2019.08.11
# カード # FinTech

7pay終了で沸き起こる「Suica最強説」は本当なのか

事情通たちはSuicaを選ぶ

日常使いなら「Suica」一択

セブンイレブングループの「7pay」の終了は、日本のキャッシュレス決済に大きな影響を与えそうだ。7pay失敗の原因が二段階認証によるセキュリティの不備にあったことも深刻と言える。

それでなくても日本人は個人情報の漏洩や不正利用に敏感だ。昨年の消費者庁によるアンケートでもそれが分かる。

「楽天ペイ」、「LINE pay」などのQRコード決済の利用経験・利用意向があるかを聞いたところ、「利用したことはないし、 今後も利用したいとは思わない」と答えた人は全体の55.2%にも及んだ。また、QRコード決済を使わない理由を複数回答で聞いたところ、「使いすぎてしまう恐れがある」(13.4%)と並んで、「個人情報の流出の不安があるから」(13.4%)が挙げられ、「不正使用のトラブルに巻き込まれる不安があるから」(10.0%)に続いた。

Photo by iStock

ただ、QRコードだけがキャッシュレスではない。クレジットカードもあれば電子マネーもあるわけで、これらはQRコードと違って長い歴史を持ち、セキュリティは比較にならないほど充実している。

その意味では、QRコード決済は、クレジットカードと電子マネーの強靭なインフラを借りて行われる“仮決済”でしかないと言える。そのために、クレジットカードの紐付けや口座登録の隙間を犯罪者に狙われて被害が続出しているのだ。

通常であれば、こうした犯罪を防ぐために本人認証の二段階認証が講じられているわけだが、7payはこの二段階認証を怠り、サービス開始から3ヵ月足らずの9月末に廃止という前代未聞の事態に追い込まれた。


 

こうした事情を知る人たちは、けっして今のQRコード決済を積極的に使おうとしない。使うとしてもキャンペーンの大量ポイントを獲得するときくらいだ。その際も特別な口座を作り、そこでまとめるといった安全策を講じている。仮に不正利用されたとしても被害を最小限に留めることができるからだ。

では彼らは日常、どんなキャッシュレス決済をコンスタントに使っているのか。少なくとも筆者は、電子マネーのSuica一択だ。

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