テクノロジー

2020.03.20 06:30

位置情報のフォースクエアが示す「厳戒態勢の米国」の現状

Photo by Chris Graythen/Getty Images

Photo by Chris Graythen/Getty Images

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米国の多くの都市で厳戒態勢が敷かれ、人々は外出を控えるよう求められている。しかし、事態の受け止め方は都市によってまちまちだ。

位置情報サービス企業「フォースクエア」は3月18日、1300万人の米国人の徒歩による移動データのレポートを公開した。対象となったのは、2月19日から3月13日までの期間のデータだ。

それによると、バーなどでナイトライフを楽しむ人々の数は、ニューヨークではわずか7%しか減少していなかった。一方、ロサンゼルスでは同期間で15%の減少だった。さらに、米国全体の減少率は4%にととまっていた。

フォースクエアが示したデータは、人々に自宅待機を呼びかけた保健当局としては、かなり残念なものといえそうだ。

ただし、映画館に向かう人の数は大幅に減少した模様だ。ニューヨークでは33%の減少で、サンフランシスコやロサンゼルスでも同レベルの減少が2月から3月にかけて確認された。

2009年に始動したフォースクエアは、2014年に新しいアプリのSwarmをリリースし、チェックイン機能などを分離させた。Swarmの利用者は自分がチェックインした地点を記録したり、他のユーザーと共有したりしている。

今回のデータでは、空港やオフィスへの移動が減少した一方、生鮮食料品店やコストコなどの店舗に向かう人の増加も確認された。「コストコやSam’s Clubなどの倉庫型の店舗を訪れる人口は、全米で39%近い伸びとなった」とフォースクエアは述べた。

「中でも大幅な伸びが記録されたのは、ニューヨークの都市部で、倉庫型店舗に向かう人口は51%以上の増加となった」

シアトル及びサンフランシスコの空港に向かう人々は、24%から27%の減少となっていた。この数値は、ロサンゼルス空港に向かう人々の減少率、15%の約2倍に達していた。米国の西海岸ではリモート勤務を行う人々が増加し、サンフランシスコでのオフィスへの徒歩通勤者数は、約半分まで減少していた。

フォースクエアによると、顕著な減少が始まったのは感染拡大のニュースが大きく報じられた3月2日以降だったという。サンフランシスコではオフィスに徒歩通勤を行う人口が、2月末から3月中旬にかけて、46%減少したという。

一方、ニューヨークでの徒歩通勤者の数は、同期間で13%しか減少していなかった。

編集=上田裕資

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