プロに学ぶ刺身の切り方基本!つまの作り方、刺身に合うタレも
刺身は切って盛りつけてあるものを買う人も多いでしょう。さくを切るのは難しそうに感じますが、コツを押さえれば意外に簡単です。テレビやラジオ、雑誌などで幅広く活躍する管理栄養士の小島美和子先生に、マグロの平造りと角造りの切り方、大根のつまの作り方、盛り付け方、刺身に合う和・洋・中のタレを教えていただきました。
よく研いだ包丁を使いましょう。
マグロの刺身の切り方
刺身は、盛り付けられたものよりも、さくで買ったほうがお財布にやさしいことも。マグロの赤身のさくから、最もよく見かける平造りと、山かけなどに使う角造りの切り方を紹介します。
マグロの部位の違い
・マグロには大きく、赤身・中トロ・大トロの部位があります。赤身は脂が少なく、中トロは適度に脂がのっており、大トロは最も脂が多い部分です。
・中トロは赤身と同じ切り方でOKですが、一般的には赤身よりやや薄めに切ったほうが食べやすいです(今回は赤身で切り方を紹介してします)。
大トロは赤身とはすじの入り方が異なり、切り方が違うので今回は割愛しています。
マグロのさくの選び方
・パッケージ内に、ドリップ(赤い汁)の出ていないor少ない、新鮮なものを選びます。
・すじが斜めに入っているものが切りやすく、また食べたときにもすじを感じにくいです。
●平造り
材料
マグロ赤身のさく(お好みの大きさ)
作り方
さくをまな板の上に置く。このとき、1つ下の画像のように、横から見たときにすじの流れが、手前(自分の体の方)に倒れているように置く。
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・逆向きに置くと、すじのところから「身割れ(身が崩れること)」がしやすくなります。
さくの手前に包丁の刃元(包丁の根元)を入れ(下の画像/1枚目)、刃全体を使って包丁を手前(自分の体の方)に引きながら(2、3枚目)1cm幅に切る。
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・すじに対して直角になるように切ります。
・のこぎりで切るようにギコギコと押したり引いたりしながら切ると、身が崩れ、見た目が悪くなります。往復せず、手前に引きながら一気に切るのが、きれいに切るコツです。
切った刺身をそのまま包丁で右に寄せる(左利きの場合は左に寄せる)。最初の1枚は支えとして倒しておき、2枚目からはそこに立てかけていく。
●角造り
材料
マグロ赤身のさく(お好みの大きさ)
作り方
平造りと同様に、さくを横から見たときにすじの流れが手前(自分の身体の方)に倒れているように置く。
さくを横向きに、1.5~2cm幅の棒状に切り分ける。
2を1.5~2cm角のサイコロ状になるように、包丁を刃元(包丁の根元)から入れ(下の画像/1枚目)、手前(自分の体の方)に引きながら一気に切る(2、3枚目)。
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マグロの山かけを作る際の、さくもこの切り方です。
大根のつまの作り方
基本の大根のつまの作り方をご紹介します。
大根の選び方
・切れないように桂むき(8~10cmを目指します)にするため、できるだけ太さが均一なものを選ぶのがポイントです。
●材料
大根:長さ5~7cm
作り方
大根は、仕上がりができるだけ「完全な円柱」になるように、皮を厚くむく(厚さは下の画像を参照)。一度で形が整わなければ、もう一回り薄くむく。
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皮に近い部分はかたいので、繊維の内側までむきます。
大根を持ち、下の画像のように包丁の腹を大根にぴったりと当て、上下に小刻みに動かして切り進める。
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大根を持った方の手はゆっくりと大根を回し、丁寧に薄くむいていきます。
長さ8~10cmに切ったものを、まな板の上で重ねていく(少なめのほうが切りやすいので3~5枚が目安)。3枚ほどになったら、短いほうの端からくるくると丸めて筒状にする(左右どちらからでもOK)。
3を端からできるだけ細い千切りにする。
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・この切り方は、繊維(大根の繊維は柱のように縦に通っています)に対して直角に切る=繊維を断ち切るやり方のため、仕上がりがやわらかな口当たりになります。
・やわらかい仕上がりになると、盛り付けをきれいに形作ったり、まとめやすくなります。
水にさらし、シャキッとさせて水気を切る。
マグロの刺身の盛り付け
平造り、角造りの上手な盛り付け方を紹介します。
●材料(各適量)
マグロ刺身(平造り・角切り)
大根のつま
しそ(大葉)
カットわかめ(水に浸して戻す)
かいわれ菜
ねりわさび
●盛り付け方
<平造り>
皿の奥につまを丸めて置き、しそをのせ、マグロを立て掛けるように盛る。
手前は奥よりつまの量を少し減らして丸め、高さを低くする。1と同様にしそを置き、マグロを盛る。
空いているところにわかめ、かいわれ菜、わさびを添える。
<角造り>
器に大根のつまを丸めるようにしておき、しそを置く。
マグロを重ねて盛り、わかめ、かいわれ菜、ワサビを添える。
マグロの刺身に合うタレ3種
定番の醤油とワサビも良いですが、いつもとは違う味わいを楽しみたいときにおすすめの、和・洋・中のタレを紹介します。
●和風:ポン酢ごまダレ(上の画像の右下)
●材料
ポン酢:大さじ1
白いりごま:小さじ1/2
小ネギ(小口切り):適宜
●作り方
ポン酢に白いりごまを指先でひねりつぶして入れ、小ネギを加える。
●洋風:粗びき黒こしょうダレ(左下)
●材料
オリーブオイル:大さじ1
粗びき黒こしょう:少々
レモン汁:小さじ1
塩:小さじ1/4
醤油:2~3摘
●作り方
オリーブオイル、黒こしょう、レモン汁、塩をよく混ぜ、醤油を2~3滴加える。
カルパッチョにもおすすめです。
●中華風:香味ダレ(上)
●材料
醤油:大さじ1
ネギ(みじん切り):小さじ1
ショウガ(みじん切り):小さじ1
ごま油:小さじ1
●作り方
全ての材料を混ぜ合わせる。
カルパッチョにもおすすめです。
最後に
マグロの刺身の切り方、つまの作り方を参考にしてください。
小島美和子/Miwako Oshima
管理栄養士/健康運動指導士/産業栄養指導者
女子栄養大学卒業後、食品会社での商品開発業務、大学病院などでの臨床栄養指導等を経て、 有限会社クオリティライフサービス設立。働く人の食生活改善保健指導プログラムなどの企画開発を行う。TV、ラジオ、雑誌への出演のほか、厚労省の特定保健指導の実践的指導者育成プログラム開発ワーキングメンバーやTHP指導者養成専門研修及び産業保健指導専門研修など、各種研修講師等も多数担当。また、健康商材・サービスの価値、訴求力を高めるコンテンツ、プロモーションのコンセプトづくりから、より効果を出すプログラムの開発まで、管理栄養士の専門性を活かした食生活の現場でQOLを高める事業を企画・展開している。
ホームページ/オフィシャルブログ /FB
[大根]栄養や選び方、鮮度を保つ保存、下ごしらえ、切り方など
ほぼ一年中出回っていますが、晩秋から初冬の秋冬大根が良く知られます。大根の辛みは、「イソチオシアネート」という成分によるもの。この成分は、大根をすりおろしたり切ることで生成されます。
最終更新:2024.12.25
文・写真:小島美和子
監修:小島美和子、カゴメ
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