2020.12.14
ナイキCM炎上で見えた「差別に過剰に反応する」人たちの正体
マイノリティへの意識予想しなかった事態に
ナイキが日本に向けた発表したコーポレートCMが批判を呼んでいる。
内容としては、日本国内でマイノリティとして生きる、在日や黒人の子供たちが、スポーツを通して自分たちの生きる道を作り出していくという内容のCMである。
では、何が批判されているかと言えば、彼らが日本人からイジメや差別を受けていると思わしき描写があることだ。この描写に対してなぜか「日本人は差別をしない!これは日本人を貶めるCMだ!!」と騒ぐ人たちが出てきたのである。
まず、ハッキリとさせておきたいことは、このCMは企業が自社のビジョンを広告で発するという、よくある企業広告である。ガソリンスタンドなどを運営する会社がCO2削減を謳ったり、建設業者が森林保護を謳ったりと、自分たちの分野に近しい問題を広告として発信するというのはよくある手法である。
では、なぜナイキは日本国内のマイノリティという、一件シューズとは関係なさそうな題材を選んだのか。それはスポーツにおける勝利や記録がプレイヤーたちにとって高い壁であるように、マイノリティにとってのイジメや差別もまた、彼らにとっての高い壁であるからだ。
CMの最後には子供たちが自分の現状を振り切って、スポーツに打ち込む姿が描かれている。スポーツで高い壁に挑み、そして現状を打ち破る。そのメッセージは実に明確である。
そして当然それは、ナイキがイメージする顧客の姿である。現状に甘んじること無く、世界に立ち向かう人たちに届くメッセージとして、ナイキは日本国内のマイノリティの現状を題材としたのである。