体に悪いと思われている「家系ラーメン」の意外な正体…じつは医師も推奨する「血管を修復する」驚きの健康効果

家系ラーメンの進撃が止まらない。帝国データバンク※1によると、ラーメン市場は2024年時点で2014年度の5066億円から56%増加の7900億円と大きく成長しているが、中でも目覚ましいのが家系ラーメンチェーンだ。たとえば町田商店は2019年7月の62店舗から2023年同月には127店舗と倍増※2、壱角屋は2014年に「東京チカラめし」の63店舗が業態変更で始まった家系ラーメンチェーンだが、2025年には128店舗へとほぼ倍増している。

※1 全国「ラーメン店市場」動向調査(2024年度)
※2 【2023年版】ラーメンチェーンの店舗数ランキング(日本ソフト販売)

家系ラーメンの人気はチェーン店のメリットを活かした戦略にあるという。スタッフが誰でも作れるようにセントラルキッチンによるスープ製造で、いつでもどこでも同じ味が消費者に安心感を与えたこと。もうひとつが個人のラーメン専門店が目指した淡麗で複雑なスープとは対極の濃厚豚骨醤油スープだ。

家系ラーメンといえばショウガを利かせた濃厚豚骨醤油に背油、そこにほうれん草と海苔とチャーシュー、煮卵、そしてライスである。ガッツリを絵に描いたようなラーメンだ。男性客に人気なのは当然と言えば当然。

しかし人気なのはわかるが、家系ラーメン、体に悪そうなイメージだ。スープギトギトでカロリーオーバー、それ以上に脂肪や何かが中高年には危険な空気がある。実際のところはどうなのか? イシハラクリニック副院長の石原新菜先生に話を聞く。

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意外と栄養バランスの取れた家系ラーメン

「塩分は多いです。でもスープを全部飲み干すとかしなければいいですし、今、朝昼菓子パンやカップ麺で済ます人が増えていますが、それよりはよっぽど栄養素が取れます。家系ラーメンは海苔やホウレン草がついているので、バランスは良いですよ」

ー家系というとごはんがセットだが、あれは?

「糖質過多ですね。お昼に家系食べたら夕飯で調整するとかしてください」

ー家系ラーメンは濃厚なイメージだが、あの濃厚さは健康にはどうなのか?

「たしかに脂肪分は多いんですが、豚骨から出るだしにはさまざまなアミノ酸が含まれていて、栄養価は高いです。かつお節の出汁と同じで体に良い。毎日食べるとは1日3食ラーメンみたいなことがなければ、別にいいんじゃないかと思います」

豚骨スープの白濁を脂肪の乳化したものと思っている人もいるかもしれない。間違いではないが、ほとんどは脂肪ではなく骨の髄、つまりはコラーゲンが溶けて乳化したものだ。

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