2023.09.14

なぜ日本にはライドシェアが普及しないのか…サービスを過剰にほしがる「国民性」の問題だった

ライドシェアに猛反発する日本

日本の発展性に危機感を覚えるのがライドシェアへの反発だ。一般ドライバーが自家用車を使って有償で他人を送迎するライドシェアは、いまや海外では当たり前に普及している。

しかし、日本ではその案が出るや、自民党の議員連盟で反対意見が相次ぎ、タクシー業界も反発。懸念を前面に出して利便性の革新を止める理由は、この30年、日本経済を停滞させた既得権益のせいだが、その社会構造のままなら、日本がもう先進国の体を成していないとすら思う。

すでにグラブ(GRAB)や、エア・アジア・ライドが普及しているマレーシアに5年間、住んだ。そこで「日本の方が利便性で劣る」と感じるのが、このライドシェアである。車を買わないまま使い続けてきて、いま日常生活でなくてならない存在になっている。

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扱い方は簡単。スマートフォンのアプリでGPSによる現在地から目的地を設定すると、まず値段が表示される。日本のタクシーと違い、利用前に価格が分かる時点でタクシーより優れており、高いと感じたら電車やバスを使う。この価格設定は、距離のみならず、天候や渋滞などでも変化する。

依頼すると、周辺で引き受けてくれるドライバーを探索、成立したドライバーの名前や顔写真、車種と色、ナンバーが表示され、目的地までのナビ地図と一緒に、おおよその待機時間も出る。あとは車が現場に来て乗るだけ。

アプリにクレジットカードなど電子決済を登録していれば、現金の受け渡しの必要はない。目的地で降りると、ドライバーを五つ星で評価でき、グラブの場合は、「清潔感」や「運転手の人間性」、「音楽」など、いくつか特筆して良かった点も追加クリックや、チップをあげることもできる。

依頼後にキャンセルする場合もアプリで操作、理由を選択肢から選んで手軽にできるが、無用に繰り返しすぎるとペナルティ料金が課せられる場合もある。運転手側も同様にキャンセルができ、客の評価もできるが、客は基本、自分の評価を見ることはできない。

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