『GINZA SIX』“大量閉店”騒動のウラで、マスコミが報じない「東京大崩壊」のヤバすぎる現実
コロナ前はインバウンド景気に賑わっていた「GINZA SIX(ギンザ シックス)」の大量閉店が大きく報道されるに及んで、これまでテナントや中小ビルオーナーの苦境に留まっていたコロナ禍の「小売恐慌」がついに大資本大家を脅かす段階に至ったことを印象付けた。緊急事態宣言の再発令以降も都心部の人出は大きくは減少していないが都心商業施設の集客と売上の落ち込みは深刻で、もはやこれまでと見切りをつけて撤退するテナントが急増している。「その有様は都市文明の崩壊を予感させる」と、ファッション流通ストラテジスト・小島健輔氏は警鐘を鳴らす――。
「総崩れ」が始まった都心商業施設
「ギンザ シックス」では臨時休業中の3テナント(飲食)に加え、昨年12月27日から今年1月20日にかけてコスメブランドやアパレルショップ、カフェやレストランなど22店が閉店したが、5万平米に241店舗が揃う巨大商業フロアの中では“歯抜け”程度で、1月26日には40店の後継テナントも公表される。
なのに鬼の首を取ったかのごとく報道されたのは、コロナ前の外国人観光客による満艦飾の賑わいと、コロナでほぼ鎖国状態となって人気が絶えた閑古鳥ぶりが極端だったからだろう。
インバウンド狙いに偏っていた銀座の商業施設はどこも似たような状況で、「東急プラザ銀座」でも12月から1月にかけてアパレルや装身具、コスメから名産品や茶房まで少なからぬ閉店が見受けられたが、こちらも入れ替え予定があるのだろうか。
閉店が目立つのは銀座に限らず、「六本木ヒルズ」ではけやき坂の路面店に空き区画が目立ち、「東京ミッドタウン(六本木)」でも12月から1月にかけてアパレル店や服飾店の閉店が続き、「表参道ヒルズ」でも空き区画が目立ち始めている。これら都心施設で閉店が表面化しているのは数店舗〜1ダース前後だが、2月から3月にかけてさらに増えると見る関係者が多い。