石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』
「マインクラフト レジェンズ」は本家「マイクラ」より難しい? 7歳でも遊べるか試してみた
2023年12月15日 11:00
PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。
「マイクラ」作品の中では難しそうなゲーム
5歳から「マインクラフト」を遊び始めた我が息子。7歳の現在は、ようやくサバイバルモードで敵が出る設定(イージーだが)にして遊び始め、YouTubeで見た知識から「エンダードラゴンなんからくしょうだよ!」と吹聴している。まだネザーにも行っていないのだが?
完全に「マインクラフト」のファンになった息子は、同時期から「マインクラフトダンジョンズ」もプレイ済み。となると必然的に、最新作である「マインクラフト レジェンズ」にも興味がわいてくる。
ゲーム内容を考えると、7歳ではまだ難しいかなと思っていた。しかし、いずれはやりたいと言うに違いないので、物は試しと遊んでもらうことにした。結論としては、思った以上に楽しく遊べている。
難易度設定次第で簡単に遊べる
本作についてざっくり説明すると、ユニットを率いて敵と戦うという内容で、アクション要素が強めのRTSという感じ。アクション性と戦略性の双方が求められるため、子供向けとは決して言えないジャンルの作品だ。
本作には他のプレイヤーと戦える対戦モードのほか、シングルプレイモードも用意されている。息子がプレイするのはもちろんシングルプレイモード。ストーリーを追いながら進めていく形のキャンペーンモードを選ぶ。
キャンペーンモードでは、4段階の難易度が選べる。今回は最も簡単な「民話」を選択。説明には「物語に集中して楽しみたいです」とあり、ゲームプレイで詰まらないような難易度設定となっているようだ。この設定が今回の肝になる。
ゲームをスタートすると、操作方法を学べる丁寧なチュートリアルが始まる。7歳では読めない漢字が出てきて、フリガナもついていないので、ひととおりの操作方法がわかるまでは親が横でサポートした方がいい。
基本的なゲームの流れとしては、アレイに指示を出して木や石などの素材を集め、スポナーを設置して仲間を呼び出し、敵のいる場所に行って戦う。とりあえずこれだけできればゲームは進められるが、ほかに新たな要素も出てくるので、適宜サポートしていく。
戦闘では主人公が剣で敵を攻撃できるほか、連れている仲間も自動で適切に戦ってくれる。本来は敵の構成や数に応じて、連れていく仲間の種類を考えたりする戦略性や、多数の敵を効率よく倒していくアクション性が求められる。
しかし難易度「民話」だと、主人公の剣の一振りでほとんどの敵は一撃で倒せるし、敵に囲まれてもそう簡単にはやられない。仲間も時々やられるが再召喚は簡単にできる。息子も敵の拠点に突撃し、集まってくる敵を剣でなぎ倒していく。戦略性など微塵もないが、爽快なアクションとして楽しめている。
美しい「マイクラ」の世界で大活躍できる
大人のゲーマー目線で言えば、ただ弱い敵を倒して進んでいるだけで、ゲームとしてのやりがいは皆無だ。だが「マインクラフト」が大好きな小学校低学年の子供にはこれでいい。
まず本作は画面が綺麗。本編の「マインクラフト」は映像の美しさとは対極にある作品だが、本作はグラフィックスの品質が圧倒的に上がっており、光の表現などがとても美しい。それでいてブロックで構成された「マインクラフト」の世界観はしっかり残している。子供の感覚で言えば、めちゃくちゃ綺麗な「マインクラフト」の世界で冒険できている。
また本作に登場するキャラクターが可愛いのもポイント。本編に登場する敵モブ達が戦う世界なのだが、ゾンビやスケルトン、敵のピグリンなどがさらに一段デフォルメされていて、キャラクターとして断然可愛らしくなった。息子が可愛いもの好きというのもあるが、本作の方がキャラクターの魅力が増しているのは間違いない。敵モブだらけでバトル主体のゲームなのに、見た目のおどろおどろしさが少ないのもいい。
「マインクラフト」の美しく新しい世界を、自由に動き回って遊べる。さらにキャンペーンモードで敵を倒すと、困っている村人達を助けることもできる。爽快なアクションに成功体験も得られれば、ゲーム内容としては十分だ。
息子にどこが面白いのか聞いてみると、「てきとたたかうところ」だそう。このくらいの年頃は、歯ごたえよりも爽快感やインタラクティブ性の方が重要なので、本作の難易度調整が実にうまく機能している。
筆者のように「マインクラフト」が大好きな子を持つ親で、本作は難しいんじゃないかと思っている方は結構多いと思うが、実際は難易度設定さえ間違えなければ難なく楽しめる。セーブデータは複数保存できるので、親はより難しい難易度にチャレンジしてみてもいいだろう。そこを息子に見られると「おとーちゃん、やられてるじゃん! へただなー」などと言われるのだが。
ちなみにキャンペーンモードは複数人でのプレイも可能。その場合はさらに難易度が下がるそうだが、ゲームも2本必要になる。親がもっと直接サポートしたいのであれば2人プレイを考えてもいいが、我が家は横でサポートするだけで何とかなっている。
なお、今回本作をプレイするにあたり、GeForce RTX 4060を搭載したマウスコンピューター製ノートPC「G-Tune E4」を使用した。本作の画質設定で、レンダリングレベル「高」を選び、解像度をフルHDにしたところ、アクションシーンも含めて常に滑らかな映像でプレイできた。
著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。
・著者Webサイト:https://ougi.net/