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三温度帯(常温/冷蔵/冷凍)食品のネット販売に対応したECカートシステムの選定方法

三温度帯とは、配送や保管時の温度指定のことで、常温、冷蔵、冷凍の3区分に分類されます。食品をオンラインで取り扱う販売の現場では、商品ごとに定められた温度帯での在庫管理に加え、商品を発送する際の温度帯に応じた送料設定がECカートシステムの機能として必要です。常温、冷蔵、冷凍の各温度帯のみを単体で取り扱うECサイトであれば、1種類の送料設定や配送の仕組みに対応したECカートシステムで運用が可能です。しかし異なる温度帯の商品を取り扱うECサイトも多く存在しており、そのような場合には、温度帯に応じた配送料金の設定や在庫管理が必須になります。

ECサイト上で、常温便の商品とクール便(冷蔵/冷凍)の商品を混在して販売しているが、思い通りの送料設定ができていない。
異なる温度帯の商品を同時に購入された場合は、運用フローでカバーしているが対応コストや人的ミスの課題がある。

このような課題を解決するために、三温度帯商材を取り扱うEC事業者が、システム選定の際に抑えておくべきポイントをまとめましたので、事例を交えて解説していきます。

    目次

  1. 三温度帯(常温・冷蔵・冷凍)対応のECカートシステム選定ポイント
  2. 三温度帯(常温・冷蔵・冷凍)対応のECサイトを構築する方法
  3. まとめ

三温度帯(常温・冷蔵・冷凍)対応のECカートシステム選定ポイント


三温度帯の送料設定

配送料金の設定は、ECサイトを運営する上で重要な項目となるため、ECカートシステムを選定する際の重要なポイントに成り得ます。一般的なECカートでは、都道府県別の送料計算を軸に、購入金額や重量に応じた送料計算や、送料無料条件の指定が用意されておりますが、三温度帯に対応するためには、これらの送料計算に対し、クール便(冷蔵・冷凍)に応じたオプション料金の加算が必要です。さらには、複数の温度帯商品を同時に購入する場合や、複数の配送先を指定する場合の送料計算を加味していくと、システムは複雑化していきます。

例えば、常温便と冷凍便を一緒に購入する場合、配送は別梱(2個口)になるかと思います。この場合の送料計算は、一般的には通常配送送料とクール便の送料を個別に算出することになるかと思いますが、どちらか一方の商品が送料無料条件を満たしている場合や、2個口の配送先が同一なのか異なるのかによっても、EC事業者によって考え方が変わってきます。

これらを踏まえると、以下のような点が確認のポイントとなります。

・常温便とクール便を送料別(2個口分)として、都道府県別の送料計算ができるか
・送料無料条件と組み合わせができるか等、運営したい送料条件に対応しているか

夏季冷蔵便の設定

日本には四季があり、季節によって温度が変化します。気温の低い時期は常温便で配送できる商品であっても、気温の高い時期は 冷蔵便での発送が必須となるケースがあります。 和菓子や洋菓子(特に生菓子)や、農産物などの鮮度を保つ必要がある食品などです。
このような、時期によって配送温度帯が変わる商品は、1年中冷蔵便で発送する商品とは区別を付け、「夏季冷蔵便」として登録します。これにより、設定した商品は指定した期間を冷蔵便として扱い、該当期間にのみクール便オプション料金を加算します。

例えば、こちらの商品をご覧ください。

利用中のECカートシステム:aiship

商品画像内のアイコン「常温便(夏季冷蔵便)」の表示からも分かるように、季節によって配送便を切り替えるように商品登録しています。こちらのオンラインショップでは夏季冷蔵期間をバックヤード側の設定で、4月下旬~11月上旬まで(1日単位で日付指定可)と設定し運用頂いております。この設定期間内で購入操作をすると、自動的にクール便の送料として計算され、それ以外の期間での購入は、常温の送料が計算されます。

・時期によって配送温度帯が変わる商品を「夏季冷蔵便」のような名称で登録ができ、温度帯が変わる期間を任意に設定できるか

より正確な配送日時指定

2023年4月時点での確認で、ヤマト運輸のクール宅急便の場合は初回配達日を含む3日間以内、佐川運輸の飛脚クール便の場合は初回配達日を含む4日間と定められています。これは商品の品質劣化を防ぐ目的で、通常便よりも保管期間が短く設定されており、しかも、保管期間中の品質も保証は約束されていないことが一般的です。

宅配便の再配達問題は、社会問題としても取り上げられているように、配達日時指定の正確性は一段と重要度を増しています。特に鮮度が重要なクール便の場合は、通常便よりも正確性が求められます。注文者が確実に受け取れる日時を指定した上で注文ができるよう、ECカートシステム側の機能で、配送先に対して確実に商品を届けられる日時を算出する必要があります。

・正確な配送日時を指定できるか

発送日時指定の設定と密接に関係してくるのが、次にお話する日別の在庫設定です。

出荷日別在庫管理

商品の在庫数を豊富に抱え、注文が殺到しても商品を用意できる場合はこの項目に対する考慮は不要です。しかし、商品ごとに日ごとに生産できる数、或いは出荷できる数に限りがある場合は、クール便で発送する商材の代表例、食品に多く見られます。日ごとの出荷管理が機能として用意されていないと、手動での在庫管理が必要となり、最悪のケースでは、指定された日時に商品を発送できないといった事態に陥ります。商品自体の在庫数とは別に、日別に在庫管理できるECカートを選定しておくと、その後の運用コストを大きく下げることに繋がります。

こちらの商品は日ごとに出荷数を制限しています。

利用中のECカートシステム:aiship

一見、商品ページを見ただけでは判別がつきませんが、商品をカートに入れ、配送希望日時選択画面に進んだ画面がこちらです。

上記キャプチャにおいて11月2日以降のお届け希望日の中で、選択肢として表示されていない日があることにお気付きでしょうか。11月4日や8日は、カート画面で希望日時を選択できません。これは、その日にお届けできる商品を出荷するための在庫が用意できない為です。

・商品ごとに日ごとの出荷数を設定できるか

商品の同梱/別梱設定

ECサイトの運用上、温度帯の異なる商品や、同一温度帯の中でも出荷場所が異なる商品を同時に購入させたくない場合、制限を設けることも検討が必要になります。このような場合は、商品によって同梱や別梱設定の切替設定が簡単にできるカートシステムであるかを確認しておきましょう。

・商品によって個別に同梱/別梱設定ができるか

三温度帯(常温・冷蔵・冷凍)対応のECサイトを構築する方法


ECサイトを構築する方法は、様々あり、こちらの記事にて詳しく解説しておりますが、三温度帯のような、食品ECなどに特化した機能を備えたカートシステムを用意する方法は、大きく2通りです。

スクラッチ開発(ECパッケージやオープンソース含む)

自社のニーズにマッチするカートシステムを用意する方法として、ゼロからシステムを構築するスクラッチ開発や、ECパッケージやオープンソースなどの既存ソースを利用しつつ、カスタマイズ開発を行う方法が思い当たります。
しかしこの方法では、開発費用を莫大に用意し、またメンテナンスについても自社で管理していく必要があります。

また、三温帯などの食品EC専用サイトを構築するためのノウハウが無い場合、本来必要な機能が漏れていることが実際に運用フェーズにて分かったり、実際は使われない機能を過度に用意してしまうなど、失敗するリスクもあります。

一昔前までは、自社の要望を実現するためにはスクラッチ開発が必要でしたが、最近では、三温度帯機能に対応したASPカートの選択肢が増えています。

ASP/クラウド型のECカートシステム

ASP/クラウド型のECカートシステムは、ECサイトの構築運営に必要な機能が揃っており、スクラッチ開発と比べて、開発コストにおいても導入スピードにおいても優位性があります。ただし、多くのEC事業者に利用されることを前提として機能が汎用的に作られていることで、運用面で工夫が必要になってくるケースがあるため、トライアル期間などを活用して、自社の運用にマッチするかを確認は必須です。

運用開始後は、システムはASP事業者の責任にてセキュリティも含めて常に最新にバージョンアップされていきます。困ったときにはサポートに頼ることができるだけでなく、今後追加される新機能も利用できるため、トレンドに乗ったEC運営が可能です。

もし、スクラッチ開発で検討を進めていたとしても、まずはASP/クラウド型のECカートシステムを利用して、実際に運営してノウハウを蓄積してから、次のステップとしてスクラッチ開発に挑んでも遅くはありません。

まとめ


いかがでしたでしょうか。三温度帯に対応したECカートシステムを比較し、ASP/クラウド型のカートシステムが良いと判断した場合、食品やギフトECサイトの構築に特化したASPカートのaishipGIFTをおすすめします。

「aiship」では、本記事でご紹介した「三温度帯の送料設定」「夏季冷蔵便」「正確な配送日時指定」「出荷日別在庫管理」「商品の同梱/別梱設定」の各機能を備えております。

正確な配送日時指定の算出では、ヤマト運輸のサービスレベルに対応しています。サービスレベルとは、出荷場所から注文者が入力した配送場所に届けるまでに必要な日数をヤマト運輸のデータベースを参照し、瞬時にカート側の配送希望日時個所に自動計算して表示させます。これにより、正確なお届け日時を算出し、配送トラブルを限りなく減らすことにも繋がっています。

今回の記事でご紹介した内容について、少しでも気になった点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

また、現在、他社カートシステムやスクラッチ型を利用している場合、ASP/クラウド型のカートシステムへの移行も簡単です。 詳しい手順はこちらの記事で解説していますのであわせてご参考いただけますと幸いです。
またEC-CUBEからの切替の場合はこちらの記事をあわせてご確認ください。

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この記事の監修者

株式会社ロックウェーブ 本城 顕

広告営業を経て2020年ロックウェーブ入社。その後2年程セールス担当として、EC事業者様が抱える様々な課題に対してプロダクトを通じた解決策の提案に従事。 現在はその知見を活かしWebマーケティングでプロダクトを世の中に広めていくために奮闘中。

本城 顕

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