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【第368回】
パイロット育成&ロボット強化SLG「Idiots」レトロPCゲームを彷彿とさせる想像力で楽しむ一作
(09/02/27)
『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、80年代のロボットアニメをイメージさせる育成シミュレーションゲーム「Idiots」を紹介しよう。
パイロットと機体を強化していく育成シミュレーションゲーム
プレイを開始したら、まずはパイロットのステータスを確認しよう。ステータスは“自我”“知覚”“反応”“情報”“経験”と並んでいて、その右にゲームの進行度に相当する“評価点”と“ランク”、および体調を表す“状態”が表示されている。自我は体調の変化に影響し、休息と機体のカスタマイズ以外の行動をとると減少。自我が低いと体調が悪化していくので、適度に休息して自我を回復しなければならない。知覚、反応、情報はパイロットとしての能力を表し、それぞれ命中率、回避率、索敵能力などに影響する。また、経験は全能力へのプラス補正値だ。 育成は、“遠隔戦プログラム”で知覚を、“近接戦プログラム”で反応を、“情報戦プログラム”で情報を上げられるので、まずはこれらの訓練をこなしていこう。各種プログラムや休息を実行するとゲーム内の時間が経過していく。ゲームクリアに制限時間は設けられていないが、クリア時の評価に影響するのでほどほどに意識しておこう。 育成時は体調によってステータスの上昇値が変化する。体調が“絶好調”や“好調”のときは伸びがいいので、各種プログラムの実行はなるべく好調時にまとめて行うと効率がいい。ところがこの体調がクセモノで、ランダムで好不調の波がある。運が悪いときは自我が最高値の9999でも好調にならず、逆に7000ほどで好調になる場合も。この波をうまく見極めるのが効率のいい育成のコツだ。ただし、ミッションをこなして評価点を獲得し、ランクを上げることでも成長効率がアップするので、育成よりもミッションを優先してランクを上げる、という考え方もある。 ステータスを把握したら、次に“カスタマイズ”で機体の状態を確認しよう。機体は6種類のパーツで構成されていて、それぞれ自由に選択して組み合わせることが可能。このうち“ボディ”は装甲、積載量、メモリ、機動力といったパラメーターをもち、機体の総合的な性能を決める。“メインウエポン”と“サブウエポン”は攻撃用の武器で、メインはレーザーやキャノンといった射撃系、サブはソードやナギナタなど格闘用の装備だ。また、“センサー”は索敵能力を、“アプリケーション”は命中率と回避率をアップさせ、“追加装甲”はその名の通り装甲を強化してダメージに強くなる。
これらのパーツはミッションに出撃し、撃破されずに生還した場合にランダムで追加されていく。序盤でいいパーツを入手できればクリアまでの時間が短縮されるだろう。なお、パーツは豊富に用意されているがグラフィックは一切ない。パーツ名や性能から自分だけのロボットを想像するのも楽しいかもしれない。
育成や機体カスタマイズにおける自由度の高さが魅力
戦闘は、メインとサブのどちらの武器を使用するか選ぶだけとシンプル。ミッション中はいつでも“離脱”を選択することでミッションを中断可能で、この場合もミッションの進行度に応じた評価点や追加パーツを手に入れることができる。一方でダメージを受けて装甲の値がゼロになるとミッションは強制終了となり、どれだけミッションを進行させていても評価点は手に入らないので、引き際を見極めて戦力アップを図ろう。また、移動や一部の武器の使用でエネルギーが減り、エネルギーが切れてもミッションは強制終了する。エネルギーを消費する武器を装備しているときは、残量に注意しよう。 ミッションクリアのコツは、極力敵との戦闘を避け、無傷に近い状態でボス戦に挑むこと。敵との戦闘でも経験をアップできるが、ボス戦に勝利して“評価点”のボーナスを獲得し、ランクを上げていくほうが効率がいい。そのためには訓練でステータスの“情報”を上げたり、“カスタマイズ”でセンサーを高性能にすることで索敵能力をアップさせるのが重要。これにより敵の接近を事前に察知し、戦闘を回避することができるようになる。 本作はプレイの自由度が高く、育成方針や機体のカスタマイズに応じてさまざまなプレイが楽しめる。クリアするだけならじっくり時間をかければ誰でも可能なので、育成ゲームが苦手な人でもロボットアニメ的な世界観を楽しむことが可能だ。その一方で、より短時間での効率的なクリアを追求するというやり込み要素があり、クリアにかかった時間に応じたランクが設けられている。このランクが高いとおまけ要素が解禁されていくので、短時間クリアを狙ってみよう。 ゲームの進行に応じて挿入されるアニメ風のイベントシーンを除くと画面はテキスト中心で、敵ロボットのグラフィックもモノクロ一色など一見地味な印象だが、実は無駄な要素を極力省いた良作だ。やり込めば絶妙なバランス調整と自由度の高さに『この作者はわかってるな』と気づかされるだろう。
□アバラヤ (藤井 宏幸)
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