日韓慰安婦合意を成し遂げた菅元総理が日韓議員連盟会長に
超党派でつくる日韓議員連盟は3日に開いた役員会で、額賀福志郎元財務相に代わる新しい会長として菅義偉前首相の就任を内定した。菅氏はこの日、「経済的にも安全保障上も極めて大事な隣国である日韓両国の友好発展のために取り組んでまいります」と述べた。
首相経験者が会長職に就くのは、2001年から10年まで務めた森喜朗元首相以来になる。日韓関係は今まさに、徴用工問題が解決するかどうかの瀬戸際のタイミングだ。4日付の韓国・中央日報は、韓国政府が6日にも解決策を公式に発表すると報じた。菅前首相の会長就任は関係改善への追い風になるのだろうか。
額賀氏は、3日の役員会で、菅氏を推薦した理由について「慰安婦問題など両国間の問題に取り組んできた貴重な経験がある」と説明した。確かに、2015年12月の日韓慰安婦合意は、当時、官房長官だった菅氏の力によるところが大きかった。
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菅氏が日韓関係に関心を持ち始めたのは、2013年6月に駐日韓国大使に就任した李丙ギ(イビョンギ、ギは王へんに其の字)元大統領秘書室長との出会いからだった。菅氏と李氏は、額賀氏の紹介で知り合ったという。菅氏は当初、「私は秋田県の貧しいイチゴ農家の出ですから」と語り、ソウル大出身で外交官でもあった李氏との付き合いに慎重な態度を示した。ただ、李氏は「いやいや、私も高校時代に母を亡くして苦労したんです」と返し、2人はすぐにほぼ毎月のように食事をする仲になったという。