Webサービスをリリースする前に確認しておきたい5つの問題点
2012年10月17日 公開

多くのWebサービスが立ち上がり、そして消えていったこの5年。
それでもまだまだ斬新で面白く、無料、もしくは低価格ではじめることができるサービスが多数あります。
そんなわけで今回は、Webサービス立ち上げ時のユーザビリティの報告をまとめたいと思います。
問題1)SNS連動には理由が無い
実にこの5年間で、FacebookIDがあれば開始できる、TwitterIDがあれば開始できるというWebサービスは膨大に増えました。
しかしその影にかくれ、ユーザーが抱く不信感が増えています。
その一つとして
勝手に拡散されるのがヤダというもの。
実に明確な理由の一つですが、FacebookIDを利用するサービスに多いです。
要するに、ログインしただけで自分のFacebookフィードに「○○がこのサービスを開始しました」と勝手に流されるのが嫌なわけです。
また、なにかする度に勝手にフィードを汚される事もありました。酷いものだとスパム的に他人に対して迷惑をかけるものまであります。
対策
わりと簡単な対策ですが「ログインするだけで通知することはありません」と言った一文があるだけで、ユーザーが最初に、気軽にはじめるアシストを行います。また、その他の細かい通知についても、予めリンクを用意しておくことで、安心感を与えることが出来ました。
特に人気ブロガーさんに、情報のリークを行い、使って欲しいという趣旨のメールを送った場合、この点については向こうから聞かれます。記事をほやほやのものとして届けたいのに、勝手にユーザー登録しただけでFacebookに通知されてしまうと、その時点で記事の価値が半減するためです。
Facebook初心者は地味にまだ増え続けているため、割合的には変わらりません。初心者をターゲットにした場合には、対して必要のない対策です。しかし、警戒している古参ユーザーであればあるほど「拡散力」が強い傾向にありますので、これを利用しない手はありません。
問題2)なにをするべきか想像できない

どんなサービスであるか、というのはそのWebサービスによって様々ですが、結局のところ、自由度が高すぎてどうしていいのかわからないという被験者が多数いました。
この現象には理由があります。
例えば「なんでも気軽に宣伝出来るWebサービス」の場合、なんでもいいという言葉に引っかかります。
被験者の多くは、多数の選択肢を目の前にすると、「なにもしない」という選択肢が一番強くなる傾向にありました。
つまり、どんな宣伝をしてもいいのですが、なにをしようかアイデアすら考えず、「なにもしない」という考えにいたるのです。
対策
道を示しましょう。
この場合幾つかのケースを紹介することが最も手軽に解決できます。
自分のネットショップの宣伝をするとこんなイメージです。
自分のアイデアを宣伝するとこんなイメージでつくります。
このようにひと通り、特にターゲットとしている年齢層、性別にあわせてケースを用意して見せることで、ユーザーはそこから想像し、ワクワクして、サービスを始めてみようという気が起きてきます。
問題3)トップを簡潔にしすぎる
簡単な操作で開始することが出来るというのはとても良いスタンスです。
Twitter、Facebookなどをみるとわかるように、トップページに余計な情報はいりません。
しかし、あまりにも簡潔化してしまうと、そのサービスの面白さを伝えきる事ができずに終わってしまいます。既に有名なサービスと、全く無名のサービスでは、トップページにおけるメッセージの重要性がまるで違うわけです。
被験者にとって、最近のWebサービスのトップページでは、実際に自分にとってどんな得が得られるのかがわからないという解答が多くよせられました。
対策
最も手軽で、また、スペースを圧迫しない方法としての解決策がありました。
それは「動画」です。
なかでも、音声が重視され、聞いて見るという行為は、ユーザーが別のことを考える隙を与えない為、より効果的な結果となりました。また、同時にとったアンケートでは、女性と男性のナビゲーターはどちらが良いかという解答に対しては、女性が56%、男性が34%、どちらでも良いが10%でした。
問題4)雰囲気やイメージの伝達スピードが遅い
よりシンプルが求められるWebサービスのトップページですが、その為に画像やテキストを詰め込みすぎてもつたわりません。その雰囲気は、瞬時に伝えることが出来るのが最も好ましいです。
対策
ここで、テキストや絵によって訴えかけるよりも遥かに効果的な力を見せたのがフォントです。

例えば8×8ドットの「美咲フォント」は、一昔前のファミコンテキストを彷彿させるフォントです。
これを利用することで、瞬時にこれは懐かしいゲームの匂いがするなと感じるユーザーが多くいました。
ドット絵作成メーカー等、テキストでどんなことが出来るか説明するよりも、こうしたフォントをバランスよく配合するだけで、そのサイトの役目を瞬時に伝えることができます。
同じように昔なつかしい演出として以下の様なフォント。

フタバカタカナフォントでは、昔懐かしいレトロな時代を思い起こさせるには十分な力を発揮します。
ターゲットがハッキリ見えていれば、瞬時に伝わるその力を使わない手はありません。
このようにフォントの持つ力は、ペラサイトや、バナー広告、Webサービスなど、幅広い分野で使い分ける事ができ、便利というわけです。
問題5)拡散されやすさを作ってない

最近では、Twitterの拡散ボタン、Facebookのいいねボタン、Facebookページという受け皿の用意をしておけばおっけーですという風潮がある。
確かに無いよりあった方がいいに決まっている。
しかし、拡散してもらえるかどうかは、ボタンがついているかどうかは本当にどうでもいい誤差でしか無い。
対策
本当に求められるのは、拡散のしやすさです。
拡散されやすい情報とは、いい意味で「バカ」である必要があります。それは人の感情を揺さぶり、そして拡散へ導きます。
Webサービスの説明の一部で構いませんのでネタを仕込みましょう。そのネタがあるだけで、人はそのサービスがなんであれ、拡散せずにはいられなくなる生き物です。サプライズ精神を忘れずに。
最も危険なものが「怒り」です。これは単に炎上に繋がるため、手を出すと危険です。
「楽しい」「面白い」「いままでにない」「かわいい」「無駄にかっこいい」「無駄にださい」等、ネタをみた人が、いずれかの感情を揺さぶられた時は、何も考えずに拡散してくれます。
以上、Webサービスをリリースする前に確認しておきたい項目でした。
なにかの参考になればと思います。
それでは、また。