TL;DR: めんどくさいのでやりたくありません

まず、大前提としてESRは法人向けのものであるという事。

Mozilla では、Firefox や Thunderbird の導入を集中管理している企業や教育機関、公共機関、その他法人向けに、サポート期間を約 1 年、マイナーアップデートを 6 週間ごととした「延長サポート版」を提供しています。

Firefox/Thunderbird 法人向け延長サポート版 (ESR) のダウンロード

ESR の対象ユーザは？

Firefox と Thunderbird の ESR は、これらの製品の一括導入を検討し、エンドユーザのデスクトップを集中管理している法人向けです。つまり、企業や大学、政府機関、地方自治体などが対象です。

最新機能、パフォーマンス向上、先端技術をブラウジング体験に取り入れたい個人ユーザは、通常版の Firefox をダウンロードしてください。ESR にそうした改良が反映されるのは、それらが通常版に投入されてから数開発サイクル後になります。個人的に Firefox や Thunderbird を使っている方は、引き続き通常版をご利用ください。

Firefox/Thunderbird 法人向け延長サポート版 (ESR) のダウンロード

法人向け延長サポート版 (ESR) は以下のリンクからダウンロードできます。
これらは個人向けの製品ではありません。個人の方は通常版の Firefox をご利用ください。

Firefox/Thunderbird 法人向け延長サポート版 (ESR) のダウンロード

このように、ESRは法人向けである事が明確に示されており、個人向けではない事が明確に示されている。

正直言って、得体の知れないパッチをインストールしてしまえば何でもされてしまうようなTombfixを、個人でならまだしも、重要な情報を扱っているはずの法人用の端末では使うべきではないと思う。故にTombfixではESRをサポートする必要性を感じない、というのがESRの本来の使い方に対しての方針。

もっと実質的な話をしよう。

どうもESRは、バージョンアップによるFirefoxの仕様変更やアドオンが動作しなくなる事を避ける為に使われる事があるらしい。それは理解できる。特に今は頻繁にバージョンアップされるから煩わされる頻度も増えてるし。Australisが安定版にまで降りてきたら大変な事になりそうだしな…。

だけどESRはFirefoxの仕様変更やアドオンの故障を避ける為のものじゃない。

それに、ESRに対応するという事は、そのまま、古いバージョンもサポートする事と同じ意味になっている。ESRの場合は、単に古いバージョンを使い続ける事と違い、セキュリティーアップデートが来るから安全だけど、2つのバージョンをサポートするという事は大変面倒な事だ。
最新の安定版に対応する為に古いバージョンでは動かない処理を入れた事はこれまでにも実際あったし、ESRへの対応が必要になった場合は、もはや必要のないその古い処理を次のESRのバージョンアップまで保持し続けなければならない。本来必要のない、そして将来必ず動かなくなる事が確定したコードは明らかな負債となってしまう。

と、ここまでもっともらしく書いてきたけど、正直この問題は僕個人の感情によるところが非常に大きいと思う。実際のところ、Tomblooでは古いバージョンへの対処を行ってきていたわけで、Tombfixでもそれぐらいやれよ! っていうのもわかるところ。だけど、僕としてはせっかくFirefoxアドオン弄ってるんだから、Taberarelooみたいに古いバージョンでは動かない新しい機能をバンバン使ってみたいし、ChromeのおかげでTaberarelooでは基本的に古いバージョンの事は気にしなくていいのにTombfixでは対応しなきゃいけないってのはな～、という思いもある。それに、やっぱり一般ユーザーはWebの発展の為にも最新の安定版のブラウザーを使うべきだよなー、というのもある。だけどまぁ、基本的に古いバージョンに対応するのが面倒臭いという事だけです。すみません。

現実的には、僕自身が全くESRを使っていないから動作を保証できないというのも理由として大きい。だからESRを常用している方が「ESRの対応、自分が頑張ってやります!」と言ってContributorになってくれれば、現在の「ESRに対応しない」という方針を改めるかもしれない。

少なくとも、現状ほぼ僕だけがメンテナンスしている状況でESRの事まで考えるのはやっぱり難しいよなぁ。