ニュース

モリサワの「UD書体」が「Google Workspace」「ChromeOS」「Android」で利用可能に

「Google IME」も時事用語に強く

「ChromeOS 103」以降で「UD書体」が選択可能

 Googleは「ChromeOS」や「Google Workspace」、「Android」で日本語環境の改善に取り組んでいるという。9月15日(現地時間)に公式ブログ「Google Cloud Blog」で公開した記事で、その一部を紹介している。

UD(ユニバーサルデザイン)フォントの導入

 モリサワ社の「UD書体」は、「文字の形がわかりやすい」「文章が読みやすい」「読み間違えにくい」の3つをコンセプトに据えて開発されたユニバーサルデザイン(UD)フォント。「UDデジタル教科書体」は「Windows 10 Fall Creators Update」以降に採用されている。

 Googleはこの「UD書体」を「ChromeOS」(M103 以降)や「Google Workspace」に導入。「Google ドライブ」、「Google スライド」、「Google スプレッドシート」、「Google フォーム」などで利用できるようにしている。

 また、フォントサービス「Google Fonts」でも「SIL Open Font License 1.1」と呼ばれるオープンソースライセンスで提供中。

 このライセンスは比較的縛りが緩く、個人だけでなく、商用でも無償で利用可能。学校での配布資料や町内会の回覧資料、企業の看板などにも使える。

 また、「Google Fonts」収録のフォントは従来の「BIZ UD」フォントよりも多くのグリフを含んでおり、「IPAフォント」Ver.003(最新)に収録されているすべての文字をカバーしているとのこと。「BIZ UD明朝」、「BIZ UDP明朝 Bold」(2022年11月以降提供開始予定)も追加開発中だ。

「Google IME」の精度向上

 日本語入力システム「Google IME」では、日本語の変換精度を高めるために変換辞書の改善が定期的に行われているが、このたびデータベースの拡充により、ニュースで使われている新しい言葉や名字のカバー範囲が大幅に増えるとのこと。

 「コロナ禍」などの時事用語を変換できるようになる。

「Gboard」での改善

 Android/ChromeOS/iOSに対応するモバイル向け日本語キーボードアプリ「Gboard」でも変換精度の向上へ継続的に取り組んでおり、たとえば変換候補の生成方法を見直すことで、より自然な語句のみが提示されるようになっている、

 また、文字を書くことが苦手な子どもたちのために、「音声入力」や「手書き入力」といったタイピング代替手段を提供。Androidの一部のバージョンでは、多言語への同時翻訳機能も導入しているとのこと。今後もアクセシビリティやダイバーシティの概念を念頭に改善を続けていくとしている。