300万円でも安い?高騰し続ける「ホームページ制作費」の舞台裏
じつはネットは「強者のツール」30万円で作れたのは昔の話
ホームページが世に出始めたのが1990年代の後半。そのころは「インターネット」という言葉を知っている人も少なく、ホームページそのものがめずらしい時代だった。
私自身も、当時、ネットにくわしい知人から「近い将来、どの会社もホームページを持たなきゃいけない時代が来るよ」と言われて、「そんなバカな」と笑い飛ばしたことを覚えている。それだけ、インターネットが異物のような扱いを受ける時代だった。
そのような時代背景もあって、当時のネットの仕事に関わる人は“変わり者”が多かった。パソコンのオタク、会社で出世街道から外れてしまった人、ネットビジネスで一発逆転を狙う人など、明らかに世の中の主流から外れてしまった人が、ネット業界に寄せ集まっていた。
ニッチで風変りな業界ということもあって、仕事の単価も安かった。言い方は悪いが、世の中の“ちゃんとした人”がやるような仕事ではなかったので、仕事を請け負う人自体の日当も低かった。
また、今の時代のようにホームページにSNSや動画などのたくさんの機能が備わっているものでもなかったので、仕事そのものがシンプルで、知識や経験の乏しい人でもかんたんにできる仕事も多かった。
おそらく、この時代を生き抜いてきたネット業界の人たちは、「ホームページなんて30万円ぐらい払えばいいものができる」という感覚を今でも持ち合わせているのではないだろうか。
当時、30万円でホームページを制作した経験があり、自分自身でもそのくらいの仕事量でホームページが作れてしまうこともあって、ホームページの制作費の相場が「30万円」という認識を持っている人は意外に多いと思われる。