ワークマンのカジュアル店はしたたか過ぎる
「いま最も勢いのある会社はどこですか?」と聞かれれば、私は迷わずワークマンと答える。
へたをすれば将来的にユニクロやZOZOにとって脅威の存在になっていってもおかしくはない存在といえる。
「それは言い過ぎでしょ」
そう思われる人が多いだろう。
実際、ユニクロの今年度の売上は2兆円を突破する見込み。対してワークマンの年商見込みは800億円と20分の1程度しかない。ZOZOにしても流通額は2800億円。2社にとってワークマンは相手にもされない異業種の小さな会社といってもいい存在といえる。
しかし、それでも私はワークマンが実店舗とネットの両業界にとって厄介な伏兵企業になっていくことを予想している。
その根拠はワークマンが新たに展開する『ワークマンプラス』という店舗がとても“したたか”な戦略をとっているからである。
アウトドア、スポーツユーザーが「作業服」を買う
「調べてみたら来店客の2割が一般客だったんです」
そう話すのは一般客向けのカジュアルウエアを販売する新業態『ワークマンプラス』を取り仕切る土屋哲雄常務。3年ほど前にワークマンの来店者を調べたところ、作業員以外にもサラリーマンや女性客が増えていたことが判明。
さらに調査を進めてみると、作業着をアウトドアウエアやスポーツウエアとして購入している人が増えていることが分かった。
「作業着の丈夫で安くて長持ちというイメージが定着し始めたんだと思います。これはチャンスだと思って一般客向けの商品を強化することにしたんです」
手始めに地味な作業着に派手目な色をラインナップ。加えてデザインをスタイリッシュにしただけで作業着が一般客にいきなり売れ始めた。