日本経済が完全に「一人負け」状態…菅政権の「大迷走」が与えている巨大なダメージ

財源もあるのに…

日本株と米国株の「格差」

日本株と米国株の格差を示す、日米相対株価指数(TOPIX/S&P500)は7月9日に戦後最低水準を下回った。米国の主要株価指数が、7月に入っても史上最高値を更新し続ける一方で、春先まで好調だった日本株は日経平均3万円の大台を下回り続けている。

世界経済の中心である米国経済への期待を反映する米国株の値動きに、日本を含めた各国の株価は連動する場合が多い。ただ4月から日本株市場は、最高値を更新し続けている米国や欧州の株価指数と異なる値動きとなっている。

新型コロナの制御に苦慮して、経済回復が遅れていることが日本株停滞の最大の要因だろう。感染第4波をうけて7月12日から東京都において再び緊急事態宣言が発せられ、東京オリンピックがほとんどの会場において無観客で開催されることになった。

新型コロナ克服とオリンピック成功を成果にして、秋口の総選挙を迎えるのが菅義偉政権の大きな目標だったので、菅政権を取り巻く政治情勢はやや厳しくなっただろう。7月初旬に行われた東京都議選での自民党の議席が伸びず、12日に発表されたNHKの世論調査では、菅政権の内閣支持率は、「危機的」とまでは言えないが、発足以降で最低水準まで低下した。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

こうした中で、東京での外食等の酒類提供禁止を徹底する為に「金融機関による働きかけ」を促す意向を政府は7月8日に示した。これを表明したのは西村康稔経済再生担当大臣だったが、世論などの反発を受けて翌日に撤回された。なお、内閣官房から8日に関係官庁へ、金融機関への要請を行うとの指示があった公文書が存在していると報じられており、この政策には広範囲な人物が関わっていた可能性が報道等で明らかになっている。

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