実は日本では物価・賃金の好循環は起きていない~春闘ではなく中小企業を見なければ賃金の実態は解らない
物価と賃金の好循環が始まっていると言われるが、実際には、実質賃金は下落を続けている。賃金は、かけ声だけでは上昇しない。実質賃金の継続的な上昇は、生産性を高める地道な努力によってのみ実現する。
物価と賃金の好循環が始まったと言われるが本当か?
これから春闘が始まる。連合は、定期昇給分を含めた賃上げ目標を「5%以上」としている。
2023年 春闘 連合HPより
経営側も積極的に応じる姿勢を示している。経団連は、1月16日、大企業で4%以上の賃上げをめざす考えを表明した。
こうしたことを背景に、「物価と賃金の好循環が始まっている」と評価する声が強まっている。日本銀行は、好循環の実現を見極めて、3月か4月に金融正常化(マイナス金利からの脱出)を行なうとしている。現在の日本で、物価と賃金に関する判断は、大変重要な問題だ。
では、本当に賃金が上がっているのだろうか?