「口に入れたまま深呼吸すると10人中8人は気絶し、残りの2人は死ぬ」世界で2番目に臭い料理「ホンオフェ」を作って食べてみた結果 →これは完全に……
みなさま、ホンオフェはご存じでしょうか?
そう、シュールストレミング(ニシンを発酵させた缶詰。スウェーデン産)、臭豆腐(植物性の発酵液に豆腐をつけたもの。中国産)と並んで、世界3大臭い料理の1つに選ばれているアイツです。
ホンオフェはガンギエイを壺に入れて発酵させた加工食品で、韓国の伝統料理です。
その臭さは本場韓国でもネタにされており、「口に入れたまま深呼吸すると10人中8人は気絶し、残りの2人は死ぬ」と言われているそうな。
そんなに臭い臭い言われたらぜひ確かめてみたくなりますね!
ちょうど先日頂いたふるさと納税返礼品の鮮魚ボックスの中に
アカエイがいたので、ホンオフェを作って食べてみたいと思います!!
ホンオフェを作る
本当はガンギエイ(温帯から寒帯海域に住むエイ)で作るものなのですが、アカエイ(熱帯から温帯海域に住むエイ)しか手元にないので、今回はアカエイの切り身で作ります。
作り方はとっても簡単! 壺にワラとエイを入れて、夏場なら3日ほど、冬は1週間から10日ほど放置して発酵させるだけです!
壺はないのでガラス瓶で代用しました。
ワラもないので、猫じゃらしを製粉してパンを作った時に出た、脱穀済みの猫じゃらしを使います。
ワラは稲・小麦などイネ科の植物を乾燥させた物で、猫じゃらしもイネ科の植物だから、代用しても問題ないっしょ!
発酵する過程でガスが溜まって瓶が破裂しないように、密閉瓶のパッキンは取り外して軽くフタをします。
さぁ! あとは1週間~10日放置するだけです!
ホンオフェ仕込み翌日
瓶に大量の水滴がついて曇っています! 発酵の際に出る熱で結露が生じたのでしょう。どうやら順調に発酵しているようです!
10日後
10日後フタを開けて見ると
猫じゃらしが黄色く枯れてる!!!!!!!!
そして匂いは……
完全に「忘れ去られて清掃されていない仮設公衆トイレ(汲み取り式)」の匂いです。
臭いしアンモニア臭がツーンと脳天と粘膜を刺激します。
でもまぁ臭いは臭いけどそんなに大騒ぎするほどじゃないし、匂うのは半径20cm程度です。
「蓋を開けた瞬間に悪臭が充満するのかな……」とか「ガスマスク用意しなきゃダメかな……」と身構えていたので、想像の範囲内に収まってしまった臭さにちょっと拍子抜けです。
いや、ものすごく臭いけどね。
身のほうは
食べ物の色をしていないような……これ完全に腐敗してない? 洗っても洗ってもヌメヌメするし……食べても大丈夫???
大丈夫かどうかは食べてみないと分からないので食べてみます!!
ホンオフェを食べる
切り分けてみると中は綺麗なピンク色をしています。
食べ物の匂いは全くしませんが、頂いてみます(・н・)パクッ
「あれ? 美味しいんじゃない? うま味がめちゃくちゃ濃いぞ!」
と一瞬思ったものの、すぐにアンモニア臭が襲い掛かってきて呼吸ができなくなりました。
呼吸をすると仮設公衆トイレ(汲み取り式)とアンモニアが猛威を奮うので息を止めるしかなく……故に味がよく分かりませんでした(・∀・;)
野食ハンター茸本朗氏が「(ホンオフェは)美味しいと言い切るには鍛錬が必要な味」とものすごく素敵な表現で評されていましたが、まさにそんな味です。
味自体はたぶん美味しいのだけど、訓練しないと仮設公衆トイレ(汲み取り式)とアンモニアに殺られてしまう、そんな食べ物です。
ちなみにホンオフェを口に入れての深呼吸も試みてみましたが、日和ってしまい無理でした。
そんな大騒ぎするほどではないとはいえ、くせーもんはくせーのです。
ホンオフェの美味しい食べ方/豚肉と海苔で食べる
調べてみると、ホンオフェは「酢・コチュジャン・ごま油を合わせたタレにつけて、豚肉・海苔と一緒に食べると最高に美味しい」らしいので試してみます。
中心にある骨は硬くて噛むのが大変なので、ここは切り落として
豚バラの焼肉を添えて海苔で巻いて頂きます。
おっ!? これは美味しいんじゃないだろうか???
この食べ方の何がすごいって、臭みが気にならなくなるのです!!
海苔が大変いい仕事をしてまして、悪臭・アンモニア臭が襲撃に来るも、ゲートキーパー・海苔が次々に返り討ちにしてくれるので、アンモニア臭たちが鼻腔に辿り着かないのです!!
純粋にホンオフェの旨さを味わえる食べ方だと思います。
コリコリトロっとした歯ごたえで、うま味特濃のイカの塩辛を食べてるみたいな感じです。
これはハマる人はハマるのではないでしょうか?
とはいえ、先にホンオフェ単体の匂いを嗅いでしまった身としては、やっぱり匂いを思い出してしまって積極的には箸が進みませんでした(・ω・;)
ちなみに酢・コチュジャン・ごま油タレがものすっっっごく美味しくて、豚バラ、海苔との相性が最高なので、ホンオフェ抜きでこれだけでもぜひ試してみて欲しいです!!!!
ホンオフェをキムチで食べる
もう1つの美味しいと言われている食べ方が、豚バラ・海苔の他にキムチを追加する食べ方です。
ホンオフェは酢・コチュジャン・ごま油タレにつけていただきます。
ふむ。より一層匂いが消えてさらに食べやすくなりました。
でもキムチの味が強すぎてホンオフェの味が吹き飛んでしまい、「これ、ホンオフェなくてよくない?」となってしまうので、私はキムチなしのほうが好きかな。
ホンオフェの感想
ホンオフェはその強烈なアンモニア臭のおかげで涙が出るので、泣かなければいけない冠婚葬祭の場でよく食べられるという、非常に理に叶った料理です。
伝統的な料理はこういう成り立ちを知るのも非常に面白いですね。
タレにつけて豚肉・海苔と一緒に食べれば、好きな人にはドストライクのハマる味だと思います。普通に美味しいです。
でももとの匂いを知ってしまっていると、味が良くてもどうしても「ウッ……」となってしまうので、ホンオフェは自作するのではなく、お店で食べるのがおススメかなぁ思います。
ホンオフェ単体の匂いも存分に味わった後で、「これが2000円でも俺は頼んで食うよ!」と言い切りバクバク食べていた茸本氏を思い出して、「やっぱり俺たちの朗はすげーなぁ」と思うのでした。
私も鍛錬します!!
※画像は全て筆者撮影
鮮魚ボックス販売事業者
有限会社 昌徳丸: https://umai.fish/fisherman/shotokumaru[リンク]
(執筆者: ゆずくん)
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