初入閣で露見した、小泉進次郎の原発汚染水に関する「勉強不足」

政治には「理屈」も大切だ

情緒で科学を否定?

9月11日の内閣改造で、小泉進次郎氏が初入閣し環境相となったが、早速その発言が物議を醸している。

就任時の記者会見において、東京電力福島第一原発の汚染水浄化後の処理水をめぐり、原田義昭前環境相が「海洋放出しかない」と発言したことについて、関係者に謝罪をしたのだ。

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まず、原田前環境相の言い分は、9月10日の記者会見での発言だ。内容は11日の自身のブログに書かれている。

結論から言えば、詳しくは後から述べるが、科学的見地などから見ても適切な発言だ。

一方、後任の小泉環境相は11日の就任記者会見で、原田発言に異論を唱えた

記者からの2つ目の質問への答えだったが、いわき市小名浜の漁連組合長を「素晴らしい人」とし、「そうした人たちに寄り添っていくことが大切」という趣旨で、いわば情緒によって科学的な知見に基づく意見を否定してしまった形になる。

小泉環境相は、先日の結婚会見の際に「理屈じゃない」と述べたと記憶しているが、もしかすると処理水のことについても、そうした直感で判断したのかもしれない。

今回の小泉環境相の対応のまずさは、第一に、個人名を挙げて政治判断の根拠としている点にある。行政は特定個人の意見や利益のために行われるものではない。憲法第15条にも、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と規定されている。

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