武内P「高垣さんが私への好意を世間に晒しすぎて困る」
楓「はい、改まってどうしたんでしょう?」
武内P「話がある……という切り出し方でおわかりになりませんか?」
楓「いいえ」
武内P「……」
楓「?」
楓「はい、おかげさまで」
武内P「しかし、貴女の行動はアイドルのとる行動ではありません」
楓「どこが……でしょうか?」
武内P「言わなければ……わかってはもらえませんか?」
楓「勿体ぶらずに仰ってください」
武内P「今、貴女の着ているシャツにプリントされているのは、私の顔ですね」
楓「はい、それが何か?」
武内P「……」
楓「このシャツ、とっても着心地がシャッとしてて良いんですよ」
武内P「……そう、ですか」
楓「ふふっ、似合いますか?」
武内P「我ながら怖いです」
楓「? 似合いますか、とお聞きしたんですが……?」
武内P「……」
武内P「少し、似合っています。残念ですが」
楓「そうですが……何か、問題がありますか?」
武内P「男性の顔がプリントされたシャツは――」
楓「――普通、ですよね?」
武内P「!?」
楓「もう一度お聞きしますね」
武内P「……!」
楓「何か、問題がありますか?」
武内P「……」
楓「ふふっ、でしょう?」
武内P「……」
マッテクダサイ!マッテクダサイ!
武内P「!? 今のは……私の声ですか……?」
楓「あ、すみません、電話が」
マッテクダサイ!マッテクダサイ!
武内P「!?」
武内P「それは着信音なのですか!?」
武内P「待ってください! いつ録音したんですか!?」
楓「しーっ、電話の声が聞こえません」
武内P「……すみません」
楓「はい……はい……わかりました、では、失礼します」
武内P「……」
楓「はい、お待たせしました」
武内P「……」
楓「もう、質問ばっかりですね」
武内P「申し訳ありません。ですが、確認しておきたいので」
楓「はい、何でしょう」
武内P「……今の声は、どこで録音したのですか?」
キカク、ケントウチュウデス
武内P「!?」
楓「あ、すみません、LINEなので気にしないでください」
武内P「気になりますよ!」
楓「そんな疲れた顔を……ふふっ、ロックオン♪」
ゼンショシマス
武内P「!? 今、撮りましたね!?」
楓「貴重な顔を撮る時は、緊張しますね」
武内P「シャッター音まで……!?」
楓「あの……何か、まずかったでしょうか?」オロオロ
武内P「とても、まずいです」
楓「まあ、随分な言い草ですね!」プンプン
武内P「……」
楓「知り合いの声を使うのは、おかしな事では無いと思うんです」
武内P「……まあ、それは確かにありますが」
楓「でしょう♪」
武内P「……」
武内P「私が……ですか?」
楓「……」
オーネガイーシーンデレラー♪
武内P「すみません、着信が……と、高垣さんですか」
楓「はい」
武内P「何が……問題なのでしょうか」
楓「その歳にもなって、10代の女の子の歌が着信音はどうなんです?」
武内P「!?」
楓「そんな事、知らない人からしたらわからないですよ」
武内P「それは……確かにそうですが……!」
楓「考えてもみてください」
武内P「……」
楓「貴方のようないい大人が、まだ10代前半の女の子が居るグループのファン」
武内P「……」
楓「はい、着信音を『こいかぜ』に変えてください」
武内P「……はい、わかりました」
楓「よろしい」ムフー
武内P「……」
楓「まだ、何か問題がありますか?」
武内P「……いえ、やはり私の顔がプリントされているシャツは、どう考えても――」
ゼンショシマス
武内P「シャッター音で返事をしないでください! そして撮らないでください!」
楓「ふふっ、本日二枚目ですね♪」
武内P「……」
楓「?」
武内P「他にも、何か私に関する事をしていますか?」
楓「それは、ええと……あまり、大きな声では言えないのですが」
武内P「お願いします。必要なことなので」
楓「その……下着にも、プリントがしてあります」
武内P「っ! し、失礼しました! 女性の下着に関する事を聞くとは……!」
楓「……///」
武内P「……」
武内P「いや、待ってください! そんな所までですか!?」
楓「えっ?」
武内P「プロデューサーとして、私は貴女の行動を看過する事は出来ません」
楓「……」
マッテクダサイ!マッテクダサイ!
武内P「……そのですね、有名人でも無い私の顔や声を用いるのは、その」
楓「……」
マッテクダサイ!マッテクダサイ!
武内P「……話に集中出来ないので、電話に出ていただけますか」
楓「電話に出んわ」
マッテクダサイ!マッテクダサイ!
武内P「いえ、出てください。お願いします」
武内P「わかってくれたのですか!」
楓「ですが――」
武内P「?」
楓「――その話、お受け出来ません」
武内P「……わかった上で、断ると?」
楓「私は、一緒に階段を登っていきたいんです」
楓「ファンの人達と、笑顔で」
武内P「っ!」
武内P「……」
武内P「あの……物凄く良い事を言われたのですが、今、それは関係ありましたか?」
武内P「!? い、いいえ! そんな事はありません!」
楓「けれど……ファンの人は、私のグッズを沢山買ってくださいます」
武内P「そう……ですね」
楓「私の写真がプリントされたグッズや、着信音、着ボイスも」
武内P「……はい」
楓「これは……ファンの人と一緒に階段を上るという事では無いのでしょうか?」
武内P「はい……その通りだと思います」
楓「身近なファンの人のグッズを使っていたい」
楓「……そう、思っただけなんです」
武内P「……高垣さん、ですが」
楓「本当はわかってたんです。こうしたら、貴方を困らせてしまう、って」
武内P「……」
楓「けれど、どうしても不安になります」
楓「……貴方が私のファンなのか、が」
武内P「……」
楓「……」
武内P「確かに、私にも至らない点がありました。それは認めます」
キカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデス
武内P「ですが、やはりアイドルである貴女が私のグッズを使用するのは認められません」
キカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデス
武内P「今の貴女はトップアイドルで、私はプロデューサーですから」
キカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデス
武内P「あの、一回携帯を切ってもらっていいですか?」
キカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデス
武内P「というか、スタンプ爆撃を受けてませんか!?」
楓「……」
ゼンショシマス
武内P「携帯の電源を落としてください、今すぐに」
武内P「……しかし、ただ禁止するだけでは、貴女は笑顔になれない……のですよね」
楓「……」コクリ
武内P「その、これは代案として認めてもらえるかわからないのですが……」
楓「……」
武内P「私が、貴女のグッズを使用する、というのではいけませんか?」
楓「……もう一声」
武内P「……」
武内P「……全く、貴女は本当に仕方ない人ですね」
楓「うふふっ♪」
美城専務「やはり、君は優秀だな」
武内P「いえ、そんな事はありません。当然の事をしたまでです」
オチョコデ、チョコット♪
専務「問題になっていた、高垣楓の件は解決したと言って良いだろう」
武内P「はい。私も、彼女のファンの一人として安心しました」
デンワニデンワ♪デンワニデンワ♪デンワニデンワ♪
専務「……だが、新たな問題が生まれた。今も、その最中に居る」
武内P「っ!? 一体、今度は何が……!?」
専務「君が、高垣楓への好意を世間に晒しすぎて困る」
おわり
元スレ
武内P「起きたらひどい事になっていました」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510316855/
武内P「起きたらひどい事になっていました」
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