人生の鍵
新卒で外資のコンサルに入社したんですが、当時は周囲にどう評価されるかなど余計なことばかり考えていて、効率も悪く、実績も出せず・・・。焦って眠れず、睡眠は2時間程度という悪循環に陥っていたんです。今思えば、毎日辞めることばかり考えていました。


津田塾大学学芸学部英文学科へ進学、米国ブリンマー大学留学を経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ入社。
2年後にハーバード大学へ留学しMBAを取得、'96年にマッキンゼー役員に就任。
'99年にDeNAを創業し『モバゲータウン』などを運営する
でも退社直前に尊敬する先輩に頼まれて、ある情報通信企業の改革に加わったんですね。
その時「もう辞めるんだから」と力が抜けていたからか、初めて「ここどうするべき?」とか「ここの詰めはよろしく」と周囲の手を借りて仕事をしたんです。
すると、今までの辛さが嘘みたいになくなって、うまく行き始めた。そしてクライアントの役員がずらっと並ぶ会議で、「あのお姉ちゃんの言う通りにしろ!」などと言われるうち、嘘のように仕事が楽しくなってきました。
人生で一番大事なもの、それは成功体験かもしれませんね。
お姉ちゃん
といっても、当時の私は20代なかばの小娘で、しかも、あまりに自分が動かなかったから、クライアントの首脳は私をコンサルだと思わなかったらしい。
首脳に「あのレポーターのお姉ちゃん」と呼ばれた時はちょっと可笑しかったですね(笑)。
勉強家
今、弊社に入社してきた東大卒の新入社員に『リーマン予想』(素数の並びの研究)について講義してもらっています。私は、たとえば「パケットというのは情報を小包に入れて送るようなもので・・・」といった丸めた言葉で物事を捉えるのが嫌いなんです。
最近は『フェルマーの最終定理』の本を読みました。たった1問の数学の証明問題に、人間が350年間、世代と大陸を超えて挑み、解決するというロマンがありますよね。
視点
私、新幹線がすごいスピードで走り抜けるのを見ると、胸が熱くなるんです。だって一人の力、一代の力では、絶対あんなすごいものは作れません。人類の叡智がすごい勢いで走り抜けていくような気がするんですよね。
父と娘
実は私の父は「女は勉強なんかしなくていい!」「それより肩をもみなさい」という人でした。だから家で宿題ができず、よく学校で黒板に頭をぶつけられていました。夕食も正座で、絶対に残せない。反対に母は天使のように優しい人で、父の機嫌がいい時に私がやりたいことを持ち出すなど、いつも味方になってくれました。