レスター伯の限界

気付いたらVtuberになってた

ただのラジオのアニメ化じゃない ―『洲崎西』アニメ化によせて―

 5月24日の『ざきにし春の豚まつり~Majiで絶頂5秒前~』に行ってきたんですよ。今回も腹の底から笑ったんですよ。あっちゃんもぺっちゃんもいつも通り面白かったし、まいちんの結婚もめでたいし、ボロボロだった体にすごいエネルギーをくれたわけですよ。

 買ったばっかりのApple Watchのアクティビティを見たら、座ってるだけのイベントなのに興奮してカロリー消化してるし、エクササイズとしても認定されてたんですよ。つまり面白いだけじゃなくて、ライブでもないのにダイエットも出来るわけですよ。「なんだよ、ただの最高かよ!」って感じなんですよ...

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 いつものロケ地決めダーツが終わって、二人がはけて、今回のイベントはちょっと早く終わったな... って思ってるところに、あのPVが流れたわけですよ。

 

 めっちゃ動いてるわけですよ。くっそ可愛いわけですよ。テニスしてるわけですよ、あのぺの変態エピソードでおなじみのテニスですよ。あっちゃんもアホみたいに笑ってるわけですよ。(西゚∀゚)アハハハハ八八ノヽノヽノヽノ\/\じゃなくて、アニメーションでわろとるわけですよ。

 それで最後にタイトルロゴがどーん!したらですよ、『洲崎西 THE ANIMATION』ですよ。しかもOVAじゃなくて、地上派3局ネットですよ。正直、バカじゃねえのですよ。

 

 でもね、そこで冷静に考えた訳ですよ。これは色んな意味でただのラジオのアニメ化じゃねえなと。よく考えたら、最終的には安心したんですよ。

 多分この感覚はずっとイベント来てたら分るんですけど、来たことない人には今の段階では伝わらないだろうなあと思って。3日たっちゃったけど、100回放送聞いてたらもう書くしかねえなと思って。勢いだけで、記事の構成とか何も考えずに書いてる訳ですよ。

 最後まで文章はこのノリでメチャクチャだから、どうでもいいやって人は7月のアニメを楽しみにしてくれればいいです。

 でも、僕がこの2年間ずっと洲崎西を体験してきた結果、このアニメ化は大丈夫だと感じたのを書き残しておきたいと思ったから書くんです。同人誌作ってちゃんと形にする元気も余力もないけど、それでもなんらかの記録に残しておきたい。つまりただ単に書きたいから書きます。

 

 

 今回の洲崎西のアニメ化を考えようとすると、そもそも洲崎西という番組が始まる前に溯る必要があると思います。つまり、植木さんがラジオ関西から独立してシーサイドを立ち上げた所から考えるのがいいだろうというわけです。

 豚まつり終わった後にも、「あの『墓参り植木』がここまで来たか」という感想を古参のラジオ勢と話してたのですが、元々植木さんはラジオ関西で『集まれ昌鹿野編集部』や『おどろき戦隊モモノキファイブ』など、ネットラジオという新たな影響も踏まえつつ、ぶっ飛んだ自由で楽しいラジオのPをやっていた人です。

 そんな植木さんがラジ関をやめて、自分の会社として作ったのがシーサイドコミュニケーションズであり、多分、ラジオ局所属のままでは出来ないことをやるために作った会社な訳ですよ。この前提は非常に重要です。

 

 シーサイドとして独立して以降、植木さんは『ごぶごぶちゃん☆』や『井上麻里奈・下田麻美のIT革命!』などのラジオ番組を手がける一方で、『ら☆ら☆ら☆なかむランド~Love♡Laght☆Live♪~』のような単独イベント(及び物販活動)を積極的に打っていきました。要するに、中村繪里子の山賊活動の土台にはシーサイドがあるわけですよ。

 多分実際にイベントにいかずに、ラジオやその他の活動を見てるだけだとなかなか伝わらない部分だと思うのですが、シーサイド関連のイベントにいくと、コンテンツや声優の人気や流れに乗っかかってイベントやってるんじゃなくて、きちんと土台を自分たちで組んだ上で流れを作ろうとしてるのが伝わってくるんですよね。演者のサイドもそれは多分感じていて、だから、シーサイドのイベントは楽しいだけじゃなくて、すごく暖かい気持ちになれます。

 

 そんなシーサイドの活動の流れの中で一際重要なのが、多分2013年末に開催された第一回のSEASIDE LIVEFES2013だったんだと思います。シーサイドを代表する番組の出演者が、ライブで歌を歌う。トークのおまけに歌うんじゃなくて、歌のおまけにトークする(客がどっちが目当てかはともかくとして)。

 シーサイドの番組は別にタイアップではないんですよ。番組も歌をフューチャーしてるわけではないんですよ。だから、実はライブフェスやってる時点でおかしいんです。アニメ化以前に、この時点で冒険なんです。

 それでも、BLAZEで行われた2013の時点で、ちゃんとライブフェスしてたんですよ。生バンドを背景に、ちゃんとみんなライブで楽しませてくれました。もちろん、トークもクソ面白かったけど、歌もダンスもちゃんと印象に残ってます。

 後現地で驚いたのは、どう考えてもパッケージ発売する気満々の映像セットがあったこと。実際に後にBDが発売されましたが、別にそこまでやる必要があったのかと。でも、あの時点で、植木さんの頭の中には画が見えてたんだなと今になって思います。

SEASIDE LIVE FES 2013 [Blu-ray]

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 こんなライブフェスを成功させて、しかもきっちり物販を売ったことで一つの転換点となった2013のフェスですが、このフェスこそが洲崎西の最初のイベントだったわけです。

 チケット申し込み券が付いた洲崎西DJCD第一弾が発売された2013年10月時点、洲崎西は徐々にその存在を認知され、ちょっとこれは普通じゃないラジオが始まったぞという雰囲気はでてきていましたが、それでもまだ一般層まで爆発してなかった。実際に2013のライブフェス参戦組は分ると思いますが、本人達が舞台上で自虐したように、洲崎西当てのフラワースタンドはなかったし、「トートバックも売れ残ってるので終わったら買ってね」(ステージ終わった後完売しましたが)とアピールする段階だったわけです。

 つまり、自分も含めて熱心なリスナーであれば洲崎西は抜群に面白いと思っていたけど、それが今ほどの勢いになるかはまだ確信できてなかった、それが2013のライブフェスの段階だと思うのです。でも、2013のライブフェスの二人はダンスも歌もくっそ可愛かったし、初イベントなのに全方向にdisってたし、先輩達を前にしてもひるまないし(中村繪里子の胸ネタでいじる二人とか)。

 あのフェスでの二人を見て、「これは物が違う」と確信した人は多かったんじゃないかなと。生で「じょじょじょ!」コールをして、これはどこまでもついて行こうと思ったんじゃないかなと。

 

 で、そのライブフェスの最後の植木さんの挨拶で、「来年以降もシーサイドは攻めていくので、付いてきてください」的な事をいってたんですね。その時には、単に「これからも応援するぞ、イベントよろしく」くらいの感覚だったんですけど、今回の豚まつりで発売されたパンフレットのスタッフ座談会をみると植木さんはこの段階で本当にでかいことを想定してたんだと再確認したわけです。

 座談会で植木さんはシーサイドフェスありきで、そこの出演者という想定から洲崎西は始まったといってましたが、シーサイドとして面白い事、よりでかいことをやりたいという構想が先にあって、洲崎西はそこにはまったというのが真相なわけです。つまり、洲崎西は宝くじだったと。

 

 だけど、洲崎西という宝くじが当たりくじになるためには、そのための舞台を用意しておかないといけなかったわけで、シーサイドの土台があってこその爆発だったんだと思うわけですよ。洲崎西の新しさは割と突然変異だと思いますが、その変異種を育てるには普通の環境では難しいわけで、シーサイドだからこそ洲崎西がここまで来たってのはあるわけですよ。

 しかも、植木さんは当たりくじをそのまま放置しなかった。きちんと追加投資をした訳です。2014夏の日消ホールの段階で人気は爆発してキャパが足りなくなっていたので、冬にはサンプラザを(幸運もあって)用意してるし、2014のライブフェスでは明らかに洲崎西を核に据えて構成もしてた。

 座談会では「何でもやるっていったよね」って言質をとったとも書いてありましたが、「何でもやらせて」面白くするための準備と仕掛けをしっかりしていたからこそ今があるわけですよ。 

 

 こういうシーサイドの活動ってのは、イベントに来ると強く感じられます。そういう暖かみのあるイベント運営がきっちりできてるんですよ。だからこそ、イベントのたびに緑のサイリウムを振る植木推しがいるわけです。別にいじりたいだけじゃなくて、イベントにいくとみんな演者だけじゃなくて、植木さんの事が好きになるんですよ。

 もちろん、他のスタッフの愛情も素晴らしいと思います。今回の座談会で面白かったのは、作家のふかわが一番ビジネスライクだけど、入り口のところでざきにしの二人に付き合ってメールをしっかり選んで準備をする。一方で編集のみなもってぃが一番の二人のファンで、出口のところで二人のトークの一番いいところを愛をもって形にする。

 コンテンツを作る時って愛があふれすぎるとおかしくなっちゃうことって多々あるし、逆に愛が全くなければそれはそれでバレちゃう。ざきにしの場合には、スタッフの番組に対する愛が、すごく絶妙のバランスで保たれてるし、それをうまくコントロールしてるのがシーサイドっていう会社の妙だと改めて感じたわけです。

 

 ここまでの話を踏まえた上で、今回の洲崎西のアニメ化を考えるとですね、文字通り、「ただのラジオのアニメ化じゃない」って意味が伝わるんじゃないかなと思うんですよ。「ラジオのアニメ化」自体が誰もが思いつきそうでなかったっていう意味もありますが、単に「面白いラジオ番組だからアニメにしちゃえ」ってのではないことは明白です。

 シーサイドコミュニケーションズという会社がこれまで積み上げてきた物を土台にして、『洲崎西』という化け物コンテンツがでてきた。特にタイアップもないラジオの公録で中野サンプラザ昼夜埋めた上で、争奪戦に普通に負けるリスナーが出る番組になった。

 そんな状況で次のステップに行くための選択肢の一つとして、アニメ化が出てきたと考えるとそこまでおかしくないんじゃないかと。だからこそ、OVAでも特典でもなく、5分アニメとはいえ地上派なんですよ。

 

 だって、2000人×2のイベントが普通に埋まって、グッズもかなり売り上げがある。ラジオ聞いてるリスナー数も多分頭一つ抜けてる。正直に言えば、普通にグッズとしてOVA売っても採算とれるんじゃないかと思いますよ。

 だけど、二人の出身地も含めて、地上波でアニメとして流す。これはリスクあるし、何よりかかる手間が全然違う。それでも、洲崎西というコンテンツをもっともっと大きくしたい。面白い事をしたい。

 そういう想いが詰まってできあがってくるのが7月から放送される『洲崎西 THE ANIMATION』なんじゃないかと、僕は思うわけです。

 

 楽しいことを、面白い事をしてくれる人たちには最大限のリスペクトを向けたい。それは僕の根本的なスタンスです。ブログも同人誌も余裕がなくて止まっちゃってましたけど、どうしても書きたくなったんですよ。

 洲崎西の二人、スタッフのみなさん、植木さん、本当にありがとう。アニメ、そして大宮ソニック(実は当日誕生日)楽しみにしてます。