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【第363回】

戦略シミュレーションゲーム「王国のトランプ」

トランプを使ったワンプレイ5分のお手軽で濃密な国盗り合戦

(09/01/16)
タイトル画面
   

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、シンプルながら駆け引きが楽しい戦略シミュレーションゲーム「王国のトランプ」を紹介しよう。

カードゲームと戦略シミュレーションの融合

トランプ勝負で陣地を広げ、敵国の聖地を奪うのが目的
トランプ勝負で陣地を広げ、敵国の聖地を奪うのが目的
トランプを出し合って合計した数字の大きいほうが勝利だ
トランプを出し合って合計した数字の大きいほうが勝利だ
絵札は兵力を倍増させるなど特殊な効力を備えている
絵札は兵力を倍増させるなど特殊な効力を備えている
 「王国のトランプ」は、トランプの札で戦闘の勝敗を決するというユニークな国盗りシミュレーションゲーム。CPU対戦のみの1人プレイ専用で、プレイヤーはブルー王国となり、敵対するマゼンタ帝国、グリーン大公国、イエロー朝の聖地を支配するのが目的だ。逆に自国の領土がすべて支配されるとゲームオーバーとなる。ゲーム画面は世界地図に似た平面のマップで30の国に分けられており、聖地の場所はプレイのたびにランダムで決定される。ゲーム開始時点の各国の領土はそれぞれの聖地のみで、ほかはすべて中立国。各国は領土に隣接する国にしか攻め込めないので、まずは敵国の聖地を目指して領土を広げていくのが目的となる。

 操作に必要なのはマウスの左ボタンのみで、攻め込みたい国や戦闘に使うトランプをクリックで選ぶだけ。ゲームのルールもシンプルで、プレイ開始時には5枚のトランプを持っており、出すカードを複数枚選んで攻め込みたい国をクリックすると戦闘に突入。攻められた側もカードを出し、数字の合計が多い側が勝利となる仕組みだ。攻撃側が勝てば負けた国を領土とすることができ、戦闘後は双方ともに出したカードを失う。

 戦闘においてポイントとなるのは絵札の存在だ。通常は数字の合計がそのまま兵力となるが、絵札の“J”は兵力を2倍、“Q”は3倍、“K”は4倍にする効力をもつ。たとえば数字の8とKを組み合わせれば、たった2枚で32もの兵力になるわけだ。また、“A”も特殊なカードで20もの兵力をもっているほか、ジョーカーは出せば無条件で勝利という反則的なカードとなっている。

 ゲームの進行はターン制で、各国が順番に行動する。1回の行動で攻め込める国は1つだけで、攻め込まないことも可能だ。カードはターン開始時にランダムで1枚補充されるので、いい手札が揃うまでじっくり待つという戦略もある。なお、カードは5枚までしか持てないので、それ以上になった場合は任意の1枚を捨てなければならない。

 また重要なルールとして、戦闘後にカードが捨てられない例外が1つだけある。聖地にはそれぞれ対応するトランプのマークが設定されており、自国が占領している聖地に対応するマークのカードは、戦闘に勝利すれば捨てられずに戻ってくるのだ。たとえば、ブルー王国は聖地のマークがスペードとなっており、戦闘に勝利するとスペードのカードはすべて戻ってくる仕組み。さらに、ほかの聖地を支配すれば、そのマークも戻ってくるようになる。2つも聖地を支配すれば、かなり勝利は近づくというわけだ。

敵対する国の手札を確認することが重要

中立国は防御に使うカードの枚数が決まっている
中立国は防御に使うカードの枚数が決まっている
敵の侵攻時は使ってくるカードの枚数を確認できる
敵の侵攻時は使ってくるカードの枚数を確認できる
 ゲームの基本的な流れは、敵対する国の聖地を目がけて領土を広げていくというものだが、注意すべきは中立国の兵力だ。中立国にマウスカーソルを合わせると国名と数字が表示される。この数字は防御に使うカードの枚数を表しており、1枚だけなら勝利しやすいが、なかには5枚使ってくる強国もある。中立国の支配は、敵の聖地に近づけるというメリットしかない。そのため、カードを温存する意味でもなるべく勝ちやすい中立国を選んで闘っていくことが重要だ。ちなみに自陣へ攻め込んでくるのは敵国のみ。中立国が戦いを挑んでくることはない。

 一方、敵国を攻略するときに重要なのは、敵国の手札を確認すること。どのカードを持っているかは伏せられているが、持っている枚数はわかるようになっている。そのため、敵国に攻める場合は、手札の少ないタイミングを狙うのが一番だ。反対に、敵国が攻めてきた場面では、手札のうち何枚のカードを使って攻めてきたかを確認可能。4~5枚の総力戦を仕掛けてきた場合には、あえてカードを1枚も出さず領土を放棄して戦力を温存し、次のターンで一気に逆襲するという戦略も取れる。

 聖地の位置も初期の手札も補充されるトランプもすべてがランダムなので、運で勝敗が決まる確率が高い側面もある。そのため、必勝を狙うのであれば初期状態で聖地と同じマークの手札がズラリと揃うまでリセットを繰り返すのが一番といえるが、あえて不利な持ち札でスタートし、いかに敵国にカードを無駄使いさせるか考えるのも楽しい。2など弱いカードで攻め込んで防御にカードを何枚も消費させるのを狙ったり、総力戦を挑んできた敵国にジョーカーであっさり勝ってみたりするのはなかなか気持ちがいいものだ。また、ワンプレイは早ければ5分程度で終わるので、ちょっとした時間で遊べる手軽さも魅力。操作も簡単でシンプルなだけに、コンピューター相手だけではなく、人間相手のネットワーク対戦もできたらさらに面白いのではないかと思わせる1本となっている。


【著作権者】(有)ゲームデザイン
【対応OS】Windows 98/Me/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】-
【ファイルサイズ】152KB

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(芹澤 正芳)




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