そんな中、ちょっと変わった専門店を発見しました。それは...トーストの専門店!
はい、そうです。食パンを焼いたアレです。トーストの専門店とは、いったいどんな料理を提供するお店なのでしょう?気になったので、さっそく確かめに行って来ました!
お店の名前は「箱根 宮ノ下 FUJIYA HOTEL On the TOAST(フジヤホテル オンザトースト)」。かの有名な老舗ホテル「富士屋ホテル」(神奈川・箱根)が、今年3月、羽田空港の国際線ターミナルビル2F 到着ロビーにオープンしたカフェレストランです。ここでは、富士屋ホテルで長年愛されてきたトーストをベースとしたメニューが提供されているのだとか。
店内は奥行きがあり、天井も高くて広々。壁には、富士屋ホテルの歴史を物語る写真たちや、富士屋ホテルの「花御殿」ルームキーのレプリカが飾られていたりと趣向が尽くされています。
◆富士屋ホテルの特製トーストがおかわり自由
今日1番のお目当ては、店内にある溶岩を使った専用窯で焼き上げたトーストが何枚でもおかわり自由という「The TOAST ~10種類のスプレッドとともに~」!バターやジャムなどのスプレッド10種とコーヒーが付いて、価格は3,000円です。
スプレッドは、箱根の寄木細工で作られた特注ボックスに入れられ提供されます。また、このメニューを注文した人にだけ、テーブルに“赤いクロス”を敷いてくれるという VIP 待遇も!
スプレッドは、ピーナツバター、コムハニー、チョコレート、クリームチーズ、サーモンムース、トロピカルフルーツ、ブルーベリージャム、ストロベリージャム、エシレバター、トリュフバターの10種類。サーモンムースやトリュフバターって、他ではなかなか見かけないですよね!
トーストは、パンの厚さ、焼き具合、ミミあり・なしを自分で選んでカスタマイズすることができます。薄め&浅めの焼き加減で食べるトーストは、とろりと濃厚なジャムやチョコレートなど、味の主張が強めのスプレッドとよく合います。逆に厚め&こんがりと焼かれたトーストは、シンプルにバターやコムハニーを塗って食べるのがオススメ。
筆者のオススメは、厚め&こんがり焼き&ミミあり。表面とミミはサクッと軽快な食感で、中はふわっふわ!噛むごとに、小麦の香ばしさや生地の甘みが感じられます。厚さや焼き加減によって味が全然違うので、ぜひ色々と試してみてくださいね!
10種のスプレッドはどれも甲乙つけがたいくらい美味しかったのですが、中でも特に筆者の心をつかんで離してくれないスプレッドは、次の3つです。
まずは、パイナップル、オレンジ、パッションフルーツが合わされたトロピカルフルーツのスプレッド。マーマレードに近い風味なのですが、ものすごくサッパリとした口当たりと味わいで、止まらなくなる美味しさ。口に入れた瞬間、その爽やかさに驚きます。
続いて、スモークサーモンを使って作られたサーモンムース。ほんのり燻(いぶ)された香りがたまりません!クリームチーズと一緒にパンに塗って食べると、さらに深く濃厚な味わいに。ワインとも合いそうな予感です。
そして最後は、イタリア産の“最高級”白トリュフを使ったトリュフバター。言わずもがな、世界の美食家をも魅了する“最高級”の味わいが楽しめます。口に含むと鼻から抜けていく芳醇な香り。トーストとトリュフってこんなにも合うんですね...!
トーストというキャンバスに、色とりどりのスプレッドを鮮やかに広げて食べる幸せに酔いしれてしまいます。ああ、食べ終わりたくない...!
◆1番人気メニューはトースト×海老のアヒージョ
が、それだけではまだまだ終わりません!同店で1番人気だという「海老ガーリックトースト」(1,600円)も食べてみました。ガーリックとオリーブオイルを合わせたスペイン料理、海老のアヒージョとトーストを組み合わせて誕生したメニューだそうです。
アヒージョが好きな料理長によって考案されたという海老ガーリックトーストは、真ん中に穴の開いた「UFO」という種類のトーストに、たっぷりの海老をのせ、ガーリックソースを合わせたもの。ソースは、オリーブオイルにガーリックとエシャロットを1:3の割合で合わせ、パプリカを加えて仕上げられています。
2~3人でも十分楽しめるサイズとボリューム。ナイフとフォークでさくっと切り取っていただきます。
サクサク感が絶妙なトーストに、ガーリックソースをたっぷりと染み込ませて口に運ぶと、“強すぎない”繊細なにんにくの風味がぱぁっと広がります!
また、海老はぷりっと弾力があって、中はややレアなとろみのある食感。濃厚な旨みと甘みとともに、舌の上でとろけます。こんな贅沢なガーリックトーストは初めて!
◆世にも珍しいツナサンド
普通、ツナサンドと聞くと“ツナ缶”を挟んだサンドイッチを想定しますよね?でも、同店の「ツナサンド」(1,600円)は違います。なんと、肉厚なマグロがそのままサンドされているのです!
ちなみにこのツナサンド、ツナ缶を使ったツナサンドが嫌いな料理長のあくなき探求心によって生み出されたものだそう。にんにくとタイムを合わせて下味を付け、マリネしたマグロを1日寝かせてから表面をさっと焼いて、醤油、砂糖、みりんで風味を付けたものがトーストにサンドされています。
正直に言います。こんなに美味しいツナサンドは生まれて初めて食べました...!舌触りなめらかで、旨みたっぷりのマグロはクッションみたいにふわっと肉厚!ほんのり表面を焼かれているのでお肉のような食感で、醤油の香ばしさもベストマッチです。
別添えのわさびマヨネーズを付けて食べるとまた絶品!ぴりっとした刺激と甘酸っぱいマヨネーズが、マグロの旨みをさらに引き立てます。
ツナサンドとともにプレートに添えられているのは、野菜のマリネとラタトゥイユ。この一皿で、野菜と魚がしっかり摂れるのも嬉しいですね!
◆知る人ぞ知る“裏メニュー”!? バターブレッド
富士屋ホテル On the TOAST には、知る人ぞ知るメニュー「スペシャルバターブレッド」(3センチカット/2枚 500円)があります。カルピスバターをたっぷりと練り込んだパン生地を、10時間以上かけて低温熟成させ、旨みを引き出した贅沢な食パンです。
普通のパンよりもバターが多く使われているので、トーストするとより香ばしく、美味しく食べられるのだとか。というわけで筆者もオーダーしてみました。
かじった瞬間、リッチなバターの香りと旨み、サックサクの食感が畳みかけてきます!めちゃくちゃ美味しい!! これは食パンというより、ブリオッシュやデニッシュのほうが近いかも?ちなみに店頭では、1斤1,500円で持ち帰り用のバターブレッドも販売されています(数量限定)。この味がやみつきになり、リピーターとなる人も多いのだとか!
同店ではほかにも、フレンチトーストや羽田空港限定アップルパイなどのスイーツメニューに加え、ソフトドリンクやアルコールメニューも充実しています。ワインに詳しいスタッフがいるため、お料理に合わせたワインのオススメもしてくれるそう。ぜひ気軽に相談してみてくださいね!
羽田空港限定のアップルパイ(右)
不思議なのは、何枚もトーストを食べているのに、全然飽きないということ。それぞれがまったく違うお料理として提供されるので、同じパンを食べているとはとても思えないのです。このクオリティ、富士屋ホテルの本気を感じます。
なお、今回ご紹介したのは16時から提供されているグランドメニュー。朝はモーニングセット、お昼はランチセットとして、トーストメニューが提供されています。
これから国際便の本数も増え、ますます活性化しそうな羽田空港。旅のはじまりや締めくくりには、箱根 宮ノ下 FUJIYA HOTEL On the TOAST で絶品トーストメニューを堪能してはいかがですか?もちろん旅行の予定がなくても、トーストを食べるためだけに羽田空港へ足を運ぶ価値はありますよ!
※本記事内の表記価格はすべて税別