2022.07.30
# 選挙

元足利市長の私が体験した「旧統一教会」の選挙妨害とその全手口

地方政治にも侵食していた
安倍晋三元首相が凶弾に倒れ、保守政治家と旧統一教会(旧名称は世界基督教統一神霊協会、現・世界平和統一家庭連合。以後、統一教会と呼ぶ)の関係が再び注目を集めている。支援を受けた国会議員の名前が次々に明らかとなっているが、地方政治でも統一教会は幅広く浸食を試みているという。2009年に足利市長に当選した大豆生田実(おおまみうだ・みのる)氏は、保守政治家の一人だが統一教会の問題を長らく調査してきた人物だ。大豆生田氏に地方政治と統一教会の現実と選挙妨害の実態について寄稿してもらった。

敵に回すと恐ろしい存在

衝撃的な事件から早、3週間余りが経過しようとしています。

凶弾に倒れた安倍晋三元首相に対して哀悼の誠を捧げつつ、私は栃木県足利市の元市長として、この問題について語らないわけにはいかない。そういう思いで今回、筆をとりました。

今、国会議員と統一教会の関係がにわかに注目を集めています。

とりわけ反共産主義、保守政治家を自認する国会議員の多くが統一教会やその関係団体の支援を受けていたことが、赤裸々に報道されるようになっています。しかし、国会議員ばかりではありません。地方政治もまた統一教会の選挙活動に翻弄されてきたのです。

統一教会の創始者 文鮮明氏。日本人への収奪的な献金が問題となってきた Photo/gettyimages
 

統一教会のマインドコントロールによって、多くの若者が霊感商法をはじめとした収奪的な布教活動をさせられてきましたが、報道を見ても遠い世界の話のように感じられている人も多いかもしれません。

しかし、統一教会はこれまで様々な批判をかいくぐり、大都市のみならず地方にも根を張り、一貫して活動の幅を広げてきたのです。

例えば、私が住む足利市にも統一教会の関係施設とみられる施設が少なくとも2ヵ所は存在しており、それは全国の地方都市でも同様に広がっているはずです。統一教会による信者獲得攻勢や政治への浸透は、決して他人事ではありません。

それを踏まえ、私の問題意識の一端をここに述べさせていただきます。

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