秋元司議員、東京地検「17年ぶりの本格的な政界捜査」のゆくえ

「外為法違反事件」の裏側

秋元司代議士を事情聴取

東京地検特捜部が、久々に本格的な政治家案件に取り組んでいる。中国系ネットカジノ企業が、海外から無届けで日本に数百万円の現金を持ち込んだとされる外為法違反事件に絡み、秋元司代議士を事情聴取した。

この企業は、大手観光開発会社の加森観光(本社・札幌市)が北海道で展開するルスツリゾート(留寿都村)に、加森観光とともにカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致することで、一時、合意に達していた。

〔PHOTO〕iStock

秋元氏は、17年8月から19年9月まで内閣府副大臣で、衆院内閣委員長としてIRを担当していた。

同時に、中国系企業との接点となっていた元政策秘書は、秋元氏が一時顧問を務めたコンサルタント会社(本社・東京都千代田区)の元代表で、この会社も外為法に違反したとして、12月7日、もうひとりの元秘書とともに、自宅の家宅捜索を受けている。

 

特捜部は、既に、北海道庁や留寿都村からIR関連資料の提出を受け、関係者の話を聞くなど国会議員の職務に関する久しぶりの本格捜査となっている。

「特捜部の捜査といえば、公職選挙法や政治資金規正法に違反していないかどうかを調べる捜査が最近の主流だった。それだけ贈収賄事件など密室で行なわれるカネのやり取りを実証するのが難しくなっている。今回、IR担当だった秋元氏を立件すれば、贈収賄事件としては02年に摘発した鈴木宗男事件以来となる」(検察OB弁護士)

関連記事