脳外科医 竹田くん

あり得ない脳神経外科医 竹田くんの物語

掲載漫画の内容まとめ

<第一部の古荒先生のセリフを改変した理由・作者の余談など>

こちらに書いております

 

※説明文を入れる事のできないpixivでの公開は中止しました。漫画としては読みにくい形式(ブログ)ですいません。

 

 当ブログで連載している漫画の概要は以下のまとめ画像をご覧ください。 

市民病院

<<物語の概要>>

<<第一部>> 医療事故篇 1話~55話

 竹田くんという稀有の脳外科医が来て以降、脳外科患者に手術後、後遺症が次々に発生する。ついには臨床工学技士が「殺人行為に加担したくない」とボイコットを起こす。その後、脳外科の暴走はますます加速して行く。

 

<<第二部>> 野望篇 56話~106話

 竹田くんは医療事故について古荒先生に全責任があるという内容の虚偽報告書を作成した。病院上層部も虚偽と知りながらそれを正式文書とした。

 文書上で自分に責任が無い事を証明できたと思った竹田くんは、執刀解禁されない事にいら立ちをつのらせる。外科医としてのプライドがズタズタになったドン底の心境の中、竹田くんは起死回生の秘策を練る。その秘策は、医療事故の内容以上にありえないものだった。

 

<<第三部>> 隠蔽工作篇 107話~142話

 竹田くんのやらかした数々の医療事故がついに全国報道される。

 市民病院は外来患者が激減し窮地に陥る。病院が取り得る策は竹田くんが起こした医療事故の規模をただひたすらに小さく見せる事だった。

 ところが、脳神経外科学会から前触れもなく、ある通知が届く。その通知の内容は、市民病院に対する死刑宣告にも等しいものだった・・・

 

<<第四部>> --篇 143話~ 

 内容・製作時期ともに未定 

 

【第142話】霧

【第142話】霧
『隠蔽工作篇』はこれで完了になります。

(続編の製作時期は未定です。)

【第141話】学会とのトップ会談

新体制になって、市民病院の秘密主義は改善されたのだろうか?


新体制の院長は、学会トップとの面会アポが取れない事に苦悩していた。
このままでは医師の派遣に影響が出る可能性がある。
一方、学会の側から見れば、市民病院の検証資料を見て、この病院にどう対応すれば良いと考えたのだろう?
すでに認定再開の条件は通達済である。


市長と学会とのトップ会談が実現したが、認定再開の目途は立っていない。

【第140話】認定停止の背景③

医療事故を誠実に検証する事で再発防止に寄与する。過失の有無が検証されれば被害者は救済される。

闇に葬ればそれは医療に対する冒とくである。


女性市議「認定停止は非常に重大な事件」女性市議による医療事故の追及がはじまるのか?
だが、質問内容は追及ではなかった。議会では学会と市長のトップ会談に希望が託された。
地元メディアが報じる数々の疑惑には誰も触れず。


疑惑を追及しない事に一丸となり、赤池の闇を闇のままにしておけば、命の砦を守れるのだろうか?

 

<<お知らせ>>
次の更新は土曜日になります。

【第139話】認定停止の背景②

竹田くんが在籍していた頃、竹田くんが書いた事故報告書は、手術失敗の責任を科長になすりつける内容のため、院長に対して「手術禁止はパワハラだ」と主張する切り札となった。
しかし、竹田くんが去った後は、病院がこの報告書を活用する事となった。

 

だが学会は脳外科手術のプロであり、そんな幼稚な内容の報告書の虚偽性を見抜けないわけがないのだ。学会はそんな報告書では納得せず、次々に追加の資料を要求した。学会に資料を提出するたびに市民病院の杜撰さが学会にバレていった。学会が求めるレベルの検証資料を提出するには、再検証が必須だった。市長も議会で「外部委員会による医療事故などの検証を行い信頼回復に努めます。」と宣言した。

 

しかし、まもなく外部委員会による『事故の検証』は『対応の検証』に置き換わった。記者会見でも学会の認識する事実と違う内容の説明が堂々と行われた。その結果、現地調査するまでもなく医療安全面の懸念を理由に認定停止された。女性市議は「認定停止は重大な事件だと思います。」と追及を始めた!

【第138話】認定停止の背景①

認定停止の1カ月後、市議会にて認定停止についての質問が為された。
病院の管理者「資料を慎重に用意していたら提出が遅くなった。それで心象を害したという認識はありません。」

 

認定停止の半年前、院長と看護師が病院の窮地を救おうと苦戦していた。脳外科医でもない一人の看護師が、病院発表の根拠となる検証資料作成に挑んだ。だがそもそも、竹田くんのカルテはスカスカすぎるので・・・現場スタッフへの聞き取り無しにマトモな検証資料の作成は不可能なのだ。

 

かくして、医療の安全の守り手である医療安全が、竹田くんの虚偽報告書を学会に提出する事となった。
それを読んだ外部の脳外科医は、科長に責任をなすりつける内容に驚愕した。

【第137話】学会による認定停止

地元A社は記者会見の矛盾点を追求し続けた。だが多くの人が、誤差はあったとしても記者会見で問題が決着したと思っていた。(誰だって、記者会見で世間に向けて発表された事が間違っていると思わないし、自らが発表した方針を市や市民病院が実行しないなんて思わないからだ。)新体制の求心力は高まった。

 

だが、突然、学会より認定停止が告げられた。医療事故そのものよりも事故後の医療安全の対応が問題視された結果だ。それは異例の厳しい措置だった。

 

<<ご連絡 >> 

次の更新は土曜日になります。

 

【第136話】医療者からのSOS

記者会見で、病院は貝山さんの執刀医が誰かわからないという立場を示した。だがそもそも、医療安全は執刀医が竹田くんである事を把握していた。
だから科長に裏報告書を提出させたのだ。(学会ももちろんその事を把握している。)


「とんでもない医師が来た」との噂が看護師の間で流れていた件を地元B社が聞くと「噂は知っていたが正確に把握できていなかった。」と回答。
だが、副院長 兼 医療安全室長が、竹田くんの手術を止めに入っている時点で、それは噂レベルではなく上層部が直接知っていた話である。
オペ看からも技師からも看護師からもSOSの声は上がっていた。


だが、記者会見では下からの報告が無かったため適切に対応できなかったとの論理が多用された。
そうした会見の内容に、本来であれば、院内で(医療者からの)反発が起きても不思議では無かったのだ。

【第135話】患者への説明責任

記者会見で、副院長は「医療事故に遭った患者へ説明したと思う」と回答した。
会見後に地元A社が取材を進めると、病院から何ら連絡がなく、会見後に自ら病院に電話する事で家族が医療事故の患者と判明した人がいる事がわかった。
改めて病院に問うと、「手術後に(執刀医らが)症状の説明は行った。病院から医療事故の件で連絡する事は無い」との回答。

そうであるなら、貝山さんは医療事故に遭った事実をどうやって知り得るのだろう?


会見ではその他にもいくつか方針が発表された。大半の市民はそれが実行されると疑わなかった。だが、何ら実行されなくても市民の信頼を取り戻せるのが記者会見の効果だろう。


院内の多くの人々は外部から批判される事に慣れていない。つねに賞賛される地位にあったからだ。院内では苛立ちが渦巻いていた。

【第134話】2度目の全国報道

記者会見の翌日、半年間で2度目の全国報道が流れた。
竹田くんの全執刀件数が公表されなかった事で、記事を読んだ読者に誤解が生じてしまった。
再びSNSはプチ炎上し「100%失敗する医師」との誤解が広がった。
市民病院の医療事故は、竹田くんにとって『逃れられない業』のようだった。

 

※「書類上はすべて科長の責任なんだ!」・・・竹田くんの世界観の中では自分に内緒で科長が書いた裏報告書を認めていません。

【第133話】記者会見④「事務局長」

「過誤は1件のみ」の根拠とされた作戦会議とは、いったい何だったのか?
竹田くんの失点を検証して、パワハラ訴訟に備えるための会議だったのではないか?


地元B社は事務局長に「遅刻・早退・無断欠勤を把握していたか?」と問う。
すると、事務局長は「病院としては承知していない。」と答える。これはお役所言葉であり、B社はより明確な回答を求めた。
それに対して、事務局長はコクリと無言でうなずいた。その様子を地元A社のビデオカメラが捉えていた。


事務局長は、作戦会議の最後の会議に参加しており、その会議こそが、竹田くんの「無断欠勤」が議題に上った会議なのだ。
記者会見全体として、作戦会議が病院の主張の根拠となったが、この結果、作戦会議の議事録は世間に対して秘匿すべきものとなった。
(ちなみに学会は作戦会議の議事録を検証資料として見ている。)

【第132話】記者会見③「複雑怪奇」

記者会見では、前回の全国報道の時の公報が誤っていた事が公表された。大手メディアは自治体の公報を信じて誤報を流したのだ。つまり、市は誤った公報を用いて事故検証の正当性を主張していた事になる。


市民病院の医療事故対応はまるで違法建築のようだ。発表内容は訂正につぐ訂正が繰り返され、検証に関する説明も歪で重層的でありデュパンやホームズの頭脳をもってしても理解が難しいものとなっている。

まして、背景にある人間関係や人物像は「脳外科医 笹田くん」みたいな漫画が無い限り・・・第三者が理解することは不可能なのだ。(だが、そんな漫画が描かれるわけがない。)


地元以外の記者たちは、会見の現場で、初めてこの『闇の深さ』に触れた。

【第131話】記者会見②「追加3件」

地元A社は貝山さんの件で質問を続けた。
世の中の普通の医師は、他の科の事故の説明など怖くてできない。だが副院長は見識と勇気を兼ね備えた有能な人物のため、脳外科で発生した医療事故についてすらすらと回答していった。


地元A社はその様子を動画サイトにて公開した。これは後に、事実解明のための極めて重要な資料となってゆく。

 

次に追加3件について・・・
前院長は退任時に医療事故3件を追加した。だが、副院長はその発表を訂正した。追加3件は医療事故ではないと。なぜなら自然に治癒したからであると。だが、学会は3件を医療事故と認識していた。ここでも市民病院は、学会と異なる認識を世間に披露したのだ。

【第130話】記者会見①「貝山さん」

院長以下3名は、記者会見の主役であるが、「過誤は1件のみ」と決定した会議の参加者でもある。つまり事故検証における当事者だ。会見がはじまると、院長ではなく、副院長と事務局長が連携して記者への回答を行った。


まず貝山さんの事故だが、外部検証結果で「ありえない」という文言が使われ、脳外科自身の検証でも「過って損傷」と表記されている。だが市民病院は「手術の順序が過っていないから過誤ではない」という回答を行った。
執刀医の食い違いについても、「病院はどちらが執刀したかわからない。誰が執刀したにせよ過誤ではない」という内容の回答。


これらは学会が医療安全からの提出資料などで把握していた事実と食い違っていた。市民病院は学会の把握内容と違う説明を始めてしまったのだ。

【第129話】記者会見への道

学会とのやりとりだが、再三に渡り資料提出が求められた。市民病院は不十分な検証資料を出さざるを得なかった。


地元A社記事からはありえない事が起こったのだと読み取れ、市民病院はようやく記者会見を開かざるを得ない状況に至った。※院長交代の記者会見で説明は若干行われたが「係争中を理由に回答できません」を連発しほとんど説明になっていなかった。


赤池市に暗い影を落とす負の遺産を払しょくするための、きわめて重要な記者会見だった。疑惑を晴らし、医療の安全をアピールする絶好の機会!(になるはずだった・・・。)

 

※読者の中には、地元A社が誰かからのリークを記事にしたと思われている方がいらっしゃるようですが、そうではありません。(説明不足ですいません。)地元A社が裁判を丹念に追っていただけです。

 

更新履歴 7/02 22:34  コマの順序見直し 若干の文言修正・追加

【第128話】悪夢の日

新体制は外部委員会のメンバーを人選した。事故検証をするか否かも含め、全てを委員会に委ねるという流れに。結果が出るのは1年後だ。本来であれば、このままフェードアウトしてゆくはずだったのかもしれない。


ところが、新体制が発足して2カ月後、病院にとって悪夢のような出来事が起こった。
地元A新聞社が、個々の医療事故の詳細を報じたのだ。虚偽報告書と裏報告書が存在する事も、杜撰な事故対応も暴露された。


A新聞社は、世俗の権威に忖度する事なく取材内容を報じた。その姿は、現代のアンタッチャブルのようだった。

 

※読者の中には、地元A社が誰かからのリークを記事にしたと思われている方がいらっしゃるようですが、そうではありません。(説明不足ですいません。)地元A社が裁判を丹念に追っていただけです。