夫の死後、義父母は私を「地元の有力者」に売り、そして「結婚、子作り」を強制させられた…地方移住の悲劇

「一緒に住んだらいいじゃない」

地域の活性化と定住人口の増加を目指す地方自治体が関心を寄せているのが、婚活と地方移住をミックスした「移住婚活」。

「地元で家庭を持ちたい」と考える地方在住の(主に)男性と「地方移住に関心を持つ」(主に)女性をマッチングさせようとするものだが、お互い都合の良い部分だけしか見ないことも多く、いざ結婚生活が始まると「こんなはずじゃなかった」と破綻に向かうパターンも珍しくない。

「特に今のような情報化社会ですと、ネガティブな話はすぐに拡散されてしまい、夢や憧れだけで嫁に来てくれる人はまずいません。最近の若い人は現実的なんです」と苦笑するのは、嫁不足に悩む、地方自治体の移住プロジェクト担当者。

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少子高齢化という現実を打破するためにも「嫁不足」の緩和や解消は最優先課題と言っても良いだろう。

しかし、晩婚化が進んでいるとはいえ、「嫁」=「子供を産んでくれる女性」と考える地方では、出産適齢期を過ぎた女性は、歓迎はされない傾向にある。

結局のところ、地方では「出産が可能な若い女性」が不可欠だという結論に達するわけだが、そんな地域住民の思惑にからめとられ、心と身体を蹂躙された女性がいる。不慮の事故で夫を亡くした後、子供と共に夫の故郷である離島に移住した長谷川浩美さん(仮名・27歳)だ。

「当時ふたりの幼児を抱えて頼れる実家もなく、途方に暮れていた私にとって、夫の両親の『こっちに来て一緒に住めばいいじゃない』という申し出はありがたくもありました。が、夫の郷里には数回遊びに行ったきりでしたし、慣れない離島の生活に不安もあって、一度はお断りしたんです。

でも『女手ひとつで育てられて、孫が苦労するのはイヤだ』とか『ひとり息子の嫁であるアンタには私たちの面倒を見る義務がある』などと言われ、移住せざるを得ませんでした」(浩美さん、以下同)

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