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セミナー紹介

2024年1月に開催された国際展示会「CES2024」では、韓国のSamsungおよびLGがOLED搭載高輝度テレビを展示しました。搭載ディスプレーはそれぞれ量子ドットOLED(QD-OLED)と白色OLED(WOLED)で、ピーク輝度は共に昨年の2000から3000nitsに向上しています。XR、すなわちVR/MR/ARの新製品も多く提案されました。VR/MRでは産業用途狙いのソニーおよびパナソニック資本の米国Shiftall(シフトール、東京・中央)、ARは中国Xreal(エックスリアル)が代表です。これとは別に、2024年2月にはヘッドマウントディスプレー(HMD)「Apple Vision Pro」が米国で販売開始され、市場評価が出始めています。搭載ディスプレーはシリコン基板上に形成された8K高精細のOLED(OLEDoS)です。

2024年5月にはApple初のOLED搭載タブレット端末「iPad Pro 11/13」が発売されました。薄膜封止とガラス基板を組み合わせたハイブリッド基板構成で薄型化、RGBの発光層を2段に重ねたタンデムOLEDで高輝度化がアピールポイントです。しかし、広報では紹介されていませんが、VRR(可変周波数)駆動の低周波数・低諧調表示でフリッカレス、高色再現性表示を実現しています。フリッカは画素回路を従来の7T1C(T:TFT、C:保持容量)から8T1Cへ変更すること、高色再現性は画素の周辺に共通蒸着層を遮断するトレンチ溝を形成することで実現しています。そして、建設中の第8.6世代製造ラインで生産予定の画素を酸化物TFTで駆動するノートパソコン用の、いわゆるIT-OLEDパネルにも採用される予定です。

さらに、2024年5月に開催された国際学会「SID2024」では、スマートフォンの中で市場成長が著しい製品技術に採用されているフォルダブルと低消費電力を実現するCOE(薄膜封止上にカラーフィルター配置)の進化技術をはじめとして、OLEDに対抗するディスプレー・デバイスの次世代エース候補である、マイクロLEDと量子ドット(QD)ELの技術内容が公開されました。特に、QD-ELでは最大課題であった素子寿命を1桁以上改善する材料技術が発表されました。改善ポイントは、コアである半導体QDを被覆する絶縁膜やリガンドの見直しです。

本セミナーでは、TV用OLED、タブレット端末で製品デビューしたIT-OLEDに関する最新技術内容を解説します。これと次世代エース候補のマイクロLEDやQD-ELなどの内容と対比し、将来動向を考察します。これらの技術内容はSIDの国際学会、そして各社出願の米国特許公報の解析により解き明かします。各ディスプレー・デバイス技術解説では、出願特許解析により具体的構造・画素駆動方法・製造方法まで解説します。

加えて、従来は概略数字しか公開されていなかったメタバースXR最新機器の光学系(Pancake、Birdbath、Waveguide)効率を定量算出し、OLEDoS、LEDoSディスプレーへの要求輝度、優位性比較、さらにコストを含めた開発方向性を含めて議論いたします。


受講効果

チェック最新のフラットパネルディスプレーの技術動向を習得できる。

チェックスマートフォン、IT、TV、XRの映像機器とディスプレー技術関連性が理解できる。

チェック最新のフラットパネルディスプレー用デバイスの性能比較が理解できる。

チェックOLED、量子ドット(QD)、シリコン基板に形成するOLED(OLEDoS)、LED(LEDoS)ディスプレー-新技術の最新学会、特許公報情報を理解できる。

チェックディスプレーパネルメーカの技術やその技術動向を理解できる。


開催概要

セミナー名 国際学会および特許解析も踏まえたディスプレー最新技術2024
日時 2024年12月10日(火)10:00~17:00(開場9:30)
会場 東京・神田
アーバンネット神田カンファレンス
●JR神田駅 西口より徒歩1分(JR山手線・京浜東北線・中央本線)
●東京メトロ神田駅 1番出口より徒歩2分(銀座線)
受講料

55,000円(税込み)

定員 60名
※最少開催人数(15名)に満たない場合は、開催を中止させていただくことがあります。
主催 日経クロステック 日経エレクトロニクス

講師紹介

小野 記久雄 (おの きくお)氏
サークルクロスコーポレーション フェローアナリスト

小野 記久雄 <span class="fontSizeS">(おの きくお)氏</span>

1982年、日立製作所日立研究所入所。半導体IC、LTPS開発に従事。1993年、日立製作所電子管事業部(後の日立ディスプレイズ)へ異動。TFT-LCD開発。特にTV用IPS-LCDの開発を主な担当とする。2009年パナソニック液晶ディスプレイ株式会社へ異動。FPD技術調査(LCD、OLED、QLED、μLEDなど)を行う。2017年末、退職。2018年1月からサークルクロスコーポレーションFellow Analyst就任。
主な著書に、共同執筆として、Edited by S. Ishihara et. al., "High Quality Liquid Crystal Displays and Smart Devices" IET(UK)(2019)がある。
主な受賞歴に、「2013年(公社)発明協会 全国発明表彰、発明賞」「2015年文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)受賞テーマ『広視野角で低消費電力を実現したIPS方式液晶パネルの開発』」がある。登録特許457件保有、特許分析に精通。

プログラム (10:00~17:00)

  1. ディスプレー・デバイスの進化の製品ライフサイクル、戦国絵巻
  1. CES2024に見るOLED TV・モニター、XR機器の最新展示品動向
  1. モニター・TV用ディスプレーの基本技術(LCD、WOLED、QD-OLED)
  2. CES2024展示品:高輝度化が更に進むプレミアOLED TV、透明OLED TVも話題
  3. CES2024展示品:SDC QD-OLED、LGD WOLEDパネル品種増に対応のGamingモニター
  4. 技術解説:LGDの透明OLED T
  5. 技術解説:SDCの第3世代QD-OLED
  6. 技術解説:LGDの第3世代WOLED(Meta Technology 2.0)
  7. CES2024以降発売されたWOLED、QD-OLED搭載TVの画質特性比較および市場動向
  8. XR機器用ディスプレーの基本技術(LCD、OLEDoS、LEDoS)
  9. CES2024展示品:高精細特長のVR/MR(+CES非展示Apple Vision Pro)、軽量化特長のAR
  10. 市場動向/技術解説:XR機器の市場動向、売れ筋製品、Vision Proの課題(性能、コスト)
  11. 技術解説:VR/MR機器のPancake光学系効率の試算(ディスプレー輝度仕様を決める)
  12. 技術解説:AR機器のBirdbath光学系効率の試算(ディスプレー輝度仕様を決める)
  13. 技術解説:AR機器のWaveguide光学系効率の試算(ディスプレー輝度仕様を決める)
  14. XR機器用ディスプレーの優劣比較(コスト視点:LCD vs OLEDoS vs LEDoS)
  1. G8.6製造ライン立ち上げにつながるIT-OLED技術
  1. IT-OLED理解のための基本技術
     ・諧調、駆動周波数(リフレッシュレート)、フリッカ特性
    ・駆動TFTのしきい電圧(Vth)補償の必要性とその方法(Cstへの書き込み方法)
  2. G6製造ライン生産iPad Pro OLED採用の新技術
     ・AppleのIT-OLEDロードマップ
    ・5月発売iPad Pro OLED採用の新技術
    ・画質改善が最大課題①(低諧調表示の色づき、色再現性低下):トレンチ導入
    ・画質改善が最大課題②(VRR駆動低諧調表示のフリッカ):8T1C画素回路導入
  3. G8.6ライン生産予定MacBook Pro OLED採用の新技術
     ・MacBook Pro OLED採用新技術とG8.6製造ラインのプロセスフロー、コスト試算
    ・All Oxide TFT内部補償回路(Oxide TFTは駆動TFT対応信頼性あるか?)
    ・Oxide TFTの移動度向上は必要か(LTPS➝All Oxide TFTは可能か?)
  1. SID2024に見るディスプレー・デバイスの技術動向
  1. OLEDの次期成長エンジンとしてのFoldable、COE技術、その市場動向と考慮ポイント
  2. 技術解説:Foldable OLEDの技術状況と大型化への課題
  3. 技術解説:COE OLEDの技術状況と課題、低消費電力効果
  4. SID2024講演:Foldable OLED技術の発表内容解析
  5. SID2024講演:COE OLED技術の発表内容解析
  6. SID2024講演:XR機器用ディスプレーの発表内容解析とデバイス競合性の変化
  7. 技術解析:QD-EL(Nano-LED)の寿命と改善状況、マイクロLED搭載Apple Watchとは?
  8. SID2024講演:QD-ELの寿命改善技術の発表内容(SDC、Sharp)解析
  9. SID2024講演:マイクロLEDの将来へ向けての技術対応の発表内容(Yole Intelligence)解析

【お申し込み注意事項】

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      営業日:土日祝日を除く月~金曜日。年末年始(12月29日から1月3日まで)は営業いたしません。
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    <MyPage>https://ers.nikkeibp.co.jp/user/myPageLogin/
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