などの
士業事務所及び企業の法務部門、知的財産部門、財務・会計部門、不動産部門、
アウトソーシング部門など。
・求職者は、国家資格の取得者や実務経験者並びに難関資格の勉強中人材が大半。
出身大学も法学部が強い大学(東京大学、早稲田大学、中央大学等)や
理系大学(東京工業大学、東京理科大学、電気通信大学等)と
質が高い求職者から相談を受け、アドバイス、就業支援してきた。

2005年1月 横浜支社 支社長に就任
・売上ゼロからスタートし、2005年度後半には月間1000万円、
年間1億円を超える売上を確保できる支社にした。
新たなメンバーの採用や異動したメンバーへの指導にも従事し、
2006年度にはメンバー6名、
月間売上3000万、年間3億6000万円を超える支社に成長させる事ができた。

2006年12月 執行役員 就任
・上記の支社に加え、池袋・大宮・千葉の支社も統括。
本社以外の全ての支社をマネージメントする事になった。
・就業先が横浜支社から新宿本社に変更。
全社のクレーム、トラブル対応にも携わる。
また、売上推移や営業利益を見ながら支社の統廃合を提案し、
コスト削減に貢献。売上、経費管理、労務管理、経営企画などにも携わる。

2007年7月 取締役 就任
・社長の下、営業、コーディネーターの現場部門及び管理部門の総責任者として
売上管理を中心に、社員採用・育成・研修の実施、集客イベントの企画・運用など
経営に関する幅広い業務に携わる。
・中小企業にはありがちだが、管理面、システム面での不備が目立ち、
その改善を目指し、管理部門のマネージャーを採用、育成し、管理体制の整備を実現した。
・2005年売上〇億9000万円、2006年度売上〇億円、2007年度売上〇億5000万円を実現。
マネージメントした人員は最大で69名。

2008年4月 代表取締役 就任
・前社長が急遽退任する事となり緊急登板。
・2008年夏のリーマンショックの影響を受け、
2008年度売上は〇億5000万まで下がる。
だが、営業利益はコスト削減を進めてきた事もあり、
前年比で115%を実現した。親会社からの借入金も全て返済。
・人材業界の変化に備え、キャッシュフロー経営を心掛けるとともに、
売上管理、顧客管理、スタッフ管理、システム管理、
人事・評価制度の見直し、組織体制の再構築、企画部門の新設、
採用の凍結や募集費の見直しなどの経費削減、等を次々と進める。
・派遣業界への逆風が吹く中、社内コンプライアンス体制を整え、
現在の26業務適正化プランへの対応などにイチ早く対応した。

2009年2月 株式会社〇〇に吸収合併
・株式会社〇〇の事業及びサービスは
法人事業本部〇〇事業部に全て引き継がれ、事業部長に就任する。
・就業規則や各種社内規定が変更となる中で、
率先垂範して新ルールに対応し、現場のメンバーに周知徹底をした。
・他部門との融合を図り、登録者確保の効率を高めた。

いかがでしょうか?
これは私が医療業界に来る前で
転職活動をしていた際に作成したものを
そのままコピペしました。

今であればもっと深みのある内容にしますが、
何となくイメージが付きますでしょうか?

今まで何をしてきたのか?
どれくらいの数をこなしてきたのか?

医師とビジネスパーソンでは全然違いますけど
もし自分がこういうものを作るとしたら
こんな感じに作るかな?とイメージできれば充分です。

そしてメモ程度でもいいので、
この時はどんな組織で、どんな上司で、
どんな同僚たちと一緒に仕事をしてきたのか?や
その時の自分の心情なども残しておくといいですね。

こういう「職務経歴書」が
これからのキャリアを考える際には
とても有効なんですよ。

 

<参考>
Gnet TV【○○を考える】第14回 医師の履歴書、職務経歴書の最新事情

 

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2.キャリアの4ステップを着実に歩みましょう!

ではこの「職務経歴書」をどう活かすか?を考えてまいります。

仮にある先生が転職活動をするとして
この職務経歴書を提出する事は考えにくいです。

基本的には履歴書だけで良いでしょうし、
転職エージェントが仲介するなら
エージェントが用意する
プロフィールシートのようなものがあるはずです。

ですからあくまでも自分用、
ご自身でキャリアプランを考える際に役立てるという
位置づけでよろしいかと考えます。

もちろん転職の面接の際に
自分を理解してもらうために提出しても構いませんし、
一部を抜粋しても良いとは思います。

しかし原則としては
ご自分の過去の棚卸、キャリアの振り返り、
そこから未来のキャリアを考えるための資料となります。

 

・キャリアドリフトを冷静に客観視しましょう。

ここでいつものおさらいです(笑)。

将来設計、キャリアプランを考える際には、
今、突然、これからどうする?と慌てるのではなくて
過去、現在、未来という時間軸のなかで考えていかねばなりません。

過去は変えられませんけど、
未来はいくらでも変えられますね。

過去を分析し、現在のポジションを冷静に把握し、
そこを出発点としてこれからを考えていきます。

ここで有効な概念として
しつこいくらいに言いますけど、
キャリアの4ステップなんです。

まずは多様な経験を積み上げる
キャリアドリフトです。

いろんな経験、思い、実績、知識、挫折をすることで
自分らしいキャリアアンカーが手に入るでしょう。

この価値観や判断基準があってこその将来設計、
キャリアプランが見えてくるのですね。

ここまで来れば
あとは目標に向かって
どういうルートを取るのか?という
キャリアパスとなります。

キャリアドリフト → キャリアアンカー
→ キャリアプラン → キャリアパス。

この順序をキャリアの4ステップと名付けています。

このステップは1度通ればいいものではなく、
何度も行ったり来たりして
常により良い世界を目指すのがいいですね。

その意味では「キャリアドリフト」って
とても重要であると考えています。

当初の目標にまっしぐらに進めるならいいですが、
どこの職場でもそうは問屋が卸しませんよね。

特に若手時代は
なんで自分がこんな事をしなきゃならんのだ…と
憤りを持つことも少なくないでしょう。

ところが仕事ってのは
本当に面白いもので…
嫌々やり始めた仕事が物凄く自分に合っていたとか、
上司の指示で仕方なくこなした仕事が
大きなきっかけとなって自分の成長に繋がったということは
よくある話しなんですよね。

ですからどんな仕事でも
これは「キャリアドリフト」なんだ!と思って
まずやってみるという姿勢が重要になります。

キャリア上でも
あえてキャリアパスから外れた仕事をしていく、
いい意味で自然の流れに身を任せてみる、
こんなキャリアの過ごし方があってもいいと思います。

こうした「多様な経験」こそが
想定外の自分のポテンシャルに気づいたり、
自分の知らない適性と出会えたり、
逆に自分の思いが確信となったり、
実に様々な思いを得ることができるんですね。

この思いが広くなればなるほど
視野も広がり、自分の可能性もグッと広がるのです。

今まで仕事を通して得てきた様々な思い。
キャリアドリフトを冷静に振り返ってみましょう。
これも職務経歴書に記載できますね。

 

・職務経歴書がキャリアアンカーを見い出すきっかけとなります。

キャリアドリフトを通して手に入れたキャリアアンカー。
自分ならではの価値観や判断基準。

この時の経験から何を学んだのか。
どう思ったのか。

キャリアを「固める」とでも言うのでしょうか。
このプロセスがキャリアプランに繋がります。

こういう経験があったからこそ
自分はこうなりたいという思いが強くなった。

まさに流れるようにしてキャリアの道筋が見えてきますね。

でも言葉にするのは簡単ですけど、
いざやろうと思うとかなり難しいです。

そのために「職務経歴書」を作ってみましょうという事なんです。

クリニックを開業する際には
コンセプトを固めたり、
事業計画書を作ります。

患者さんの治療計画を作るのもそうですし、
スタッフの採用計画を作ったり、
それこそ家族計画だったり、
資金計画であったり、
これらと同じです。

何事も準備と計画なのですね。

キャリアの4ステップを歩みながら
「職務経歴書」を作って
自らの内側にある思いと対話をしてみる。

きっとより良いキャリアのために
非常に有益だと思います。
おススメです。

 

<参考>
先が読めない時代だからこそ医師もキャリアプランを何度も塗り替えましょう!

 

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*まとめ

職務経歴書を作っておく。
もうこの行為自体がキャリアの棚卸になりますね。

いざという時の役にも立ちますし、
むしろ自分のキャリアを整理することで
今後すべきことが見えてきて
日々の仕事のモチベーションも
大いに上がるんじゃないかと思います。

キャリアチェンジが頻繁な欧米諸国では
自分のキャリアシートを常に最新にしておくとも言われ、
それにも通じる取り組みですよね。
是非とも試してみて下さい。

それでは、また…。

 

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