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【第376回】
戦術シミュレーションゲーム「マスクドヒーローズ」個性豊かな覆面ヒーローチームの戦いを楽しもう
(09/05/22)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、最大7人の仮面のヒーローをユニットとして戦うシミュレーションゲーム「マスクドヒーローズ」を紹介しよう。
戦闘強化服“マスク”を装着して犯罪組織と戦え!
基本ルールはオーソドックスなシミュレーションだが、ユニットはかなり独特だ。自軍ユニットは“パレットヒーローズ”のメンバーである“ナンジ”や“ヒトシ”といった人物が戦闘強化服“マスク”を装着することでステータスが決定される。移動力、耐久力、装備できる武器の種類といったユニットの主要な性能は“マスク”によって決定され、これに加えて人物の能力により、耐久力や攻撃力などへボーナス値が付加される。
マスクは装備可能な武器の傾向によって大きく5タイプに分類される。格闘、銃の両方の武器が使用可能な歩兵系、格闘武器専門で斜め方向への移動力に優れる格闘系、射程の長い銃を主力とする狙撃系、HPが高く銃を得意とする重装甲系、範囲攻撃が可能な砲タイプの武器を装備できる砲兵系があり、プレイヤーは入手した“マスク”を好きなメンバーに装備させることが可能。ある程度自由な部隊編成が可能だ。
バトルの際は移動・攻撃で減少するエネルギーのやりくりが重要
選択できるステージには、ストーリー本編となる“出動要請”のほか、ストーリー進行とは無関係な“パトロール”、イベントが発生する“???”の3種類がある。パトロールはランダムで出現する敵と戦うフリーバトルで、新たに参入した仲間や武器のテストに使えるほか、後述する“善行ポイント”や武器などが入手できるので、戦力拡充のために役立つだろう。“???”はサブイベント的なもので、戦闘が発生しない場合もあるなど内容はさまざまだ。 ユニットの行動には“EN”と表記されているエネルギーを、行動ごとに決められた値だけ消費する。各ユニットにはENの最大値となる“EN容量”と1ターンごとの回復値を表す“EN出力”というステータスがあり、ENのある限り1ターンで複数回行動できるほか、ENを残しておけばEN容量の範囲で次のターンへ持ち越せる。そのため、ENを上手にやりくりして行動するのが重要だ。 たとえば“EN容量”が5で“EN出力”が3のマスク“グリン”が移動に3、攻撃に2のENを消費すると、次のターンで使えるENはEN出力分の3となるので、移動すると攻撃ができなくなる。また、移動せずに攻撃を2回行ってENを4消費し、ENを1残すと次のターンはEN4で開始される。強力な武器はEN消費が多く、移動と両立できない場合もあるので、戦術的には敵を自軍ユニットの攻撃範囲内に誘い込んで迎撃するパターンが定石と言えるだろう。
また、ユニットには方向の概念があり、背後から攻撃されるとダメージが増加する。一方で自分の攻撃は主に正面にしか行えず、移動できる範囲もユニットの向きに左右されるので、ユニットの向きを変えることが多いのだが、方向変換にもENを1消費してしまうのがポイント。効率のいい移動を心がけ、逆に敵には方向変換を強いてより多くのENを消費させることが望ましい。武器のなかにはダメージを与えるとともに相手のENを減少させるものもあるので、これも活用しよう。
新たな武器やマスクを入手してユニットを強化していこう
武器やマスクの購入時は、お金ではなく出動やパトロールの報酬として得られる“善行ポイント”や“マスクコア”というポイントを支払う。武器は善行ポイントさえあれば入手でき、善行ポイントはパトロールを繰り返しこなすことでほぼ無制限に獲得できるので、使えそうな武器は一通り入手してしまおう。
一方、マスクの入手にはマスクコアも必要で、こちらは出動の報酬としてしか得られないため、マスクの入手数には限りがある。必要なものを厳選して入手する必要があるだろう。先のステージへ進むほど強力な武器やマスクが入手可能となるので、ある程度手持ちのマスクでしのぎ、マスクコアを温存することも大切だ。
力押しは通用しない本格派。繰り返しプレイも面白い戦闘の際は、敵ユニットも“EN容量”と“EN出力”が表示されるので、ある程度行動を読むことができる。詰め将棋のような緻密な行動が勝利の鍵だ。ただし敵の装備している武器は名前しか表示されず、初めて見る武器は性能がわからない。そのため中盤以降は、1回の戦闘で勝つことが難しくなってくる。ときには一度偵察として出撃し、敵の戦力を把握してからロードして自軍ユニットの装備を整える、といった対応も必要になってくるだろう。レベルアップがないため力押しは通用しない。知略で勝利を掴もう。とにかくステージ数が多く、歯ごたえも充分。フリーソフトながら本格的なやり込みができる。ストーリーもヒーロー番組をよく研究して作られており、コミカルな部分とシリアスな部分がうまく取り入れられている。1ステージ自体は長くないので、毎日短時間のプレイで進めていけるのも忙しい人にはうれしい点だ。使用するマスクを変えることでプレイのバリエーションが広がるので、繰り返しプレイしても面白い。これ1本で当分遊び続けられるだろう。
□treeman’s studio (藤井 宏幸)
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