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無料の明朝体フォント「しっぽり明朝」が公開 ~墨だまりのある「しっぽり明朝B1」も

“あ・い・う・え・お”などに濁点や半濁点を付加した文字も収録

「しっぽり明朝」v3.000

 優美なオールドスタイルの明朝体フォント「しっぽり明朝」の最新版v3.000が、2月19日に公開された。大幅なブラッシュアップが施されており、作者によると“新しっぽり明朝”と謳っていいほどの変更になっているという。現在、フリーフォント紹介サイト“フォントダス”からOTF形式のファイルがダウンロードできるほか、新たに“Google Fonts”からの提供が開始され、TTF形式のファイルをダウンロード可能。ライセンスは“SIL Open Font License”を採用しており、フォントそのものを販売しない限りは商用・非商用も問わず、改変や再配布も認められている。

 v3.000では、フォント制作ソフトが「Fontforge」から「Glyphs」へ変更され、全文字の字形やパスが見直されている。ウエイトも“Regular”から“Extra Bold”まで全5ウエイトが用意されたほか、従属欧文、記号、約物は新規製作されている。

 漢字は「源ノ明朝」の派生フォント「源流明朝」を基に、エッジに丸みを加えたものを14,828文字収録。大きなサイズにしてもかな文字との違和感がないようになっている。ただし、「源ノ明朝」や「源流明朝」には“Extra Bold”が用意されていないため、「しっぽり明朝」の“Extra Bold”の漢字は“Bold”と同一のものになっている。

 また、新たに通常のフォントには含まれていない“あ・い・う・え・お”などに濁点や半濁点を付加した文字も収録された。「源暎こぶり明朝」「源暎ちくご明朝」互換の文字コードに割り当てられており、これらのフォントと切り替えて使用することが可能。これらの文字を入力したい場合は堂捺餡氏が公開している“しっぽり明朝ほか 外字簡単入力ツール”を利用するとよいだろう。

 加えて、一部の仮名では異体字・別字形が収録されているほか、感嘆符と疑問符は斜めになったものや複数を組み合わせたものが豊富に用意されている。

「しっぽり明朝」(上)と「しっぽり明朝B1」(下)

 さらに、画線が交差している部分の“墨だまり”を再現した「しっぽり明朝B1」も同梱されている(“Google Fonts”では別フォント扱い)。こちらは、より“活字”らしさが強くなっており、アナログ的な温かみのある印象を与えられる。電子書籍の本文に限らず、大きく表示してロゴなどのデザインに組み込むの用途にも利用できそうだ。

ソフトウェア情報

「しっぽり明朝」
【著作権者】
The Shippori Min Project Authors
【対応OS】
(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.000(21/02/19)