2021年、アメリカのコーネル大学鳥類学研究所がニュージーランドにあるアホウドリの生息地に設置したライブカメラで、頭から地面に突っ込んで着地に失敗するキタシロアホウドリが映り、話題になりました。
このアホウドリは生後6か月のひなの前で派手に一回転し、最後はひっくり返ってしまいます。足をばたばたさせながらやっと起き上がると、何事もなかったかのように歩いて画面上から姿を消しました。
また、下の動画は今年4月に撮影されたもので、失敗こそしなかったものの、オスのアホウドリがカメラの前でドシャ!!という音を立てながら豪快に着地しています。
このように、アホウドリはしばしば下手な着地が話題になりますが、なぜアホウドリは着地が苦手なのでしょうか?
実は離陸も得意ではないアホウドリ
アホウドリの名前の由来は、その鳥らしからぬ愛らしい生態にあります。人間に対してまったく警戒心がなく、簡単に捕まってしまううえに、鳥であるにもかかわらず鈍重で、よたよたと歩き回ります。
そして何より、アホウドリは鳥とは思えないほど飛び立つのがあまり得意ではなく、強い風が吹いていない場合や、高い崖から降りるように飛び立てない場合は、下り坂を利用するか向かい風に当たりながら長い助走をつけなければ飛ぶことができません。
Albatross taking off -TEARA-しかしひとたび飛び立てば、アホウドリは一度も羽ばたくことなく数千kmにも渡って休まずに滑空するできるほどの高度な飛行能力を有しています。
なぜアホウドリは着地に失敗してしまうのか?
さて、アホウドリが着地に失敗する理由についてですが、着地に成功している時の映像と比較するのが一番よくわかるかもしれません。
これは、先月のコーネル大学鳥類学研究所のライブカメラによって撮影された着地の映像です。
映像の音声が音割れするような、非常に強い風が吹いているにも関わらず、まるでベテランパイロットが悪天候時に機体を操って着陸するように、うまく姿勢を制御してひなのもとにピンポイントで着地に成功しているのがわかります。
この動画をみると、アホウドリはかなり着地が上手そうにみえますが…失敗したときの動画と比較して一体なにが違うのかお分かりでしょうか?
アホウドリは風が弱いと着地に失敗しやすい
実は、アホウドリは風が弱いときに着陸が失敗しやすいことで知られています。
アホウドリのとても大きな翼は、羽ばたいて飛ぶというよりも翼を広げて滑空して飛ぶことに特化しており、十分に風が強い場合は上の動画のように、まるで空中を静止するような飛行も可能ですが、風が穏やかな時は姿勢の制御や減速が難しく、まれに一番最初に紹介した動画のようなひどい着地をしてしまうことがあります。
そのため離陸、着地ともにアホウドリは風の強いタイミングを好んで飛ぶのだそう。また、急な風向きの変化も離陸や着地に失敗する原因のひとつです。
もし着地の衝撃が大きくなっても、アホウドリはとても柔軟で丈夫な体を持っているため、派手に転んだとしても心配することはありません。上手に着地するよりも、着地に耐えられる体に適応したのかもしれませんね。
コーネル大学鳥類学研究所では、ニュージーランドのタイアロア・ヘッドにいるキタシロアホウドリの映像をライブ配信しており、動画では常にヒナの様子をみることができ、運が良ければ着地する親のアホウドリも見ることができます。
エピネシスでは以前、とんでもなく高度なアクロバット飛行をすることができるトルコのハトについてご紹介しました。
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また、アホウドリとは別ベクトルで可愛らしいオオミミヨタカの記事もあわせてぜひご覧ください!
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Reference
Albatross fails to stick landing -WHY EVOLUTION IS TRUE-
下手すぎ乙乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww