web制作に需要があるような錯覚を起こす理由
見入ってしまった。面白い内容なのでweb制作にかかわる人は一度はみておくといいかもしれない。実感としては需要は相変わらず多い。ので、仕事自体は無くならない。
さっき「新規の受注は減った」って書いたじゃないか!っていう感じなんだけど、「なんとなくサイト作りましょ!」とか「キャンペーンサイト作りましょ!」とかなんかそういうお気楽な感じな案件が減った感じで、「あー、このサイト確かに直さないとやばいよね」っていう必然性のある仕事は相変わらずある。
でもって、個人的に感じた事が
需要があるというのは、実は錯覚だと思う。
というか、そろそろこういう錯覚を起こしている人たちが目を覚ます時がきてるんじゃないかって思うのです。
需要があるように感じているのは一部の人達の戦略が成功したから
ひとまず、web制作というものがインターネットを使った特別な仕事、という風に思われた5年前。
現在は、各企業が『そろそろweb展開も考えていかないとまずいかな?』なんていう時代まで来たのはたしかだと思う。
しかし、それが需要が高いという事に結びつくかと言えばちょっと違うと思うのです。
『中間の人』っていうキーワードが随所にでてくるわけですが、要するにその中間の人って言うのは、『web制作の仕事を取ってくる人』って事なんだけど、ここに対する評価がズレているように見える。Web制作の需要はある。しかし、人が余るという不思議な状況
提案書は僕が書いたパワーポイントをスライドマスター自社のにを変えて提出。もちろん、コーディングするのは弊社。見積もりも弊社が出したのを上の会社が倍掛けとかして出すだけ。倍掛けしても、ちゃんとディレクションとか、あれこれフォローをやってくれるなら良いんだけど (実際、そういう会社・・・というかもう担当者レベルだ・・・もあるし、そういうところとの仕事はすごく楽で嬉しい。)、ほとんどはしない。あまつさえ、文句を言うだけになって、こちらのモチベーションを著しく下げてくれるだけのところもある。
提案書を書いて、クライアントを納得させるのが中間の仕事じゃないの?それやらないってなんなの?
って考えると、「あれ?仕事が無くなるって言ってるのってもしかして、その中間の人たちなんじゃね?」って思う。そして、いままで供給されてきたのって、その中間の人たちなの?って。
いや、クライアントに方向性を決めさせて、自分みたいな末端制作者にきちんと指示を出してくれる優秀な中間の人たちは生き残るだろう。
特に、コーディング、システムを直接生み出す現場からしてみれば
『そんな事まで押し付けるなよ』
『おいおい無茶いうなよ!』
『適当な事客に伝えてくるなよ!!』
『打ち合わせくらいそっちでやれよ!!!』
『途中でプランかえんな!というか最初にきちっと決めてこいや!』
こんな思いが生まれやすい。
これは『どの業界でも日常的起こっている問題』でもある。
営業と現場と言うのは、昔から犬猿の仲なんだよね。
逆に仕事を取ってくる人から見れば
『それくらいやれよ』
『とってきたんだから言うこと聞けよ』
『それくらいやらないと、受注なんてできないんだ』
こういう要望が現場に対して持ったりする人が多い。
重要なのは、仕事を取ってきて、要望通り作って納品してお金をもらうもちろん、コーディングするのは弊社。見積もりも弊社が出したのを上の会社が倍掛けとかして出すだけ。倍掛けしても、ちゃんとディレクションとか、あれこれフォローをやってくれるなら良いんだけど
って言うことなんだけど

もうひとつ、webサイトから仕事を引っ張るweb屋さんにしてもそうだけど、その引っ張るためのサイト制作に、1人で1ヶ月掛かったとしたら、その1か月分の人件費は、先行投資となり、スタートから赤字を背負ってやっているという事になるため、やはりその分も加味した請求になってくる。
しかし、現場がなんと言おうと、仕事を取ってくる人がいないと、需要もクソもない上に、その需要があるように見せかけているのは、『なんにもして無いように見える中間の人』なんだよね。
web展開が必要なのかと思う企業が増えた背景
これまでの10年間を振り返って見ると、第一に『制作コスト』が格段に安くなったという理由がありますが、それよりも、多くの企業がweb展開していると言う事実が、ひとつの需要につながっています。
しかし、実際はたいしてwebサイトを必要としていない企業の、web制作をした事があるはずです。相手の担当者と直接話す事があれば、ものすごくやる気の無い担当者に当たった事はないですか?
『いやぁなんかみんな作ってるからとにかく目立つ奴作ってよ』的な。
そういう企業に限ってライバル会社のwebサイトをまねしたいわけですけど。
これって要するに『みんな作ってるから』という雰囲気を、作り上げた人がいるからだと思う。
中間の人達っていうのは、仕事を取るためにどうしたらいいかという事を考えている。
現場の人達っていうのは、お客に喜んでもらえるためにどうしたらいいかという事を考えてる。
そんな違いがあります。
だから中間の人達って言うのは、全くwebを必要としてない企業にもアタックしてののしられようとも、日々仕事を取るために頭を使い続けて、その全くwebに興味の無いところからも仕事をもって来る。
その結果、ようやく2006年頃から、webサイト制作の仕事が回るようになってきた。
しかし、同時に現場側からしてみれば、需要があるという錯覚を起こしやすくなったといえる。
そもそも需要と言うものが本当に存在するのであれば、『webサイト作ります』というホームページを立てて、中間の人達の会社よりも安くすれば、間違いなく仕事がはいり、やる気のあるwebデザイナーのところに回ってくるわけだけど、実際はそんなうまく成功しているところはほとんど無い。
あくまでも仕事を取る人がいると言う、大前提に対して、実際多くのお金が流れていく。
これはどの業界でも超えられない壁でもあるし、そういうのが嫌で、その仕事を取るところから仕事をしたいという人は、確実にフリーランスになるわけです。
また、そういう中間業者というのも多数ありますが、『組織』という営業ツールをうまく活用しているから仕事が取れるとも言える。社会的信用は、組織の大きさにも比例している。
web制作代が、いくらやすい安いからといっても、一人のwebデザイナーに仕事を投げるのと、複数のwebデザイナーを組織している中間の人に頼むのでは、安心感も違うし、何かあったときの対応も変わってくるわけですから。
現場側の思考を変えると世界がかわるかもしれない
仕事が決まった後の顧客と直接話をするweb屋は、なんでも自分でできる気になってしまう。
わたしもそんな経験がある。
一番大変なのは、新規顧客開拓だと言うのは忘れてはいけない。
技術屋というのは、とにかく『いい仕事』を顧客に見せる事で、次の仕事が入りやすいという特性がある。だから腕がよければ口コミで仕事を紹介してくれる人も多い。
特に、1人、2人で制作するwebサイトに関して言えば、名指しで指名されることもあるし、あの人のデザインがいい、というデザイナーとしての楽しみも持ち合わせている。
しかし、例えばだけど、そこらへんの企業にその何でもできるweb屋が突然訪問して、web制作を突然プレゼンするという営業をしかけられる人は少ない。
だから、結局その中間の人みたいに営業できる人間がいないとダメなのか?という事が言いたいわけではない。
なぜなら、今、需要は落ち気味であり、不況とかさなり、『対費用効果』が強く求められる時代だからです。
中間マージンを抜くだけの企業と言うのは、『費用がかかりすぎる』という結果になるので、こんな時代だからこそサービス供給側の努力が必要不可欠となり、中間業者を省いて仕事をもらうチャンスとも言える。
これからweb制作していきたいと思う人は
確かにweb制作募集を掛ければ人が多数来る。
これは事実だと思う。
プログラマ募集になると激減するけど。
雇用してもいいかなと思える人は本当に少ない。
みななぜかweb制作がかっこいい仕事に思っているのか、楽に考えているのかわからないけど、『何一つアピールポイントが見当たらない』
つまり、自分のプレゼンができる人間がいないということ。
で、この募集で集まる人達って言うのは、一人一人が、『サービス供給者』であり、その自覚が一切ない人が多い。
サービス供給者の努力って言うのは企業に入る前から始めなきゃいけない。
自分のプレゼンができない人間でも、web制作を頼めば粛々とやってくれる人はものすごく多いというのはわかります。
しかし、こんな時代だからこそ、育ててもらわないとわからないという甘い考えは捨てたほうがいい。
よいwebディレクターに出会えば、そりゃ育ちやすく、間違った方向に進みにくいかもしれない。
けどそんなチャンスが、この景気の悪さで無くなったと思ったほうがいいと思う。
もしもweb制作をしたいと考える人がいるなら、web上で今すぐアクセス数が1以上のサイトを作るべきであり、せめて自分自身のプレゼンを作るべきだと思う。それは、面接や企業に就職する為の物ではなくて、多くの企業に対してのアピールとなる。
事実、その中間マージンを採取する『単価の高い』企業に発注できずにいる企業もあるし、こんな時代だからこそ、費用効果が得られるのであれば、web制作にもしがみつきたいという企業もある。
web屋はweb屋らしく、営業でクタクタにならずとも、web屋らしい仕掛けを作り、それをもっと活用して展開する道はまだまだ残っている。
web制作の需要を、中間の人に任せる企業は減り、今度は末端である現場が、需要を作っていかなければならない時代ではないかと思う。
そしてそのために必要なのは、webディレクターではない。
webディレクターは、結果を作るためのノウハウを持っている人。また、仕事を円滑にし、ひとつの費用の中で行うwebプロジェクトをスムーズに進め、効率よく費用を回す人。
しかし、需要そのものを作っていく人ではない。
最終的に必要なのは、現場の人間の意識改革だと思う。
技術者自身が、技術を売り込むプレゼンの姿勢。
技術者自身が、結果を求める姿勢。
企業にしたって、そんな人材がほしい。
中間の人らが需要が減ってきたと愚痴っている。
そんな中間の人達がもっとも安易に考える需要向上対策が価格。
このまま中間の人に任せっきりだと、webの単価はどんどん下がっていく。
技術に見合う技術料が発生しないと言うのは、実に悲しいことだと思います。
・・・
・・・という記事を書こうと思ったけど、読み直したらなんだか論点がズレている気がしたのでやめておきます。
それでは、また。