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「Visual Studio 2019」v16.10が正式公開 ~コンパイラーとSTLライブラリがC++20に対応

「Git」や「Docker」関連のUIが改善。.NETの開発支援機能も強化される

「Visual Studio 2019」v16.10が正式公開

 米Microsoftは5月25日(現地時間)、統合開発環境「Visual Studio 2019」の最新版v16.10正式公開した。現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。無償で利用できる“Community”エディションも用意されている。

 「Visual Studio 2019」v16.10では、C++言語のコンパイラーとSTLライブラリが最新規格「C++20」をフルサポート。「/std:c++latest」スイッチを有効化することで、最新の言語機能を利用できるようになった(「/std:c++20」スイッチは不具合発覚のため利用不能)。ModulesやRanges、Conceptsの自動補完(IntelliSense)も改善されている。並列計算に用いるLLVM OpenMPへの対応も強化されており、x64だけでなく、x86/arm64でも利用できるようになった。

 そのほかにも、「Git」関連の機能の強化や、「Docker」コンテナーイメージの管理機能の拡充が図られた。.NETの開発支援機能も改善されており、未使用の参照をまとめて削除したり、継承関係をツールチップで表示したり(既定で無効)、XAMLデザイナーのクイックアクションでプロパティをすばやく変更できるようになった。Behavior Serviceのリファクタリングにより、.NET Core 5/6ではWinFormsデザイナーのパフォーマンスが大幅に向上したほか、複数のコントロールを選択・ドラッグ&ドロップする際の挙動も改善されているという。

XAMLデザイナーのクイックアクション

 なお、次期バージョン「Visual Studio 2019」v16.11のプレビューも併せて発表されている。マルチプラットフォーム対応アプリUIフレームワーク「.NET MAUI」を使った開発に興味があるならば、プレビュー版の導入も検討したい。安定版とプレビュー版は同じ環境に同居させることも可能だ。