前編「原発や基地の近辺を中国人等が購入している問題のここまで深い闇」を読む
問題が起きてからでは遅いでしょ
この「重要土地取引規制法」の成立にあたっては、立憲民主党や共産党など野党が「調査の範囲が職歴や海外渡航歴、思想・信条、家族・交友関係などに及ぶ危険がある」などとして強く反発。安全保障の枠組みを超えて思想信条や個人の権利を踏み越えて情報収集することに対する批判や、私権の制限だけでなくこの法律の立法事実がないなどと主張していました。

まあ、野党の⾔ってることも⼀理あるんですよね。
興味持って調べている私自身が「こいつらどんな家族構成なんだろ?」とか、「原発の隣に土地買って家建てて住もうなんて、こいついったいどんな思想・信条なんだ?」などと思いながら登記上げてますからね。仕方ないね。
ここで言う「立法事実」とは、その法律がなければ不利益や不具合があるよという具体的な事実のことであって、本件で言えば中国などの外国資本が自衛隊施設周辺の土地を購入することで、何らかの重大な問題が起きたかと言えば、実際にはそういう話はいまんとこないわけです。
また、周辺1キロメートルと一口に言われても、実際にはこの法律が取り決める範囲は適当で、施設の重要度に応じて範囲がデカくなったりちっこくなったりと結構無茶な立て付けになってて、国会閉幕のどさくさに紛れて法律を通過させちゃって大丈夫なのかという気もしないでもありません。
ただ、原子力発電所の隣に高い金払って家建てて住みたいという自由はもちろん日本では認められているわけですが、いくらなんでもそりゃ不自然だろという話と併せて、そもそもそういう大事な施設の周りを海外に握られるというのは、緊急事態において悪用される可能性があります。
安全保障というのは立法事実の問題とは異なり、そういう攻撃が実際に起きてしまって被害が出てからでは遅いという⼤前提から、当然日本はこれらの問題についてきちんと手当しておくべきだ、というのがこの法律の重要な部分ではないかと思います。