一体なぜ…「ワゴンR」と「ムーヴ」がまったく売れなくなったワケ

N-BOXの登場がすべてを変えた

「王者のイス」にはN-BOXが

軽自動車の人気は依然として高い。2020年度上半期(2020年4〜9月)に国内で売られたクルマの38%が軽自動車であった。

そして2020年度上半期の国内販売ランキングは、1位:ホンダN-BOX、2位:トヨタヤリス、3位:スズキスペーシア、4位:トヨタライズ、5位:トヨタカローラシリーズ、6位:ダイハツタントと続く。

2代目N-BOXは2017年に発表された/photo by gettyimages
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以前に比べると、販売ランキングの上位にトヨタ車が目立つ。2020年5月から、トヨタの全車を国内の全店(4600店舗)が扱うようになり、ヤリスなどの人気車は売れ行きをさらに伸ばしたことが影響した。そうでない車種は従来以上に落ち込んでいる。

例えばトヨタのアルファードとヴェルファイアは基本的に同じクルマで、以前はヴェルファイアの登録台数が多かった。この順位が現行型のマイナーチェンジで入れ替わり、今はアルファードがヴェルファイアの8倍も売れている。

アルファードがフロントマスクを少し変えただけで順位が変わり、販売体制の変更で明暗をさらに大きく分けた。以前はアルファードはトヨペット店、ヴェルファイアはネッツトヨタ店の専売だったが、今では両車を全店が扱うため、ネッツトヨタ店でもアルファードが好調に売れて登録台数の格差が広がっている。

軽自動車の浮き沈みも激しい。2020年度上半期の軽自動車(小型/普通車を除く)販売ランキングは、1位:N-BOX、2位:スペーシア、3位:タント、4位:日産ルークスと続く。軽自動車の上位4車は、すべて全高が1700mmを上まわるスライドドアを備えた車種だ。このスーパーハイトワゴンと呼ばれるタイプが、今では軽乗用車の約半数を占める

軽自動車の販売ランキングを振り返ると、1990年代までは、スズキアルトやダイハツミラといった天井の低いハッチバックタイプが売れ筋だった。当時の軽自動車は税金と価格の安さが特徴で、国内の販売総数に占める軽自動車の比率も約25%だった。

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