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コーディングのリアルタイム共有「Live Share」が強化され「Visual Studio 2019」に標準搭載
言語を問わず利用可能。インラインコメント機能や教育向けの改善も
2018年12月17日 13:07
今月初めにお披露目された「Visual Studio 2019」プレビュー版には、ほとんどのワークロード(開発目的に応じた機能セット)で「Visual Studio Live Share」が標準インストールされる。コーディングセッションを他のメンバーと簡単にリアルタイム共有できるようになり、コラボレーションが以前よりも簡単となる。
「Visual Studio Live Share」へは、統合開発環境(IDE)の画面右上にある[Live Share]ボタンからアクセス可能。ソリューションを開いて「Live Share」を開始すると、コーディングセッションの共有URLがクリップボードへコピーされるので、それを相手に伝えればよい。
「Live Share」は「Visual Studio 2019」だけでなく、「Visual Studio 2017」や「Visual Studio Code」でも利用可能。プログラミング言語は基本的に何でも利用可能で、こちら側(ホスト)に必要なものがそろってさえいれば、相手側(ゲスト)に言語ツールや依存関係、SDKを整えてもらう必要もない。「Visual Studio」でおなじみの“定義へ移動”、リファクタリングの際に現われる電球アイコン、ビルドエラーなどがすべてゲストと共有される。
また、共有されるのはコードエディターだけではない。開発の際はターミナルでコマンドラインツールを利用することが少なくないが、「Live Share」ではターミナルをホスト・ゲスト間で共有することもできる。
最新の「Live Share」では、これらの機能に加えインラインコメントと教育向けの機能が追加されている。
インラインコメントは、コードエディターの指定した箇所へコメントを追加する機能だ。コラボレーションセッション中にスケジュールやToDoのメモを作成したり、コーディングの注意点にコメントを残すことができる。コメントには返信を付けることも可能で、ちょっとしたディスカッションにも役立つ。
また、「Live Share」では「GitLens」拡張機能がサポートされている。この拡張機能を利用すれば、「Git」でいつ・誰がコードをコミットしたのかをコードエディター上に表示することが可能。直前のコミットとの差分を表示したり、コミットの履歴をチェックすることもできる。
教育向けの改善としては、1対多での講義に対応できるようにゲスト制限を30人にまで緩和した点や、講義中に意図せずコードが破壊されないようホストを読み取り専用モードへ切り替えられるようになった点が挙げられる。また、読み取りのみであればアカウントなしでセッションに参加できるようになったほか、多くの参加ユーザーを管理するためのGUIが追加された。