今まで明らかになっていなかったジャニーズ事務所とタレントの契約内容。独占入手した「契約書」に並んでいたのは、一般社会では考えられない驚きの文言だった。新たなパンドラの箱を開ける。
前編記事『「全ての権利は太陽系全域において、事務所に独占的に帰属する」だって!?...ジャニーズ事務所の「専属契約書」の中身が予想の遥か上だった』より続く。
契約破棄もできない
この契約書の問題点は、まだまだある。事務所側の権利を定めた条文が多い一方で、タレント側の権利を明記した条文がほとんど見られないのだ。
タレントと芸能事務所との契約に詳しい竹村公利弁護士はこう語る。
「当該の契約書において懸念されるのは、一般的な専属契約で通常規定されている契約期間の定めが見当たらないこと。契約の解除事由についての規定もないことから、事務所がタレントの退所を前提とした話し合いに応じないことも考えられる」
くわえて、同事務所を辞める際の法的な根拠となる条文も設けられていない。つまり、今回のように事務所側の不祥事が発覚しても、そのことを理由にただちに契約を破棄することはできないということだ。

事務所から独立するための根拠とできそうなのは、
〈双方の長期的な利益の増進に適う芸能創作活動に従事させる事に努めることを約し〉
とした第3条だが……。