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【第375回】
ファンタジーRPG「Last Retributor ~旅立ちの向こうに~」ルーレットを使ったユニークな戦闘や謎解きが熱い!
(09/05/15)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、ルーレットを利用する独特な戦闘やダンジョンにちりばめられた謎解きが楽しいファンタジーRPG「Last Retributor ~旅立ちの向こうに~」を紹介しよう。
復讐に燃える少女とノンキな男二人の物語
復讐という重いテーマながら、何かとギャグに走るモファッドと、それにツッコミを入れるルーセンの存在が明るい雰囲気を生み出している。さらに、復讐をやめさせようとするルーセンの言葉によって、揺れ動くフェリアも大きな見どころ。また、聖地には数々の謎解きが仕掛けられているのだが、謎を解かなくても進められる最終手段が用意されているので、謎解きは苦手、ストーリーに集中したいという人でも安心だ。
属性と補正効果が絡み合う独特で楽しい戦闘システム
ルーレットには、最大で6個の“秘石”を自由に配置できるようになっており、ボタンを押して止まった秘石に応じた攻撃を敵に繰り出せる仕組みだ。秘石と敵には、それぞれ6種類の属性があり、同属性では攻撃の効果が低く、逆属性では大ダメージを与えられる。秘石は宝箱などから入手でき、戦闘中以外なら装備画面でいつでも配置変更が可能。秘石の効果は敵1体への攻撃、すべての敵に対しての攻撃など多種多様。また、HP回復など、フェリアに対して効果を発揮する秘石もある。 属性は、主に回復系となる“水”、攻撃力の高い“炎”、連続して発動させると大きく威力がアップする“光”、毒など状態異常を与える攻撃が中心の“闇”、特殊な効果が多い“風”、主に攻撃をサポートする味方を召還できる“土”の6種類。画面上では、順番に青、赤、黄、黒、紫、茶の色で表現される。敵の体力ゲージの先端にもこれらの色が表示されるので、そこで敵の属性が判別できるというわけだ。 ダメージを与える上で重要な逆属性となる組み合わせは、水と炎、光と闇、風と地となっている。敵と同じ属性で攻撃した場合は、まったくダメージを与えられないことも珍しくないため、ルーレットをある程度は狙った場所に止められるように練習しておきたい。また、ルーレットを同じ属性に連続して止めると威力が増す効果もある。 ルーレットへの配置にルールはなく、同じ属性を並べて狙った属性へルーレットを止めやすくしたり、1つの属性ですべて埋めることすら可能となっている。特定の属性をもつ敵ばかり出現する場面もあるため、状況に合わせて配置を変更していくことが大切だ。 これに加えて、ルーレットを回すごとに“補正効果”というものが発生する。これはルーレット上の秘石にS、A、B、C、D、Eとランダムに表示され、前者ほど秘石の威力が向上。敵と同属性の秘石でルーレットが止まってしまっても、補正効果がSならば、けっこうダメージを与えられることが多い。
戦闘画面の右下にある“クリティカルゲージ”も、戦闘を有利に進める上で重要だ。これは秘石を発動させるごとに増加していき、ゲージが満タンになると自動的に敵全体へ大ダメージを与えられる“クリティカルスキル”が発動する。通常の敵ならば、ほぼ確実に全滅させられる威力だ。なお、このゲージは補正効果が低い秘石を発動させるほど大きく増加する。Eの補正効果でルーレットが止まってしまっても、悪いことばかりではないのだ。
ちりばめられた謎解きも大きな魅力
ユニークなのは、ヒントが書いてある場所を2回調べると、謎解きをルーセンに任せられること。どうしても謎がわからない、ストーリーを進行させたいという場合に便利だ。ただし、ペナルティもある。それぞれの聖地には仕掛けの達成率が設定されており、ルーセンに任せると達成率は向上せず、しかもどのような方法で謎を解いたのかは表示されないため、プレイヤーが仕掛けの秘密を知ることもできない。なんとも敗北感があるため、ついムキになって謎解きをするという、うまい作りとなっている。 また、敵はけっこう強いため、油断するとアッという間にゲームオーバーになってしまうことも多い。それを回避するために重要となるのが、アイテムの利用だ。聖地には、敵を倒したときに得られる謎の球体“ウォテル”からアイテムを生成できる場所が点在している。鍵など聖地の奥まで進むのに必須となるアイテムをはじめ、回復薬、秘石と同じ効果のある書物などを生成可能だ。 書物はどれも便利だが、とくにオススメなのが防御力をアップできる“シールドの書”と敵から確実に逃げられる“エスケープの書”。シールドの書を使えば、敵からのダメージをかなり軽減できるため、一度に多くの敵が出現した場合や、聖地の最後に登場するボスとの戦いがグッと有利になる。エスケープの書は、戦闘が面倒な場合やHPの残りが少ないときに有効だ。 ゲームのプレイ時間は8~10時間程度でRPGとしてはそれほど長くはないが、通常の謎解き以外にも、聖地のあちこちには隠し部屋があったり、オートで作成されるマップの完成度が表示されたりと、やりこみ要素はけっこう多い。マップの完成度を100%にするのはなかなか難しいので、ついつい隅々まで歩き回りたくなる魅力がある。敵が強いといっても、レベルの上昇が早いため、地道に戦闘を重ねれば負ける確率はかなり減るだろう。凝った戦闘システムや謎解きが好きなら、ぜひともプレイしてもらいたい1本だ。
□タンクタウン (芹澤 正芳)
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