2024年は、知的エリートにとって不愉快な1年だったかもしれない。
兵庫県知事選での斎藤元彦元知事や米国でのドナルド・トランプの再選では、主に斎藤やトランプに批判的な側から、斎藤・トランプの支持者の知的水準を疑う声が挙がっている。たとえば兵庫県知事選を「社会の底が抜けた」と評するタレントのラサール石井は、こう結論づける。
何故たった1カ月で若者がこれほど熱狂したのか。
はっきり言うが「バカ」だからだ。自民党が何十年も続けてきた愚民政策で何にも知らない何も自分で考えない人間が、SNSでアルゴリズムで供給される情報を自分の力で探したと思い込み、空っぽの頭に流し込まれてかりそめの「正義」に酔い、一気に行動した。(※1)
はっきり言うが「バカ」だからだ。自民党が何十年も続けてきた愚民政策で何にも知らない何も自分で考えない人間が、SNSでアルゴリズムで供給される情報を自分の力で探したと思い込み、空っぽの頭に流し込まれてかりそめの「正義」に酔い、一気に行動した。(※1)
〔PHOTO〕iStock
また、コロナ禍でも、ワクチンの有効性を啓蒙しようとする一部の医療従事者が、ワクチンに忌避感を覚える人々の知的水準をそれとなく問題にしていたことは、記憶に新しい。たとえば、ある医師はSNSで高らかにこう宣言した。
……我々は医師免許や学位、研究歴のない匿名素人の因縁は相手にしておりません。/相手にして貰えると思っているのが不思議。それなりの試験を受けて学費を払って医学部に入学するか、何処か他の医療系大学と院を出てから実名で質問してくれば対応します。(※2)
選挙結果に落胆したり匿名コメントに悩まされたりするのは可哀そうだが、その一方で、自らの知的水準への自信もうかがえる。その自信は、後者のコメントに露骨なように、学歴にも下支えされているのだろう(ラサール石井は早大卒)。