日本の学生2チームが世界大会決勝へ進出! イマジンカップシドニー世界大会

史上初の快挙だ。現在シドニーにてマイクロソフト主催の学生ITコンテスト『イマジンカップ』が開催中だが、その決勝ラウンドへ日本から2チームが進出した。『イマジンカップ』はビルゲイツ氏発案の学生向けITコンテストで、世界150以上の国と地域から35万人以上の参加者を集める大会だ。若手IT起業家の登竜門ともなっている本大会だが、ソフトウェアデザイン部門で1チーム、ゲームデザイン部門で1チームが決勝戦へ駒を進めた。過去には日本代表チームが決勝ラウンドへ残ったことはあるが、2チームが進出するのは初となる。

ソフトウェアデザイン部門で勝ち残った「Coccolo(ココロ)」

ソフトウェアデザイン部門は世界中の予選を勝ち抜きシドニー世界大会へ出場した精鋭70チームで争われるが、その中からファイナリストに残れるのは6チームのみ。その狭き門を見事突破したのが「Coccolo(ココロ)」だ。「Coccolo」は東京高等専門学校(東京高専)のチームで大川水緒さん、Tan Tun Jieさん、赤松駿一さん、田畑愛実さんの4人からなるチームで、可視光通信による省電力照明システムにて大会へ望んだ。この装置はLEDのランプの点滅を利用し配線なしに通信を行い、LEDライトが自発的に省電力を促すシステムだ。要は窓際などの部屋の明るい場所は明度を落とし、部屋奥などの暗い場所では明度を上げ、部屋全体で均一の明るさを保つ「空気の読める電球」だ。更にLEDライト同士で情報をやりとり出来ることからサーバーで省電力のまとまった効果を知ることや、WindowsPhoneを使って特定のLEDライトにのみ(まるで読書灯のように)明度を指示することもできるなど、即実用化も可能なパッケージとして提案している。今回展示されたモデルルームでは実に50%もの省電力化を実証するなど効果も発揮しており、将来的にも期待大だ。

ゲームデザイン部門ファイナリストは「Team*Blossom(チームブロッサム)」

「Bloom*Block」はトライデントコンピュータ専門学校の「Team*Blossom(チームブロッサム)」が作成した3Dパズルゲームで、デザイナーの野中志帆さん、内木穂乃香さん、プログラマーの馬場翔太さんからなる3人チームだ。まず特徴的なのはその世界観で、絵本をイメージしたとの通り可愛らしいデザインで統一されている。また、パズルの進行具合に比例して背景も美しさを取り戻していくストーリーだ。ゲーム自体は一筆書きの要領で複数から構成されてるブロックの全ての面を通る、というシンプルなものだが、500ものステージが用意されており、ブロックの数によって難易度も変わってくる。直感的に分かるゲーム性なども含め、大人から子供まで楽しめる完成度の高い作品だ。

どちらのチームも英語は苦手「だった」

とても印象的だったのが連日のプレゼンテーションを経る毎に向上していく英語力だ。日本代表に決定した時点では、どちらのチームも英語に関しては不安だったというのだが、本大会開催後、日を追う毎に堂々と、また洗練されていった。聞けば「Coccolo」は日本代表決定後、猛レッスンを繰り返したとのこと。また「Team*Blossom」も不慣れな点は見えたが、実機を触ってのプレゼンテーション時には、3人一丸となって審査員達の質疑応答をこなしていた。日々の努力は勿論だが、こういった経験が英語力をより一層向上させていったのだろう。

気になる結果発表は10日(火)16時頃

「Team*Blossom」は既に決勝のプレゼンテーションを終えているが、「Coccolo」は明日9日午前8時30分より行われるファイナルプレゼンテーションが残されている。ここまで勝ち残ったのも快挙だが、決勝の舞台でも悔いのないように頑張って欲しい。そして両部門とも結果を発表されるのは10日(火)16時(日本時間同日15時)のクロージングイベント内でだ。正直今までのプレゼンでは高く評価されていた2チームがどのような結果を残すのか。その結果を多くの人に届けるべく、記者の個人枠で生中継も行う予定だ。(※海外からの配信のため、回線が不安定な点はご了承下さい)

【日本】マイクロソフト主催『Imagine Cup』世界大会表彰式を生中継【頑張れ!】
マイクロソフト『Imagine Cup』公式サイト

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ひげおやじ

インターネットの賑わっているところに大概参加をしながら約20年。 ここ最近はニコニコなどの動画サイトを根城にしつつ、何だかよく分からない生活を送る。 生放送においては過去に、日本全国を生放送をしつつ巡ったり、ヨハネスブルグ、ジンバブエ、カザフスタンなど「そもそも回線は大丈夫なの?」といった場所から生放送を行ったことも。 しかし、一番好きな場所は『自分の部屋』とのたまう、自称「世界で一番忙しいニート」・「世界で一番仕事をしない自宅警備員」。

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